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躁うつ時代を生き抜く創作術11-創作を継続する方法。まずは小さな一歩から始める-

日常の中で創作活動を始めることは、多くの人にとって大きな一歩を踏み出すこと
だと思います。

特に僕のように躁うつ病などのメンタルヘルスの課題を抱える人々にとっては、その一歩が、さらに難しく感じられるかもしれません。勇気が出ないときもありますよね。わかります。しかし、創作はもがき苦しむあなたにとって、一筋の光となるかもしれません。創作への道を躊躇している人たちに向けて伝えたいことは、創作活動を始めるためには「まずは小さな一歩から踏み出そう」ということです。

はじめはやっぱり恐怖があると思います。創作に対する恐怖を乗り越えることは、「創る人たち」=「創作者」にとって大きな挑戦だと思います。。

僕も最初は恐怖がありました。僕は毎日、始めたばかりのパステル画をSNSにアップしていました。最初は本当に美術も学んでいないど素人が絵をアップして、どんな人にどんなこと言われるかわからないという恐怖心ももちろんありました。SNSに絵をアップしている人たちはとにかく技術も高いし、うまい。それは絵の素人である僕でもわかりました。
つまり、自分の作品が他人にどのように受け取られるか、自身が持つ才能に対する疑念、創作を続ける自信の欠如など、これらの不安はすべて創作の道を進む上での障壁となります。
しかし、これらの感情は創作の本質的な部分であり、創作者として成長する過程で直面するものと徐々にわかってきたのです。

これらを乗り越えるには、まず自分の内なる声に耳を傾け、「ゆるす」ことが重要です。
自分の作品を他人の目ではなく、自分自身のために作ることの意義を見出しましょう。そう全力で他人から目を逸らし続けるのです。あなたの作品は、誰のものでもなくあなたのものでいいのです。
こうした小さな成功を積み重ねることで、徐々に自信を築いていくことができます。創作活動は自己表現の手段であり、完璧を求める必要はないのです。自分のペースで、自分の方法で創作を楽しめば、いつしか、恐怖を乗り越えていることでしょう。

そして、もし自分に合った創作方法(絵でも音楽でも文章でも)が見つかったら、なるべく毎日の習慣にしましょう。
習慣こそが重要です。毎日の習慣を作ることは、創作活動に対する自信を育て、創造を日々の生活に織り交ぜることにつながります。
習慣こそが、創作活動への恐怖や不安を和らげると同時に、創作が生活の一部になることで、精神的な不安のやわらぎにもなります。
実際に僕はパステル画を描くときに、自分の指先が生み出した「色」に注目していました。具合が悪いときに描いたパステル画は、なぜか極端に色が濃かったり、アンバランスな色使いになったりする。絵が完成した後、それを俯瞰で見てみると、今日の自分の体調がわかるのです。

あまり体調が良くなかったときに描いた絵①
あまり体調が良くなかったときに描いた絵②
あまり体調が良くなかったときに描いた絵③

ここで重要なのは、創作に対する期待を持たず、小さなステップから始めることです。習慣化することで、創作活動は次第に生活の中での「自然な行為」へと変わり、創造的な思考が日常的に頭の中に浮かんでくるようになります。
何よりも重要なのはルーティン化することです。僕は実際に毎朝、まず、バイトに行く前に絵を描くと決めていました。とにかく5分でも、10分でもいいから、生活の中に創作の時間を織り交ぜてしまいましょう。途中まででもいいのです。完璧を目指さないことが重要です。

そう。完璧を目指さないことが重要なのです。

完璧を求めずに創作活動に取り組むことは、創作者が自己表現の道を探求する上で欠かせません。僕も完璧主義に陥っていました。
というか、うつ状態の時って、なぜか完璧主義になってしまうのですよね。
「俺は天才なのに、完璧な作品を作り出せない」なんて、壮大な勘違いが脳内で始まります。これってすごい不思議なんですよね。普段、心の状態が「正常」の場合は、自分が天才だ、なんて思考にはならないのに、なぜかうつ状態になると「自分は天才だ」なんて思考がスタートする。うつ状態の不思議です。
創作は、完璧な結果を出すことよりも、創作過程自体に価値があります。初めから素晴らしい作品を作る必要はなく、失敗を恐れずに試行錯誤することが、あなたの創造性の発展につながります。
たとえば、絵を描く際には、色や形が思い通りにならなくても、それが自分だけのユニークなスタイルを生み出すきっかけになるかもしれません。僕もパステル画を描いていますが、誰にも教わった経験はありません。毎日、試行錯誤で描き続けて、「この書き方、面白いかも」「このテーマで描くの楽しいなあ」という発見をしてきました。実は完成した作品が重要ではなく、この毎日の発見が、僕のような躁うつ人には重要だったりするのです。毎日の発見の連なりが、「生」を連続させることにつながるのです。
例えば、文章を書く場合も、構想段階が完璧でなくても良いのです。大事なのは、アイデアを形にすること。あなたの頭の中を、気持ちを、文章にするという、その行為こそが重要なのです。

創作活動は、自己受容を深めることです。
自己受容とはつまり、自分を「ゆるすこと」です。

自分の内面と向き合い、創作することで、感情や考えを形にし、自己理解が深めます。
僕はパステル画を描くまで、病にふせた自分をゆるすことができませんでした。
ですが、パステルで紙に風景を描いていれば、それがいつしか安らぎの時間になっていたことに気がついたのです。

自然は完璧だが、僕の創り出すは絶対に完璧にはならない。

この一種の自然に対する「気づき」が、僕を安心させたのです。
創作は自分自身の内面でお起こっている真実をどうにかこうにか受け入れ、やがて自分の価値を認めることができるようになります。
創作は、自分の声を見つけ、それを世界に向けて発信する力です。
自分自身を「ゆるす」ことで、僕たちは真の自由を得ることができます。創作活動はその「ゆるし」の過程の貴重なツールなのです。


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