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戦いの果てに何がある?

昨夜は、疲労が溜まりすぎて、自宅の自室でMacBookをひろげたものの、繋げたマウスをクリックしてドラッグする力も手から出てこず、諦めて気を失ったように部屋で倒れ込んで寝てしまいました。

勝負企画の新刊、『名古屋鉄道車両史 上巻(創業から終戦まで)』は無事に予定通りに発売。次の『三船敏郎の映画史』も来週刊行。その次には好評のシリーズ第4巻『静寂の中に、音楽があふれる 現代の世界的ピアニストたちとの対話 第四巻』の刊行もひかえています。

そして、映画公開との連動企画、映画の原作翻訳本『沈黙する教室』も、今翻訳者が必死で最後の校正をやっているところで、僕は本文に挿入する写真を組版ソフトのインデザインで適当な位置に貼り付け、翻訳者が訳したその写真のキャプションを入れ、あと巻末に入れる原注と参考文献のページを作成するところまで漕ぎ着けました。なんとかこれで映画公開までには本を作り上げることはできそうです。

でももう数ヶ月、朝から夜中までほぼ休みなく働き続けてきたので、体のあちこちに不調が出始めてきました。昨日は、ずっと痛かったけど時間がもったいなくて医者に行かなかったせいで、ついに虫歯が朽ち果てて割れて抜け落ちました。しかもそのまま飲み込んでしまった。

まあ、そんなことはいいのですが、甘かったなあ、と思うことが多いこの頃です。

思った以上に、出版社の経営を、黒字体制にすることは、とても難しいということを身にしみて感じております。

今月は注文きたなあ、売れたなあ、と思う月であっても、過去に出た本の返品が山のように返ってきたりすると、その月の売り上げは激減し、取次からの入金も激減。支払いに回すお金も足らなくなり、会社の貯金を切り崩す。しかもその会社の貯金は銀行からの借入金、返さなくてはならないお金でもあるので、毎月返済する分も残しておかないといけない。

出版社にとっての「返品」の恐ろしさは、経営者になる前から当然知ってたけど、当時の社長が偉かったのですが、あまりその辛さを社員に見せることがなかったので、その本当の苦しさを感じることはなかったのかもしれない。

今、自分は経営者で、銀行の借入金の連帯保証人なので、返済に行き詰まるかもと思うと落ち着いていられなくなります。まだ会社の口座に1千万あったとしても、一年間に数百万の赤字の月を何回か出せば、あっという間に無くなります。

毎月確実に安定的に利益を出すのが、常に同じものはない新商品を作るメーカーである出版社にとっては至難の業で、この苦しさは永遠に続くのでしょう。永遠に。

でももう今更逃げる事はできないし、数々の連帯保証のハンコも捺してしまったので、ただひたすら、最低でも借金がゼロで、買掛金を全部返されるお金が持てるまでは休むことはできません。

果たして何歳まで?

どんなに頑張っても、たぶん70歳までは走り続けなくてはならないと思います。



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