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ドイツの近現代史から見えるもの

自社の本の宣伝をするためではないですが、本書『東ドイツ ある家族の物語』を編集して思うこと。

ファシズムも社会主義も、右翼も左翼も、全体を俯瞰してみて、歴史からもっと考えるべき時代が来たような気がする。

この本では、東ドイツで生まれ育った著書が、肉親である父母や、祖父母へのインタビューを通して、それぞれが生きたドイツ、共和制からファシズムへ、そして戦後、社会主義と資本主義に分断され、そしてまた統一するドイツの近現代史を、それぞれの個人の人生からの視点で綴っていく。

本書では、アウシュヴィッツで殺害された共産主義者の曾祖父。フランスに亡命しパルチザンとして闘い、東ドイツではジャーナリストとなった祖父。「第三帝国」では小ナチとなり、東ドイツでは小スターリンとして生きたもう一人の祖父。ナイーヴで社会主義の理想に忠実だった母。常に東ドイツに批判的だった父。そして政治に無関心だった著者。彼らにとってドイツとは、そして社会主義国家東ドイツ(DDR)とは何を意味したのか……生き生きと描かれた家族四代の肖像。生身の人間を通したすぐれたドイツ現代史が綴られる。


全ての思想には、どれも矛盾があることがわかる。
光と闇がわかる。

そのうえで、これから我々がどういう世界をどう作って生きていのかを考える、そんな段階なのでは、と思う。

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