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結婚→離婚→再婚した私が思うパートナーの選び方

小さいころからかなり個性的で、人間関係がうまくいかなかった私が、保育士から編集者に転身。右も左もわからないところからスタートした就職情報誌の編集者。慣れてくるにつれ「視点が独特で面白い!」と認められ、企画がよく通るようになり、読者支持率も好評。評価され始めた私は浮かれていた。

ちょうど編集者の仕事が楽しくなってきていた22歳のときだった。

19歳から4年つきあった遠距離恋愛中の彼氏が留学先のアメリカで浮気。その浮気相手から国際電話がかかってきて浮気が発覚した。LINEどころかメールも携帯電話もない時代。早朝3時、家の電話が鳴り響いた。知らない女の声だ。「私、ナカノと申しますが、ハセガワさんとおつきあいさせていただいています」。そして、いきなりいろいろと尋ねられる。完全に彼を信頼していた私はすべての話が「?」で「よくわからないんですが……」とモゴモゴしていると、彼女は「あなたも大した玉ね!」と怒鳴って電話を切った。目が覚めた。2時間ぐらい部屋の掃除をした。いつもはしない引き出しの整理をしてから出勤した。大阪府第一学区のトップK高校を出て駿台予備校に通い、模試ではA判定なのになぜか京大に受からず4浪して逃げるようにアメリカの大学に進学した彼氏。どこか自分に甘い人だとは思っていたけれど、やっぱり激甘の腑抜け君だった。

一度は浮気を許したものの、その後、再発覚。またナカノさんから電話がかかってきた。また早朝である。その日は月曜日。朝から2つの会議がある日だった。「あなたの方が本命だったのね!」(知らんがな)、「私の青春を返して」(それは彼に言ってくれよ)。(  )内は私の想いなので、一切、ナカノさんには言ってません。一通り彼女の文句を聴きながら、それらを録音。「こちらのことはこちらでカタをつけますので、あなたもそちらで話をつけてください」と伝え、彼にすぐに折り返した。そして、録音を全部聞かせた。「じゃ、そういうことで。私は会議がありますので切ります」と冷静に伝えた。内心「いつまでも学生気分で迷惑をかけないでくれ」と思っていた。

その彼は、後に、その浮気相手には愛想を尽かしたので、さらに若い10代の彼女とつきあうことになったと言いだす。しかも、「その子な、10代のころのfukkoと似てるねん♡」とヌケヌケと惚気る。呆れた。そして、プライドが傷ついた。モテモテだった私のプライドが傷ついた。小さくて頼りないプライドだ。彼の心変わりが悲しいなんていうかわいらしい気持ちはそこにない。ただようやく自分を律していたはずの小さなプライドの一つが深く傷ついた。軽く扱われた。そんなやつと家族ぐるみで仲よくしていたことに自己嫌悪した。

私は本当はそこで懲りなければならなかった。反省すべきだったのだ。しかし、ずっとがんばって「よい子」をやってきた私は、我慢の限界でおかしな方向へ思考がシフトした。「みんな平気でズルをする。わがまま過ぎる。だったら私もダークサイドに落ちてやる」と思った。

当時、会社の先輩だった前夫に私は「彼に浮気された」「別れた」と伝えた。前夫が私に気があることを知っていながら。すると、前夫は「今の彼女と別れる」「今度は俺が守ってやる」と言った。その言葉を聴きながら「この人は、きっと、私を守れない」と思った。ただ、当時はその言葉に縋りたかった。毎月の残業が130時間を超える仕事にも疲れてきていた。

前夫とはその一年後にスピード結婚。3人を授かった。しかし、彼は狼少年で、妻のお金を数百万円黙って使ったり借金を作ってきたり、9年間で8回転職。あまりの経済の不安定さと虚言癖に翻弄されて、私はパニック障害を発症した。最終的には前夫がかわいい実の娘に、しつけと称して暴力を振るっていることが明確になり離婚。

なにも知らない周囲には「我慢が足りない」「わがまま」「最近の若い人は仕事があるからすぐ別れる」と言われた。安直に相手の惚れっぷりに漬け込んで結婚したのは間違いだったのはわかっている。それにしては大きな代償だった。しかし、確実に言えるのはこの苦しみは「ダークな選択」への天罰であろうということだった。

この結婚で私が得た教訓は大きく3つ。

①人生のパートナーは「逃げ」で選んではいけない
私の最初の結婚の目的は「家」という息苦しい箱から逃げたかったこと。その前につきあっていた元彼に「浮気された」という現実から逃げたかったこと。現実から逃げようとせずに、まずは「アメリカで浮気した彼」とのことを反省すべきだった。そこから目を背けてただ逃げるために前夫を選んだので、前夫のモラハラや虚言癖の前兆を見抜けなかった。いや、見ようとしなかった……というのが正しい。

②人生のパートナーは「意気消沈した状態」で選んではいけない
前夫は、彼と別れて意気消沈する私を強引に口説いてきてプロポーズしてくれた。そういう恋愛はおそらく長続きはしない。見る目が甘くなってしまっている。

③人生のパートナーは「ノリ」で選んではいけない
強引なプロポーズに乗っかった……というノリ。波乗りするように「結婚」という大きな大きなライフイベントに乗っかる、私の大胆さと楽観主義が裏目に出た。楽観主義は大切だが、パートナーを選ぶときには「ノリ」ではダメだ。結婚のタイミングという意味では「ノリ」が必要な場合もあるが、「選択」はノリでしてはいけない。

さて、離婚という荒波を乗り越えたあとの私は、実はもう二度と結婚したくないぐらいに懲りていた。ゆえに彼氏はいたが結婚は二度とするまいと思っていた。今の夫は、離婚後3人目の恋人である(画像参照)。

アメリカで浮気した彼、借金モラハラ前夫……と二人の失敗をしっかり反省して選んだ離婚後の恋人たちはみな、素晴らしい男性だ。最初の二人とは理由があって別れたけれど。反省を活かしてから、どんな基準でパートナーを選んできたのかを綴る。ここからのポイントもやはり3つ。

①なにを置いても……

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