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ウユニってマジキツい①旅程編

個人的に、一番キツかった海外旅行はボリビアのウユニ塩湖に行った時のことだった。
日本からマイアミまでデルタ航空で十五時間。
トランジットで二、三時間空港でウロウロした後、ボリビアのラパスまで七時間。
これだけでも、正気か? ってなる。
何回、機内食食べるんだろうってなるし、エコノミーで足がキュッとする。
しかも、ラパスに着いたらすぐに見れるわけじゃない。
ラパスは標高が高いから、着いても体を慣らすために一日ロッジに泊まるのだ。
団体で行ったのだけれど、高山病で気持ち悪くなる仲間も出てくる。
そして翌日、朝四時くらいから車で移動。
ラパスからぬかるんだ凸凹道を4WDで走って十二時間以上かかって到着するのが普通。
移動でだいたい、二日はかかるというのは嘘ではない。
はははって思うでしょ。
あー、ウユニじゃなくて、これが伊豆だったら、三時間で楽しめたのになあ、って何度思ったことか。
伊豆ってすごいよな。三時間であんだけ魚介とか充実してるし、安いし。
ウユニの旅行費と、時間で伊豆多分数十回いけるぞ、マジで。
ただ、こんなの経験したら時間がかかる大抵のことを我慢できるようになった。

鳥貴族で「あのぅ、釜めし出来るまでお時間かかっちゃいますけど」
かまへんかまへん、一日以内にはできるんだろ?ってなるし
「ごめん、あなたのことが好きかわからないの。もう少しだけ考えてもいい?」って言われても
かまへんかまへん、百年以内に決めてや、ってなる。

嘘ついた。
そんな風には旅で人間は変わらないけどね。
とにかく。
ラパスからの陸路十二時間もすごいのよ。
景色が変わらなすぎるんだよね。リャマと、草。草、草、たまにリャマ。
建物も何もない。
同じ景色続くと、脳内がバグってんじゃないかと思うよね。
車の中で乗り合わせたメンバーとお喋りしか楽しみがないんだよな。
車の中ではワイワイ楽しく過ごしたんだけど、途中がやばかった。
シーズンが雨季だったせいか、湖が氾濫しているわけ。
団体旅行だったから、車五台で行ったののだ、

泊まるホテルは湖の反対にあって、湖を車で突っ切れば十二時間でいけるんだけど、大きなタイヤの上の方まで水がきてて、まるで川だ。
川の中を車が渡るような状態になってると思ってくれ。
氾濫しそうな湖の中を行くより、湖周辺を迂回しながら行くしかない。
なんとか方向を変えて走り出すが、ぬかるんだ道で車が途中でスタックする。
仕方なく一台湖に置いていって、降りた人を四台の車が拾って向かう。
こんなGPSもない、同じ景色の場所に車を置いていって、回収できるのかって不安になるけど、現地の人ってできるらしいんだよね。
こういう地で生きていると身につく、超能力みたいなやつ。

降りしきる雨で車の窓から見ても、周囲はよく見えない。
今はどのあたりをいるんだろう。
朝五時出発で、既に十二時間は乗っていて、本来なら到着は夕方にはついているはずなんだけど、深夜回っても着く気配がない、
もう、十七時間は乗っていた。
しかも、ドライバーが他の車のドライバーと、トランシーバーで何かを話しているんだよね。深刻そうな顔でゴニョゴニョと。

何喋っているのかわからない。だから不安になる。
もしかして、迷った、とか?
やばいなー。 
だけど、もう、そういう恐怖も限界までいくと、面白くてしょうがなくなって、車内でゲラゲラみんなで笑っていた。
笑うしかないから。こういう時。

結局、着いたのは深夜の二時とかだったかなあ。
ウユニ名物の塩のホテルだったんだけど、いやー、塩を楽しむ余裕ないよね。疲労と不安で。
壁を指で撫でて、あー、塩だ、とか確認して寝るだけ。
これは人生で苦しくも面白かった旅の一つだったなあ。
もう、腰もあれだから二度とは行きたくはないけど笑
でも、ウユニ行くなら乾季をお勧めしたい。



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