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田舎に移住したら、集落の決まり事を知っておくこと。

ちょっと気の重くなるようなことをお話ししましょう。

うちの近くの方が亡くなられた時の話です。

この方も移住されて来たのですが、
隣の集落の方々ととても仲良くされていて、
釣り仲間がいたり、畑を借りたりして、
毎日を楽しく過ごしていました。

ところが急に病いとなり、
入院して4ヵ月で亡くなってしまいました。

その時から、気の重くなる出来事が
次々と起こったのです。

その方が亡くなる前に
「葬儀は隣の集落の友人に頼んでくれ」
と言っていたそうです。

そして亡くなり、友人に頼んだことから、
大きな問題が起こりました。

ご遺体を病院から自宅へ連れて帰った時には、
すでに葬儀の段取りが話し合われていたのです。

友人から数人の仲間に連絡が行き、そうなったのです。

私もその時点からお手伝いに参加したのですが、
どうもいろんな場面で違和感があるのです。

何か変なのです。

その原因のひとつは、
亡くなられた方の集落ではない隣の集落の人が
お世話をしていることにありました。

本来なら、自分の集落の区長に連絡し、段取りを組み、
話が進むのですが、それを無視して、
隣の集落の方々が進めてしまったのです。

区長さんたちにとっては、納得できません。

なにしろ田舎ですから、そういうことには敏感なのです。

友人たちの間でそんな話が出ていたので、
違和感があったのです。

友人たちは、釣り仲間で送ってやりたい
という気持ちが先に立ち、
田舎の慣習を無視してしまうことになったのです。

まったく関係のない人たちからも、
うるさいくらいの意見というか、
文句というかがあったようです。

私などは、どうでもいいじゃないか、
と思うのですが、田舎ではそうはいかないようです。

ハッキリ言って、イヤなところです。

何とか葬儀となり、友人・知人が集まって来たのですが、
自分の集落の人の姿があまりありませんでした。

どうして、そんなことにこだわり、
ちゃんと見送ってやれないんだと、腹が立ってきました。

来た人でも、葬儀が始まるまではみんなから離れて、
隠れるようにして待っているのです。

隣どうしの集落の人なのに、話もしないのです。

同じ村の人だろ、とまたまた腹の立つ私でした。

そんなこんなも終り、ちょっと落ち着いて来たところに、
同じ集落の人がやって来て、
なんと、お参り方々文句を言ったそうです。

なんという人たちなんだ。

奥さんをそっとしといてやれよ。

そして、夏。
初盆の“儀式”が行われました。

私たち都会から来た人間にとっては、
見たこともない儀式です。

古い風習ですから、田舎へ行けば、
どこでも似たようなことはあると思います。

竹を切って来て、亡くなられた方をお迎えする
小さな家のようなものを作るのです。

屋根は桧の葉を使います。

文字を書いたお札のようなものを奉り、お供えをして、
手前には水が置かれています。

お参りする時は、水を桧の葉につけ、
3回お札にかけて、手を合わせます。
そして、仏壇へ。
そんな儀式が行われました。

そこで、問題がまた発覚しました。

まず、奥さんは「そんなことは見たこともないし、
知らないから、やりません」と
お寺に言っていたにもかかわらず、
隣の集落の人たちによって、
着々と準備が進められたのです。

それはないだろ、どうして家族の意見を尊重しないのか。

まあ、田舎だから仕方がないと百歩譲っても、
もっとすごい事実を聞いたのです。

なんと、亡くなられた方は「神道」だったのですが、
行われた葬儀は、地元の仏教式でした。

亡くなられて、家族の気が動転している時に、
葬儀の段取りも組まれ、
次々と事が運んでしまったのです。

奥さんは家族・親族と相談し、
もう止めるわけにもいかないので、
村の人にお願いしたのです。

ひと言、宗派を聞いてくれていたら、
こんな間違いは起こらなかったのです。

私の集落では、こうした風習が薄れつつあるので、
私にもしもの事があれば、嫁はんに「葬儀はしない」
とハッキリと言ってもらうつもりです。

私は信仰心もありませんし。

それにしても困ったもんです。

友人たちは善かれと思ってやった事でも、
家族にとっては……。

亡くなられてから、心配三分、興味七分で、
奥さんの様子を見に来る人もいるようです。

長く居座って、うだうだと話を聞こうとするのです。

イヤだね~。

奥さんは、ご主人が亡くなられた当初、
都会へ帰ろうかと考えたそうです。

わかるような気がします。

田舎のイヤなところを一度に見てしまったのですから。

ここで一句。

気をつけよう。亡くなる前は、宗派をひと言。

さあ、気が重くなったでしょう。

ここでみなさんが気をつけることは、自分の考えは、
嫌われてでも、ハッキリ言っておくことです。

それが、イヤなことから逃れられる手段です。

気合いを入れて、田舎へ入ろう。

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