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躁うつ時代を生き抜く創作術12-創作活動とは「宝探し」である-

創作活動とは、僕らの人生にとって、いったいなんなのでしょうか?

創作活動は、僕たち自身の内面を探求することでもあります。

「創作」は自分自身の内側、胸の奥の奥を、自らの手で掘り下げていく。洞窟の中で宝石を見つけるようなものです。そう。創作は「宝探し」に似ています。宝石は毎日見つかるかもしれないし、1週間、1ヶ月、時には1年、待たなければ宝石が見つからないかもしれない。それでも僕たちはそこに宝箱があると信じて、洞窟を掘り進めなければなりません。

それが「創作」なのです。

ここでは、「宝」とはつまり、自己受容=ゆるしのことだと定義します。自己需要と自己理解の果てに、最終的に自己肯定感を高める力を持っているのです。創作と自己肯定感の深い関係があります。創作活動を通じて自己肯定感を高めることは、自己発見の連続であり、創作自体が成長と変化の証です。

「私は無才である」というところから出発した方が、まあ、楽ですよね。多くの人が「俺には才能がない」と感じる瞬間がありますが、まずはこの「無能感」を無理矢理にでも肯定するのです。「私は無才である」を自己肯定感のベースとして受け入れることが、まずは、創作への第一歩です。無才を認めることで、自分自身を「ゼロ地点」と認知し、そこから何かを築き上げていく過程を楽しめるようになります。

自分を「無才」と認めた後は、とにかくひたすら自己を探求していきます。それこそがまさに「宝探し」なのです。
そうそう。うつ状態の時には、とにかくとにかくとにかく、「ここではないどこか」を探し求めますよね。「ここではないどこか」は、この世界中どこに探しても存在しなく、自己の内側、自分の胸の奥を探しあたることでしか「ここではないどこか」を探し当てることはできないのです。

「創作」とはつまり、自分自身の秘めた可能性と向き合って、内なる「宝」を発見する過程です。それが絵でも文章でも音楽でも、そのほかの芸術的行為でも、もしかしたら、それはDIYで日曜大工をすることもかもしれない。ライブ配信かもしれない。なんにせよ、この「宝探し」=創作活動を通じて、我々は自己受容、そして、自己肯定感に至ることができるのです。

「人類無才論」を前提とし、自己を「ゼロ地点」と位置付けましょう。

「無才」というスタートラインに立ったら、そこから、本当に小さな成功体験を積み重ねていきましょう。
創作活動において、日々の小さな成功体験は自己肯定感を大いに高めます。自分の努力が形になった瞬間を目の当たりにして、それが自信へと繋がるからです。それは誰のためでもなく、まさしく「自分自身のため」の瞬間です。
絵を描いたり、詩を書き上げたり、エッセイを書いてみたりすることは、毎日やっていけば、小さな成功体験となるのです。それが少しづつ積み重なって、やがては大きな自信につながっていきます。

僕も自信はありません。ひどいもんです。ですが、毎日、何かしらの「創作」をしていると、少しづつ自信がついていきます。僕はもうすでに30代も半ばに差し掛かったいい大人ですが、毎日、そのことについて考えています。うつ状態を回避するには自信を持つことが必要不可欠だ!とは断言しません(僕は医者でも心理士でもないので)ですが、やっぱり自信を持つことは、メンタルのバランスをとる上で重要な役割をになっているようなのです。

だからこそ、日々、練習、小さな成功体験を積み重ねる必要がある。
小さな成功体験を積み上げていくと、やがてあなたの自己肯定感を根底から支えます。つまり自信がつきます。
でも、その自信は朝起きたら、完全にリセットされてしまうかもしれません。積み上げたジェンガが崩れ落ちるように、間違って削除した文書データが真っ白に戻ってしまうように、自信というものが消え去るかもしれない。その時は本当に絶望的な気持ちになります。僕もそうです。すごく充実した気持ちで前の日の夜に布団に入ったのに、次の日の朝、目覚ましを止めた瞬間に、自分の全てがリセットされて、自信がなくなっていて、絶望的な気持ちになる瞬間はよくあります。せっかく「宝探し」で探しあてた「宝箱」の位置がマップ上から消えて、また別のダンジョンの階層の、奥の方にしまわれている。そんな感覚です。

それでも、僕たちは、そのダンジョンにまた戻って、潜って、「宝探し」をしなければならないのです。

繰り返しになりますが、創作活動は、自己肯定感を高めるための「宝探し」です。
長期的に自己肯定感を維持し、そして発展させるかは、自分自身がどうやって創作しているのか、その理解を深め、1日1日の小さな成功を認識することが重要です。
失敗しても気にしないでください。
失敗しても、失敗作も、どんどんSNSなどにアップしていきましょう。SNSには本当に巧みな、優れた、作品がたくさんアップされていますが、それらからはすべて目を逸らして、気にせずに自分の作品をどんどんアップしていきましょう。いいですか。すべてに目を逸らすのです。ですが、自分の作品はアップして、見てもらいましょう。「見る」のではなく「見せる」のが重要なのです。他人からは全力で目を逸らすことが重要です。

そう。創作は「宝探し」なのです。
精神的な充実感をもたらし、日々の練習を通じて、充足したという感覚を維持します。
自己肯定感を持続させるためには、自分との対話を深め、とにかく創作活動を止めずに、少しづつ、成功体験を積み重ねましょう。

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