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映画レビュー『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994)彼はどうしてヴァンパイアになったのか?


ヴァンパイアに聴いてみた

舞台はカルフォルニア州、
サンフランシスコ、

一人の青年がある男に
(ブラッド・ピット)
インタビューをしています。

その話は、18世紀末から
はじまりました。

そう、彼は、
200年も生きてきた
ヴァンパイアだったのです。

彼はどうして
ヴァンパイアになったのか?

本作が秀逸なのは、
インタビューによる語りから
はじまるところです。

彼がどうして
ヴァンパイアになったのか、

誰と出会い、
どうやって生きてきたのかが
淡々と語られていきます。

その話はインタビュアーの
青年を惹きつけました。

とある男の名前はルイ、

もとはフランスから
アメリカにわたってきた
移民でした。

彼は農場主で
大変裕福でしたが、
妻と娘を同時に亡くし、
自暴自棄に陥っていました。

そこへ現れたのが、
レスタトです。
(トム・クルーズ)

レスタトはヴァンパイアでした。

ルイに魅力を感じたレスタトは、
その牙を彼の首筋に突き刺し、
ルイに選択を迫ります。

「このまま死ぬか」
「私とともに生きるか」

ルイは後者を選択し、
ヴァンパイアになるのでした。

大人になれない苦悩は、
やがて憎しみに

ヴァンパイアになった
ルイでしたが、

彼はレスタトとは違い、
人間としての
情を捨てられません。

人間の血を欲してはいても、
どうしても相手を殺すことを
ためらってしまいます。

そんなルイを見て、
レスタトは「情を捨てろ」
と、彼に血を呑ませるように
仕向けますが、

それでもルイは変わりません。

彼には人間の心が残っているのです。

ある時、ルイはクローディア
(キルスティン・ダンスト)
という少女と出会います。

ルイが出会った時、
彼女はペストで両親を亡くし、
悲しんでいました。

ルイは悲しみに暮れる
クローディアを抱きしめると、
思わず彼女の首に
噛み付いてしまいました。

そこへやってきた
レスタトは彼女を
ヴァンパイアにしてしまいます。

(ヴァンパイアの血を飲んだ者も
 ヴァンパイアになる)

レスタトはルイを
自分から離れさせないため、
クローディアを仲間にしたのです。

クローディアは、
ルイとは違って、
すぐにヴァンパイアの生き方に
順応していきます。

クローディアの変化は
あまりにも激しく、
人間社会に適応できないため、
レスタトが諫めるほどでした。

しかし、やがて
20年ほどの時が経つと、
クローディアの心に変化が起きます。

街で見かけた美しい女性を見て、
クローディアは
「なぜ、自分は小さいままなのか」
という疑問を持つのです。

ヴァンパイアはいつまでも
若いままなのです。

子どものうちに
ヴァンパイアになった
クローディアは、
いつまでも子どものままでした。

クローディアが抱いた疑問は、
やがて、苦悩へと変わり、

遂には自分をヴァンパイアにした
レスタトへの憎しみへと
変化していきます。

果たして、三人は、
その後も一緒にいられるのでしょうか。

その答えの片鱗は、
ルイが一人でインタビューを
受けていることにあります。

本作はヴァンパイアの
ゴシックなイメージ、
その恐怖と孤独を描いた
傑作です。

舞台装飾や衣装にも
注目してみてください。

18世紀末から
はじまる物語なので、
音楽は全体的にクラシカルな曲が
使われています。

そんな中、ラストに流れるのは、
ガンズ・アンド・ローゼズ
『悪魔を憐れむ歌』です。
(ローリング・ストーンズのカバー)

最後にこんなロックが鳴ることを
不思議に思う方も
いるかもしれませんが、

物語の流れとも
ピッタリと合っており、
非常にいい感じでした。

ラストシーンもオススメです。

ラジオから流れる
ガンズ・アンド・ローゼズをバックに

車が疾走する
ゴールデン・ゲート・ブリッジを
空撮した風景がラストになっています。

ゴールデン・ゲート・ブリッジ
Wikipedia より引用)

このラストはオープニングとも
重なる構成なので、
はじめからよく観ていてください。


【作品情報】
1994年公開
監督:ニール・ジョーダン
脚本:アン・ライス   
原作:『夜明けのヴァンパイア』
   アン・ライス
出演:トム・クルーズ
   ブラッド・ピット
   キルスティン・ダンスト
配給:ワーナー・ブラザース
上映時間:123分

【原作】

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