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映画レビュー『ゴールデンカムイ』(2024)生い立ちも目的も異なる二人が力を合わせる


原作もアニメも知らない私が
本作を観た理由

『ゴールデンカムイ』観てきました。

原作は読んだことがないですし、
アニメも観たことがありません。

そんな私がなぜ、
劇場に足を運んでまで
本作を観たのかというと、

大好きな女優・高畑充希が
出演しているからです。

観る前から
わかっていたことでは
あるんですが、

彼女の出演シーンは
少ないです。
(でも、重要な役どころ)

でも、これは本当に、
劇場で観て良かった
と思いました。

『ゴールデンカムイ』といえば、
大ヒット作なので、
原作やアニメ版を通らずに、
劇場に行く人は稀かもしれません。

そういう意味では、
私の感想は貴重なもの
と言ってもいいでしょうね。

原作もアニメも知らない
私から見た実写版
『ゴールデンカムイ』は
どうだったのかを
書いていきます。

昔の北海道って、
こんなだったのね!

『ゴールデンカムイ』は
北海道が舞台の作品なので、
いずれ読みたい
と思っていた作品でした。

ですから、映画を観る前に
先にマンガで読むべきか
迷ったのですが、

敢えて読まずに
まっさらな気持ちで本作に
のぞむことにしました。

とにかく、北海道の大自然の
描かれ方が抜群に良かったです。

本作は明治期の北海道が
舞台になっており、
北海道民にはなじみ深い土地が
いくつか出てきます。

しかし、北海道に住む
私にとっても、

明治期の頃のこの土地が
どんな感じだったのか
知る由もありません。

明治政府が北海道に
開拓使を設置したのは、
1869(明治2)年のことです。

本作の舞台は、
1907(明治40)年ですから、
そこから38年しか
経っていません。

私も本作を観て
はじめて知ったのですが、

当時の小樽(札幌のお隣)は
「北のウォール街」
と呼ばれるほどの
金融街だったそうなんですね。

そんな都会的な響きとは
裏腹に木造家屋が立ち並ぶ、
昔ながらの日本の風景が
見られます。

そんな風景を観て、
「こんな感じだったのか」
と思いをはせました。

自分が生まれ育った土地に
近い場所が描かれているので、
感慨もひとしおです。

そして、今に比べると、
自然が圧倒的に多いのも
特徴的でした。

よくこんな雪の山の中を
今のような都市に
開拓したものですよね。

生い立ちも目的も異なる
二人が力を合わせる

ここまでストーリーに
触れることができていませんが、

やはりヒットした作品なだけに、
ストーリーも素晴らしかったです。

「え? それで?
 どうなるの?」
という惹きこみ方が
よくできています。

割と簡潔なストーリーで
説明もしやすいのが、
本作の特徴の一つです。

主人公は日露戦争の
帰還兵で「不死身の杉元」
と呼ばれていた
杉元佐一(山崎賢人)です。

彼はとある理由で、
お金がいるため、
砂金を採る目的で
北海道に来ました。

どうやら本州で、
「北海道で砂金が採れる」
という噂を聞きつけて、
やってきたようなんです。

ところが、いくら川の水を
さらってみても、
一向に砂金が出てくる
気配はありません。

その近くにたまたまいた
酔っぱらいの男に
声をかけられ、

杉元はアイヌが秘蔵していた
金塊の話を聴かされます。

その男の話によると、

アイヌが秘蔵していた
20貫の金塊を強奪した
凶悪犯が網走刑務所に
収監されており、

足の腱を切られ、
脱獄できないように
なっているそうです。

金塊の隠し場所は、
どれだけ拷問されても吐きません。

この男は捕まっていない仲間に
金塊のありかを知らせるための
暗号を24人の囚人の身体に
刺青を掘りました。

つまり、その24人の囚人の
身体に描かれた刺青を
合わせると金塊のありかが
わかるんですね。

この24人の囚人は
すでに脱獄しており、

杉元はこの金塊のありかを
見つけるべく、
この囚人たちの行方を
追うことになります。

これが本作の物語の
大筋です。

杉元がその道中で出会うのが、
アイヌの少女・アシㇼパで、
(山田杏奈)

杉元は山中でヒグマに
襲われているところを
アシㇼパに救われます。

彼女がアイヌとして、
大自然を生き抜く知恵に
重要性を感じた杉元は、

囚人たちの捕獲に
協力してほしいと
彼女に頼むことになるんですね。

アシㇼパはアシㇼパで、
同胞のアイヌが殺害され、
金塊が盗まれたのですから、
これに協力しない手はありません。

こうして生い立ちも
目的も異なる二人が手を組んで、
物語は進んでいきます。

最近はマンガの映像化作品で、
トラブルがあって、
ニュースにもなっていましたが、

本作はネット上にあった
原作を読んだ方の感想を見ると、

「原作に忠実」
「原作への愛が感じられる」
といった感想が散見されます。

マンガの原作と言うと、
何十冊もある長大なものが
多いので、

私自身は2時間くらいの
映画作品にそれをすべて
落とし込むのは不可能だと
思っています。

しかし、本作を観ると、
随分と濃厚な作品に
仕上がっている
印象を受けました。

観終わったあとに
「原作に忠実」
という感想を見て、
なるほどと感じた次第です。

ちなみに、原作に
忠実であるからこそですが、
本作は一本では完結しません。

終盤では本編に
出演していなかったキャストの
映像もあったので、

すでに続編の撮影も
終了しているのかもしれません。

とにかく、
続編の方にも期待しています。


【作品情報】
2024年1月19日公開
監督:久保茂昭
脚本:黒岩勉
原作:野田サトル
出演:山崎賢人
   山田杏奈
   眞栄田郷敦
配給:東宝
上映時間:128分

【原作】

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