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移住してわかった。人口増加No1・福岡市は何故強いのか?

【福岡移住あれこれ】その3・福岡のネアカは快楽至上主義。

【福岡移住あれこれ】→部屋を借りたのが2013年。「陽気でラテン気質の街」福岡に惚れてます。移住者の、移住者による「構造観察バラエティー」です。アウトサイダーの独断と偏見で、この街の傾向と特徴を紐解きます。移住を考えている方は「ちょい住み」からをお勧めします。


池松潤(いけまつじゅん)
恋愛小説家 #金曜トワイライト / SNSコーチング サービス/ アウトプットLAB主催 / サイボウズ式第2編集部。慶応義塾大学卒業後、大手広告会社員時代に雑誌コラム連載・ビジネス書を執筆。※登壇・イベント情報は⇒コチラ 

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①福岡市住民をあえて3つに分類する

福岡市の住民は大きく3つに分類できます。黒田藩の誇りを名残に持つ「福岡城側」と博多商人のプライドを源流に持つ「中洲側」、そして東京本社の九州支社で働く新住民「博多駅側」に分かれます。前回に新住民「博多駅側」は、ここ数年「博多駅へ通勤する」急増している族で歴史がありません。ですので「福岡城側」「中洲側」の歴史や文化が「街の明るさを」ドライブさせていると言っても過言ではないでしょう。

都市生活の中でほとんど目立つことはありませんが、実は、武家エリア「福岡城側」が、商人エリア「中洲側」を見下す「プライドの歴史」は確かに存在しています。そして、「おい!まだ士農工商かよ!」と驚くほど「地方感覚」爛漫に思えます。

しかし「人間関係」をまず理解するのは、移住者にとって大事なスキルです。これを「所詮、田舎だから」と片付けるには早すぎます。機微とは人間関係。前々回に書いた「男女関係」も「人間関係」を理解する事から「目に見えない街の本当の顔」がわかるからです。


②一般によく言われる「福岡の3大特徴」

まぁ。福岡のよく挙げられる特徴が「ご飯が旨い」「美人が多い」「家賃がめちゃくちゃ安い」つまり「物価が安い」といった所でしょうか。この辺の情報であれば、出張者でも転勤者でも知っています。もう少し深くなってくると「夜も色々楽しいねぇ」(広い意味で)とか「バーのレベルが高いねぇ」(著名バーテンダー)とか「面白い店結構あるねぇ」とか「女性バーテンダー」以外と多いねぇ。とか気がつくようになるのではないでしょうか。

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その根底に流れる魅力は、街が「明るい」ことだと思います。それは、「人が明るい」から「街も明るい」空気が流れているのではないでしょうか。朝の山手線のような大混雑に遭遇するようなこともありませんし、電車内でカリカリした『しかめっ面』と向き合う事もありません。そして「あ。どうぞ」と席や場所を譲ったりする「いい」空気が流れているので、都会みたいな「ギスギス感」は少ないと思います。まぁ電車やバスに乗る時に「並ばない」という風習もありますけど。

そして「街が明るい」というのは「ひゃっほー!」というバカ騒ぎという訳では無く、笑みが絶えない「なんとなく楽しそうだね感」という空気が流れているように思えてならないのです。ではその「明るい」が、どのような「構造」で出来ているのでしょうか。


③「快楽(至上)主義」というラテン気質

「快楽主義」とは何か?それは「楽しいことが一番」を信奉する文化です。これは、信じているもののレベルで大事な点かと思います。ラテン民族と言っても「スペイン」なのか?「イタリア」なのか?と意見も色々別れるところですが、要は「ま。明るく、楽しく、生きて行こう」という人たちなんですね。

「快楽至上主義者やけんね~」という笑い声が聞こえてきたことは2度や3度ではありません。この街の明るさの深層は、どうやら快楽主義を構成する複数の要素で成り立っている事が、わかってきました。ではこの「快楽主義」とはいかなる「事象」を指しているのでしょうか。またどのような「人間関係」に基づいてるのでしょうか?

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④「相互監視社会」という安心のメリット

福岡の象徴として「屋台文化」が挙げられます。屋台では、店主を介して三角関係のようになって、お隣さんとも色々な談義をして会話を楽しむ場所です。福岡がよそ者にオープンである理由は、戦後に復員兵の受け入れ港が博多港でよそ者がそもそも多かった事から由来しているなど諸説ありますが、屋台文化もその一つではないかと思います。

それには、仲良くなり易い「隠れた・前提条件」があるのだと気がつきました。例えば、東京の場合はエリアの大きさや、人口の多さで云わば「振り逃げもOK」という「性悪説」が前提の「相互不信」が社会の前提条件になっていると思います。

しかし福岡市の場合は、街が小さい(といっても人口150万都市)ですが、「明日からシゴトやりにくくなるかなぁ」という地方都市にありがちな(いい意味での)抑止がまだまだ効いていて「相互に監視していて悪い事は起りにくい」という都市の傾向があるかと思います。

ですので「あまりに猟奇的な殺人事件」を見る事は稀ですし「滅茶苦茶やなアイツ」という「●●連合」のような凶暴な準指定●●団のような連中が市中に跋扈している様子もありません。

「まぁ。とりあえず呑もうよ」文化は、腹を割って話してみたら、結構いい奴ジャンという事なのかもしれません。「住みやすい理由」は「安心して仲良くなれる」というのもあるのだと思います。まぁ。福岡愛を押し付け気味の方には閉口する時もありますけど、これは「快楽至上主義」でいられる大事な底流だと思います。



⑤福岡・商売繁盛は「安い、美味い、愛情がある」

快楽至上主義の土壌として、「安くて・美味い」お店が多い事も外せません。福岡では、「カフェやアルコール含む飲食などの小規模・外食産業」「ヘアカット産業」「セレクトショップなどの小規模アパレル業」3つが代表的な少資本ビジネスです。やる気と才覚があれば挑戦できる「お仕事」だと言えるかもしれません。その他にも、ヨガスタジオ、マッサージ、歯科なども数が多く競争の激しい業態です。

その飲食などサービス産業の多くに求められる条件は、「安い、美味い(上手)」に加えて「愛情がある」かどうかが重要な判別事項だと思います。要するに、「優しさ」や「気軽さ」など「行きやすさ」が大事なのです。それは、シャイから来るのか、それとも「人見知り」から来るのか、両方から来るのか、いずれにしても「顔見知り」かどうかは大きな分岐点になっています。

代わりに、一回仲良くなってしまえば(飽きる事が無ければ)何度も足を運んでくれます。ですから「あの値段の割に美味しい」とか「あの値段の割に●●」は入口戦略で大事ですが、それだけではダメなのです。5年間は正直言うと「こんなに商売やりいにくい場所は無いんじゃねーか?」と思ってました。今では「成功の法則」が解かってきました気がします。そのうちnote有料課金を使って、追記しようかとも思わずにいられません。

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⑥補足・東京と福岡の違いは「ハコよりヒト」にお客さんがつく。

前述の「福岡の外食サービス業」を東京のスタイルと比べると都会の人には分かりやすいのが「ハコ(店舗インテリアや眺望や空気感)」を評価して「また行こう」という事がありますが、福岡ではあまりその点の評価シェアは高くはありません。「あいつが居るから行こう」とか「あの店の●●ちゃんに会いに行こう」という判断基準の方が高いと思います。

ですから例えば「夜景の綺麗なバー」「珍しいピザ焼窯」「東京で流行の店」というだけではリピートしてくれないのです。最初の一回は「あたらしもの好き」で行列が出来ても半年後には閑古鳥です。そして「●●ちゃんが今度XXに店出したって」という情報は、確実に拡散して顔を出してくれます。カッコいい店なだけではダメなのです。

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※写真と文章は関係ありません



⑦飽きっぽいのはDNA

快楽主義は良い面ばかりではありません。飽きっぽいのが玉にキズです。まぁ浮気性とでも言いましょうか。常に脳に刺激が無いとダメなんだろうなと感じます。

A「スキな事を優先」
アルコール依存症や、ギャンブル依存症は聞いたことがあるでしょう。これはドーパミンが分泌する事で快楽に執着した状態のことです。ゲームをしている時や趣味などに没頭している時にもドーパミンは分泌されています。自分が好んで行う行為の最中に分泌されます。ドーパミン多いんだろうなと感じる時があります。

B「好奇心を満たしていたい」
新しいモノや、新しい店にすぐ行きたくなる。要するに、あたらしモノ好き。

C「流行に敏感」
「あそこ行ったんだ」とか「この前行った」が好物です。「え?まだ知らないの?」「まだ行ってないの?」と言われたくない。という事も影響していると思われます。

飽きっぽいのは、もうDNAだから許すしか無い。そういうダメな所を母性本能をくすぐるが如くです。あばたもエクボと申しますが「しかたねぇ」と思いつつ、そういう所もスキなのかもしれません。



⑧福岡の関係社会は「明るいナァナァ」で滑らかになっている。

いつの世も、「仕事」や「商売」の関係でスムーズさを保つためには適度な「ま。呑みましょう」も必要ですが、福岡でこの場合に「ミスを帳消しにしてね」が含まれるかどうかは、個人差が大きすぎて判断できません。しかし都会よりも許容度が大きい気がします。

都会はドライでクールです。いい意味で個人主義を臆することなく出しても問題が発生する事はありません。しかし、福岡に「私はわたしですから!我が道を行きます」はあまり馴染まない気がします。関係を維持して生きて行く事が大事なので、個人主義は根差しているようには見えません。これはオトナになりきれないコドモという意味よりは、むしろ母性のユートピア的なる社会関係が成立しているからではないかと考えます。

「明るいナァナァ」で滑らかになっている福岡は、ある意味で人間らしい社会なのかもしれません。これは、好みが分かれる所でしょう。あ。コレはあくまでも都会と比較した、個人的な感想なので悪しからず。

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⑨ネアカは「時代の転換期」に強い

世界的に見て「緻密・繊細・丁寧・簡潔」が日本人の特徴と傾向ですが、勤勉・マジメな性格と評せます。これが大転換期には弱みになりがちではないかと思えてなりません。マジメね性格だから「挑戦しきれなかった」勤勉だから「チャンスを見逃してしまった」という事例は、ソニーが何故作れなかったのか?と言われるiphoneや、初期の著作権問題をクリアして世界最大の動画サイトになったyoutubeを見ても明らかではないですか。

これを強みに転換するには、「ネアカ」が大事になって来るのではないかと考えます。敢えて言いますが「ネアカ」とは準備を怠ったり、判断に蛮勇さ礼賛しているわけではありません。つまり「ネアカ」は楽天的であり、楽観視をして事を進める事が出来るという事だと思ってください。

「悲観」とは感情の赴くままの表れと言います。かわって「楽観」とは意志の表れと言うではないですか。現代は、「映像の世紀」から「ネットの世紀」へ大転換している最中です。このパラダイムシフトに「ネアカ」は挑戦や決断に好影響を与えていると思います。福岡市が過去に辿った歴史を読んでも、その足跡は見えます。それは書籍を読んでもわかる部分ではないでしょうか。

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この「根本的な転換」に福岡の「ネアカ」は何を残すのだろうかと期待してやみません。決してお手並み拝見では無く、アウトサイダーなりに役に立っていきたいと思っています。



■おまけ「上手な移住ライフの秘訣」

移住は新しい環境への適合でもありますが、楽しんで人生をより豊かなものに出来るチャンスでもあります。その時に大事なのは「仕事仲間」「呑み仲間」「共通の趣味仲間」の3つのバランスが取れている事ではないかと思うのです。

寂しさから、ココロの隙間を埋めるために「呑み仲間」の割合が大きくなる時は危ない時期です。仕事仲間との時間を減らしたり、気分転換をしやすい「趣味仲間」との時間を設けてバランスを取って、快適時間のポートフォリオ配分を心がけましょう。よりよい移住生活や、精神状態が保てるのでは無いでしょうか。

キーワードは「明るく・楽しく・能天気に」この街を楽しむ事かと思います。色々あっても「ま。ええやないか」の精神で。

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