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【子育て】うちの子は、「胡蝶蘭」で「白鳥」で「魔法のランプ」

脳がとっても個性的な息子の子育てに自信が持てなくなったとき、助けられたフレーズがあります。

1つめは
うちの子は胡蝶蘭かもしれない」

子どもがお腹の中にいるとき、実はわたしは、「野に咲くたんぽぽのように踏んづけられても生き延びるたくましい子に育って欲しい」と思っていたのでした。

「うちの子はたんぽぽではなくて胡蝶蘭かもしれない。踏んづけちゃいけない」と気づくのには少々時間がかかりました。

胡蝶蘭を育てるには手間がかかりますが、上手に育てれば立派な花を咲かせます。

私は「この子は胡蝶蘭かもしれない」と思って育てようと思いました。


2つめは、
「うちの子は白鳥かもしれない」

そうです。「みにくいアヒルの子」の白鳥です。

ディズニーの「みにくいアヒルの子」の絵本を読んでは泣けてきたことを思い出します。


3つめは
「うちの子は魔法のランプかもしれない」

なんのこっちゃ、ですよね。

支援学校勤務時代に、和歌山大学の米澤好史先生のお話をお聞きする機会が何度かありました。
米澤先生は、「愛情の器モデルに基づく愛着修復プログラム」の理論を軸に、多くの実践を重ねていらっしゃる先生です。


とにかく「人」を大切にされる方で、数度かかわりがあっただけの私にも、毎年バースデーメッセージをくださるんです。

「愛着障害」ということば、最近は耳にすることが多くなってきました。

発達障害についての臨床研究の第一人者である杉山登志郎先生が、「第四の発達障害」として紹介されたのは20年近く前です。

その頃は、児童虐待との関連で「愛着障害」が議論されていましたが、現在は、「愛着障害」は虐待によるものだけではない、という見方が主流です。

生まれつき愛着を形成しにくい個性を持った子どもたちがいる、というのが前提となっています。

米澤先生は、愛情を受け入れる「愛情の器」にも個性がある、というわかりやすいイメージで説明されています。

「愛情の器」の形を大きく4種類に分けて説明されます。


①「安定型愛着タイプ」

・器の存在と受け入れ口の特徴
愛着形成ができており、「愛情の器」の受け入れ口は広く、どんな関わりも愛情として受け止めることができる。

器の底の特徴
「愛情の器」がしっかりしているので、愛情を感じ取り、それをしっかりと貯めることが可能。

②「抑制タイプ」

器の存在と受け入れ口の特徴
「愛情の器」そのものができておらず、関わりの受け入れを拒否している。そのため、一から「愛情の器」を作らなければならず、愛着の修復・支援に時間がかかる。

器の底の特徴
「愛情の器」そのものがなく、受け止めを拒否しているので、愛情エネルギーを貯めることができない。

③「脱抑制タイプ」

器の存在と受け入れ口の特徴
器の受け入れ口が狭く、そこに入った関わりだけを愛情として受け止める。そのため、支援に苦労する。
本人も、この狭い受け入れ口に入るものだけを求めるが、それに応えることは、狭い受け入れ口を広げることにならないばかりか、さらに受け入れ口を狭くしてしまう。

器の底の特徴
器の底には穴があり、ポジティブな感情・愛情が入ってきても抜け落ちてしまう。

④「ASDと愛着障害併存タイプ」

器の存在と受け入れ口の特徴
狭い受け入れ口に蓋も付いていて、この蓋が閉まっているときには一切関わりは受け止められず、愛情として感じられない。つまり、受け入れ口の蓋が閉まっているときに行った関わりは、何をやってもうまくいかない。

このタイプと関わるときには、一度や二度失敗してもすぐに諦めず、蓋が開いているタイミングを見計らって、再度試してみることが重要。

器の底の特徴
底に穴があるため、「蓋を開けてもいいんだ」「この感じた感情・愛情を貯めておいてもいいんだ」という感覚を身に付けることが支援として必要になる。


④のタイプの子育ては本当に難しいですよね。
蓋が閉まったままの「アラジンの魔法のランプ」の、あの細ーい口の部分に、さらに開いたり閉まったりする蓋がついているイメージかな、と私は勝手に想像しました。

この魔法のランプを大事にさすっていたら、ジーニーは現れなくても閉じている蓋は開くかも。

もしかしたらジーニーも現れるかも?



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