新井伊勢守 /「いい武将」研究会

三重県在住の社会保険労務士。戦国武将の生き方・逸話からえた気づきや、趣味の城巡りなどを…

新井伊勢守 /「いい武将」研究会

三重県在住の社会保険労務士。戦国武将の生き方・逸話からえた気づきや、趣味の城巡りなどを書いていきます。

最近の記事

坂部城(愛知県知多郡阿久比町) 『どうする家康』に出なかった史跡⑥

母・於大が父・広忠から離縁され、竹千代は3歳で母と生き別れに。 その後元服した元康は、16年の時を経て母と感動の再会を果たす! …というお話の舞台とされるのが今回ご紹介する坂部城。 母子の再会は、於大が再嫁した先である久松俊勝の居城・坂部城で行われたというお話がありますが、ドラマ内では岡崎城で行われておりましたね。 しかも、抱き合って再会に感動していたのは元康だけ。 於大は寝返りを囁き、加えて元信に非情な選択を迫るという展開でした。 この時点で元康のメンタルはもうボロボロ

    • 安城城(愛知県安城市) 『どうする家康』に出なかった史跡⑤

      第二回まで放映済みの『どうする家康』。 若き家康の時間軸と過去の時間軸を行ったり来たりで、 この記事のタイトルである「出なかった史跡」が 後々出てくるんじゃないかと冷や冷やしながら視聴しております。 まあ、記事にした時点で出てなかったら良しとしましょう。 今回は、太原崇孚が織田信広を捕らえた安城城。 長らく織田vs松平の争いが繰り広げられた地としても知られ、 今川氏と織田氏で人質交換する契機となった地でもあります。 現在「安祥城址公園」として整備されているこの地には、 本

      • 臨済寺(静岡県静岡市清水区) 『どうする家康』に出なかった史跡④

        織田家から今川家へ人質交換で移動した若き日の家康。 今川家での扱いは、単なる人質だったというよりは 「人質ではあるものの、将来は我が家を支える人材」 というような感じが見受けられます。 そんな印象を受ける最大の要因は、今川家を支えていた 太原崇孚(たいげんそうふ)もしくは太原雪斎(たいげんせっさい) という人物から英才教育を受けていたということでしょう。 今回ご紹介するのは、その教育が行われたといわれている臨済寺。 太原崇孚は今川義元の教育係を務め、今川家・武田家・北条家

        • 加藤図書屋敷跡(愛知県名古屋市熱田区) 『どうする家康』に出なかった史跡③

          前回の②「笠覆寺」で人質時代のことについてふれましたが、 織田家の人質時代を過ごしたといわれているのが 熱田神宮にほど近い、この加藤図書屋敷跡(熱田羽城跡)。 今となっては遺構等残っておりませんが、 ここに若き家康がいた、もしかすると信長と会っていた …と思いをはせれば(妄想すれば?)楽しいものです。 ちなみに、現在名古屋市中区大須にある万松寺にも竹千代が9歳くらいまで過ごしたという言い伝えがあるそうで、6歳で加藤図書屋敷へ→その後万松寺という流れで移動したと考えられてい

        坂部城(愛知県知多郡阿久比町) 『どうする家康』に出なかった史跡⑥

          笠覆寺(愛知県名古屋市南区) 『どうする家康』に出なかった史跡②

          第一話の時点で、幼少期の出来事はほぼ触れられませんでした。 竹千代から元服までの期間は人格形成に至った期間だと思いますが、 この間、幼き家康は今川家に行く予定が織田家に行くことになり、 その後また今川家に行くというハードな経験をしております。 この織田家→今川家という移動については、今川方の太原崇孚(たいげんそうふ)という人が大活躍。 織田方の安城城を攻め落とし、ここの城主だった織田信秀の長男・信広(織田信長の異母兄)を捕らえて、「竹千代と信広で人質交換しよう」と織田方にも

          笠覆寺(愛知県名古屋市南区) 『どうする家康』に出なかった史跡②

          寺部城(愛知県豊田市) 『どうする家康』に出なかった史跡①

          ついに始まった2023年の大河ドラマ『どうする家康』。 幼少期からじっくりと人格形成のシーンを描いていくかと思いきや、 初回から桶狭間の戦いをメインとする構成でした。 そのため、それ以前の史跡はもれなくカットの憂き目に。 まだ元信と名乗っていた時期、初陣の舞台となったこの寺部城も然り。 織田氏につき、今川氏と敵対した鈴木氏との戦いは 決して楽なものではありませんでしたが、火攻めなどを用いて攻略したそうです。 今後は、過去を少しずつ振り返りながら物語が進むのかもしれませんね

          寺部城(愛知県豊田市) 『どうする家康』に出なかった史跡①

          【城を巡る】立岡城跡

          登城:2020年10月 概要:三重県度会郡度会町にある、築城者も築城の時期も謎の城。 12:30 入口付近はこんな感じ。     さっそく入ってゆきましょう 12:35 少し登ると分岐路が出てきました。    まずは右折し、最大の見所である畝状竪堀群の方へ。 12:40 くっきりと見える畝状竪堀群!    横から見てもはっきりとわかりますね。 12:50 分岐路まで戻って、今度は主郭方面へ。 12:55 少し登ると、第二曲輪へ到着。     この曲輪には

          【武将像】上杉謙信と武田信玄

          日本各地にある、様々な武将の立像・坐像・騎馬像をご紹介。 第四弾は、戦国時代を代表するライバル関係の二人。 上杉謙信秋葉公園 所在地:新潟県長岡市谷内2丁目8−4 栃尾美術館 所在地:新潟県長岡市上の原町1−13 春日山城跡 所在地:新潟県上越市中屋敷1357−1 上越市埋蔵文化財センター 所在地:新潟県上越市春日山町1丁目12−8 米沢城跡 所在地:山形県米沢市丸の内1丁目4 上越妙高駅(東口) 所在地:新潟県上越市大和5丁目2−19 武田信玄甲府

          【武将像】上杉謙信と武田信玄

          【城を巡る】赤木城跡

          登城:2021年11月 概要:藤堂高虎が1589年頃築いた、標高約230mに位置する平山城。    中世と近世、両方の城郭の特徴をもつ城。 13:30 まずは東南側、少し離れた場所からの遠望で全体を楽しむ。 13:35 駐車場へ到着。トイレ外にあるパンフレットを入手して登城開始。 13:40 門跡から進入し左折、東郭の先端あたりから主郭方面を撮影。 13:45 主郭下の虎口を通過し、主郭へ入ってゆきましょう。 13:48 門跡枡形を上から見た後、主郭東側の石垣と東郭

          6/17 歴史講座「どうする家康」②

          愛知県の大府市で行った「どうする家康」講座、 ここから後半部です。前回の記事はコチラ↓ 大樹寺のエピソード 三河一向一揆 三方ヶ原の戦い 講座を始める前に、 「徳川家康ってどんなイメージですか?」 「徳川家康について知っていることってありますか?」 と、参加者の皆様に少しアンケートを取ってみたところ、 ・鳴くまで待とうホトトギス ・人質時代に信長と会っていた? ・晩年は腹黒い など、様々なお答えを頂きました。 全5回講座の最後で、もう一度聞いてみたいなと思っており

          6/17 歴史講座「どうする家康」②

          6/17 歴史講座「どうする家康」①

          愛知県大府市で毎年行われている「おやじの学び舎」。 今年も、全5回の講師依頼をいただきました。 今年は2023年の大河ドラマ『どうする家康』を題材に、 日本一早い(多分)予習をしようというコンセプトでやってゆきます。 簡単な家康年表 生誕時のエピソード 幼少期のエピソード 桶狭間の戦い 前半はこんな感じの内容で語り、 後半は三河一向一揆から三方ヶ原の戦いまでふれてゆきました。

          6/17 歴史講座「どうする家康」①

          【武将像】加藤清正

          日本各地にある、様々な武将の立像・坐像・騎馬像をご紹介。 第五弾は、美しい曲線の石垣を積み上げる築城名人・加藤清正。 妙行寺 所在地:愛知県名古屋市中村区中村町木下屋敷22 名古屋能楽堂 所在地:愛知県名古屋市中区三の丸1丁目1−1番1号 名古屋城 所在地:愛知県名古屋市中区三の丸1丁目2−3 熊本城 所在地:熊本県熊本市中央区花畑町2−15 本妙寺公園 所在地:熊本県熊本市西区花園4丁目 健軍神社参道 「健軍」交差点付近 所在地:熊本県熊本市中央区神

          【ものづくり】ペーパークラフト④

          ファセットさんから発売されている、ペーパークラフト日本名城シリーズ。 今回は、雲海に浮かぶ「天空の城」として知られている備中松山城、 備中松山城 岡山県高梁市にあり、現存十二天守のなかで唯一の山城。 北側には大松山城もあり、日本三大山城の一つに数えられられている。 2018年の12月より、猫の「さんじゅーろー」が城主に就任。 本丸南側から 南西側から 本丸下東側から その他アングル 感想 望楼型の天守、折れ曲がった石垣に苦戦したのもさることながら、 最大の障壁

          【ものづくり】ペーパークラフト④

          【ものづくり】ペーパークラフト③

          ファセットさんから発売されている、ペーパークラフト日本名城シリーズ。 松本城→丸岡城ときて、今回も現存十二天守のひとつである弘前城。 弘前城 青森県弘前市にある、東北地方で唯一かつ最北にある現存天守。 1810年頃に建てられた天守は、正式には「御三階櫓」と呼ばれるもの。 石垣修復作業のため、2015年より天守が本丸へ移動している。 下乗橋付近から 北西側から見た天守 北東側から見た天守 その他アングル 感想 前の二基と異なり、今回は初の層塔型天守。 慣れてきた

          【ものづくり】ペーパークラフト③

          【ものづくり】ペーパークラフト②

          ファセットさんから発売されている、ペーパークラフト日本名城シリーズ。 前回の松本城に引き続き、今回は丸岡城をご紹介してゆきます。 丸岡城 福井県坂井市にある、北陸地方で唯一の現存天守(重要文化財)。 本多重次の「一筆啓上」エピソードゆかりの地としても有名。 近年の調査により、天守は寛永年間(1624~1644)の建築とされている。 本丸北東側からの角度 望楼部のアップ 正面から 他の角度から 感想 天守のみの独立式で、パーツが少なかったこともあり 一作目の松本

          【ものづくり】ペーパークラフト②

          【ものづくり】ペーパークラフト①

          ファセットさんから発売されている、ペーパークラフト日本名城シリーズ。 過去に私が作成した城を、ご紹介してゆきたいと思います。 松本城 長野県松本市にある、日本に5基しかない国宝天守のひとつ。 黒い外観から、地元を中心に「烏城」の名で親しまれている。 戦乱の世と平和の世の建築物が組み合わされた天守が個性的。 本丸側から見た天守 内堀と天守 夜 感想 大天守に乾小天守と辰巳付櫓・月見櫓が合わさった複雑な天守構造は、 初挑戦するには難易度が高いように感じました。 まず

          【ものづくり】ペーパークラフト①