見出し画像

躁うつ病時代を生き抜く創作術5 創作のテーマの見つけ方-

今回は創作のテーマの見つけ方について書きます。

まず、前提に立ちましょう。
僕らは無才です。無才人です。原則的に「才能がない」のです。これはだいぶ、諦観というか、諦めというか、そんなふうに聞こえるかもしれません。ですが、そんなことはありません。0ではなく1なのです。僕らはベースとして、「1」の才能を持っていて、そこからとにかく「物量」を掛け合わせていくことによって、「1」の才能を膨らましていく。才能「1」をどう見つけるかは、とにかく手を動かすしかないと思います。とにかく、気になったものには手を出してみる。徹底的にミーハーを貫く。にわかを貫く。「お、これやってみたいなー」と少しでも思ったら、例えば絵とか、文章とか、小説とか、ガーデニングとか、日曜大工だっていい。とにかく「創作」するものなら、なんだっていい。手を出してみましょう。そして、その「創作」の時間を日課に組み込んでしまいましょう。そして、飽きたら捨てればいいのです。思い切り。一気にやめちゃいましょう。

僕はバンドをやっているのですが、よく「やめないために高いギターを買った方がいい」とか「いや、安いギターから始めるべきだ」とか論争になることがあるのですが、僕はどちらかというと後者の意見に賛成です。高い機材がもったいない。だから続ける。あんまり楽しくないなあ。ギター弾くの好きじゃないなあ。でも、高いギター買っちゃったしなあ。と思いながら続けるくらいなら、僕は安いギターを買って、練習することを「日課」に組み込んで、とにかく練習の物量を稼いだ方がいい。なので、僕は絵の画材も、無理のない範囲で購入しました。まずはどのくらい、続けるかわからなかったので。

というわけで、僕らは無才人、ということに立ち返って、創作のテーマを見つけるとすると、テーマは、「質」より「量」をこなすしか、見えてこない。ということです。つまり、根本的に「量」をこなすことで、次第にゆっくりと、テーマ「らしきもの」がぼんやり見える。その程度だと思います。
M雲以前は、何か「テーマ」的なものを見つけようと、どこか躍起になっていました。創作物には「テーマ」が必要なはず。「テーマ」を見つけなければ。「テーマ」がなければ人の心には届かないのでは?そんなことを考えていました。まず「テーマありき」で創作をしようとしていたのです。しかし、こう言った文章や、絵を書くにあたって、次第にテーマを見つけるのが苦しくなっていった。例えば前は、文章やインタビューをするにも、何かまず「テーマ」的なものを前提にしてでしか、物事を作れなかったんですね。もちろん、それで、人とテーマを共有できて、伝えたい感情を共有できて、いいものが作れたり、書けたりすることは、多々、あったのですが、鬱という、その精神的大虐殺、精神的混沌を経た僕には、テーマという一つの塊を、自分の中に見出すことができなかったのです。つまり今までは、人の中に見出していた「社会」を、自分の中に見出すことができず「社会」に対して、ものを伝えればいいかわからなくなった。僕は苦悩しました。
そんな時にあるプロのマンガ家さんから「テーマなんてなくてもいんじゃない?まずは作ってみようよ」と言われました。「えっ。テーマがなくてもいい?そんなことでものを作っていいの?」僕は目から鱗が落ちたようでした。「テーマ」なき創作物を作る。そんなことは考えてもみなかったからです。

そこからしばらく経って、僕は絵を描き始めました。絵も最初は無意識のうちにテーマを見つけようと、苦心していました。どこかに俺の絵のテーマがあるはずだ、という妄執がありました。しかし、僕はそこでマンガ家さんに言われた「テーマなんてなくてもいいから、作ってみなよ」という言葉を、毎日のように繰り返していました。「テーマがなくてもいい」この言葉は僕の心を軽くしてくれました。毎日一枚、とにかく「質」より「量」をこなしていきました。そしてようやく最近になって、テーマらしきものの片鱗が、ようやく見えてきた。そんな感じがします。でも、きっと、このテーマもどんどん変化していく。
僕はそれでいいと思います。テーマはどんどん変わっていい。細胞がどんどん新陳代謝していくように、テーマも変化していって当然です。自分も変化するし、そして、社会も変化するものですから。

また立ち返ると、我々はどこまでも無才人です。「1」の人間なのです。才能は目に見えません。数値で測れるものでもありません。才能は他者が決めます。才能とは憧れの指標であり、自分で判断を下すものではありません。私自身は無才人であり、才能があるかどうか、他人が決めることなのです。
なんか、長くなっちゃいましたが、創作のテーマの見つけ方は、結論としては「量」をこなすことです。そして、「テーマ」がなくてもとにかく作り出す、ことです。他者が作っているものからは目を背けましょう。目を逸らしましょう。徹底的に自分の内面を観察してください。他者を見るのは、創作していない時だけにしましょう。評価されなくても、「いいね」がつかなくても、とにかく作り続けましょう。「量」をこなすのです。一日の中で時間を捻り出して、30分でもいいから、「創作」の時間を作り出しましょう。その中で、きっとあなただけのテーマが見えてくるはずです。

今日のパステル画『17:40』

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?