見出し画像

15スプリントでスクラムチームは解散する

ここ3年で、POとして8個のスクラムチームをビルディングしてはスクラップしてきた。

ある時、チームが解散するときのスプリント数を計測してみたところ、ほぼ全てのチームが綺麗に15スプリント前後で解散を迎えている事に気付いた。1週間スプリントなので、期間で言うと約3〜4ヶ月になる。

何をあらわしているかというと、そこそこでかい会社というものは、四半期に一度、必ず組織変更するものである。その都度煽りを受けてチームはスクラップ&ビルドを繰り返すのだ。戦略の変更でリソースを再配分したり、横串に切ってたものを縦串で切ってみたり、人が入ってきたり、出ていったり、様々な理由で組織は形を変えてゆく。

組織は変わっていくべきで、逆に変わらない組織もそれはそれでヤバい。しかし、いかんせんチームを作ることも、潰すことも、精神的に大変負荷が高い。作るときには様々な価値観を持った人たちを、ひとつの意思を持った集合体にまとめあげる苦労を、潰すときには、手間暇かけて育てて愛したチームを、殺してバラバラに解体する苦しさを味わうことになる。

これを3ヶ月に一回やってたら精神的にもたないし、ビルディングにかかるコストも回収できない。生産性が安定した頃にはチームが解散してしまうのだから。スクラムの教科書的に言うと、チームは最低でも5年は維持するべきものであると聞いた。

この頃では、チームをビルドする時には必ず15スプリント後、そのチームを終わらせる時のことも一緒に考える。
お互い苦しまずに終わらせたい。メンバーの記憶の中に、失敗体験として残したくない。スクラムを嫌いになって欲しくない、かといって崇拝、信仰してほしくもない。彼らの中に少しでも何か良いものを残して終わりにしたい。

このお話に答えはない。組織変更も悪くないし、スクラムが間違っているわけでもない。スクラムを続けることが目的になってしまっても良くない。ただ組織とスクラムの相性はあると思う。今言えることはそれだけしかない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?