死にたくて、海で朝日を見ることにした。
死にたくて、海で朝日をみることにした。車に乗って、風を受けて、誰にも邪魔されずに。
弥生を過ぎた日本の明け頃、私を覆っていたつきものがすべて消えた。それは、人はどういうふうに死にゆくのかとそんなことばかりに想いを馳せた半月前とは明らかに違っていた。そんなところに真実はなかったのだ。固執していたあらゆる執着はまったく息をひそめて、気がつくと悠然と真実を語る大地に、私は立っていた。とてつもないものを見つめる予感がして、背筋がピンと張った。そして、迷うことなく、誰にも気づかれ