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卑屈になった私たちの夜

いつから卑屈になってしまったのだろう。

最近、自分が卑屈になっていることに気付いた。ショックだ。いつから私はこんなにもいじけてしまったのだろうか。

例えば、欲しいものがあるとき。
私はアルバイトをしていない。けれど、慎ましく生きているので、両親の仕送りでなんとか生きている。一回だけ、ものすごく欲しい時計があった。その時計は、3000円の時計しか持ったことのない私には、とても高額だった。買えなくもない金額だったのだが、アルバイトもしていない私が、こんな贅沢なものを買ってもいいのかと思った。結局、買うことはなかったのだけれど、それからというものの、何を買うにもその思考が離れない。それだけならばよかった。まだ「謙虚」と言える範囲だろう。

問題は次だ。クリスマスの季節。
どうしても、クリスマスは恋人で過ごすものだと卑屈になってしまう。私だってわかっている。クリスマスは恋人とイルミネーションを見てもいいし、家族でケーキを食べてもいい。もちろん一人で何事もなく過ごしたっていい。実際、私もクリスマスは家族でケーキを食べる日だった。クリスマスが好きだった。クリスマスが好きだったはずなのに、卑屈になったせいで、素直に楽しめなくなった。クリスマスが楽しみだと言えなくなった。

今日は、そんな卑屈仲間と喫茶店に行った。クリスマスイヴだったからか、人は少なかったように思う。「明日、出かけるんだけど絶対カップルやばいよね。」とか「イルミネーションに小さい虫がついて濁ればいいのに」とか「クリスマスって概念、壊れないかな」とか、散々なことを言った。そう言ったくせに、ちゃっかりコンビニでクリスマスケーキを買って「幸せ」と言いながら食べる私たち。かなり矛盾しているけれど、楽しい夜だった。

卑屈でもいいのかな。多分いいんだよ。楽しければ、それで。

#日記 #エッセイ #クリスマス #クリスマスイヴ
#喫茶店 #卑屈 #恋人


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