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坂本龍一さん、たくさんの贈り物をありがとうございます。

いつも読んで
いただいている方には、
ご心配を
おかけしたかもしれません。

すみませんでした。

今日から通常の
投稿をしていきます。

坂本龍一さんが亡くなったのは、
非常にショックで、
今も悲しみが
なくなったわけではないです。

でも、この数日も
ずっと落ち込んで
いたわけではありません。

正直なところをいえば、
もっと感傷に浸っていたいですが、
仕事を中心とする
日常は待ってくれませんし。

許されるなら、
休みをとってでも、
坂本さんの残してくれた
作品と向き合う時間が
欲しいくらいですが、

現実的には、
早朝、通勤途中、
仕事が終わってからの
わずかな時間にそれらと
向き合うのが精一杯です。

そんなこともあって、
note への投稿を
控えておりました。

いつまでも、
くよくよしていても、
亡くなった方も
浮かばれないと思うので、

今日からいつも通り、
記事を投稿します。

私と同じように、
悲しみに打ちひしがれている
方のために、

一冊の本を紹介します。

坂口幸弘氏の
『喪失学』
という本です。

この本は、数年前に
坂本龍一さんと同様、
私が大ファンだった

俳優の三浦春馬さんが
亡くなった時に
読んだ本です。

あの時も記事が
書けないくらい辛くて、

何かいい本はないだろうか、
と探していた時に
見つけた本でした。

この本には、
直接的な遺族に限らず、
何かを喪失した時に、
どのようにその体験を
乗り越えるかが書かれています。

端的に言うと、
「喪失」とは決して、
不幸なことだけではない
ということです。

「喪失」を感じるというのは、
故人との間に

「喪失」が感じられるくらい
自分にとって得るものが
あったということなんです。

そのことへの
「感謝」の気持ちを
忘れずに生きることが
残された者ができる

唯一のことではないか、
と私は思っています。

最後にこの本を読み直していて、
今の気持ちにピッタリな
話が書かれていたので、
引用させてもらいます。

この本のオリジナルの話ではなく、
著者が絵本から引用したもので、
私はその絵本を読んだことがないので、
「孫引き」になってしまいますが、

どうしても、
落ち込んでいる方に
知ってほしいので、
引用させてください。

もの知りで、まわりの誰からも
慕われていたアナグマが、
年をとって死んでしまいました。
アナグマは自分の年だと、
死ぬのが、そう遠くはないことも、
知っていました。
アナグマは死ぬことを
おそれてはいません。
死んで、からだがうごかなくなっても、
心は残ることを、知っていたからです。
だから、前のように、
からだがいうことをきかなくなっても、
くよくよしたりしませんでした。
モグラははさみの使い方を
アナグマに教わりました。
カエルはスケートを、
キツネはネクタイの結び方を、
ウサギはりょうりを教えてもらいました。
みんなだれにも、なにかしら、
アナグマの思い出がありました。
アナグマは、ひとりひとりに、
別れたあとでも、
たからものとなるような、
ちえやくふうを残してくれたのです。
アナグマが死んで、冬が始まり、
やがて春を迎えます。
アナグマが残してくれた
もののゆたかさで、
みんなの悲しみも、
消えていきました。

『わすれられないおくりもの』スーザン・バーレイ(1986)評論社

このアナグマ、
高橋幸宏さんや
坂本龍一さん
みたいじゃないですか。

私はそのように感じました。

あなたは、
幸宏さんや坂本さんから
何をもらいましたか。

今はまだ、
悲しみから立ち上がれない人も
いるかもしれません。

ゆっくりでいいです。

無理はしないでください。

でも、時間が経って、
少し落ち着いてきたら、
そのことについて
考えてみてください。

幸宏さんや坂本さんが
残したものは
とても大きくて、
たくさんあるので、

たぶん、人によって、
得たものが違うはずです。

それをぜひ、私たちに
教えてください。

今後、私も
それを伝えるつもりで、
ここに記事を書いていきます。

それが残された者にできる
唯一のことだと思うからです。

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