見出し画像

遺書。(第5章〜協奏曲〜)

親愛なる君たちへ。
君たちがこの記事を読んで理解できているとしたら、おそらく早くても今から10年後くらいだろうか?

この記事を書いている今、2024年。
世の中は日々進化・変化し、特に社会のあり方や働き方が大きく変化しつつある時代の過渡期に差し掛かっている。

君たちが成人する頃にはそれはさらに加速し、今現在では考えられない混沌とした社会の中で、さぞ生きづらさを感じながら生きていることだろう。

しかし時代が変わっても普遍的なマインド・行動原則があり、私はそれを指針に今を生きている。
10年後生きていたとしても、おそらくそれは変わらないだろう。
そんなエッセンスを、何章かに分けて書き、伝えていきたいと思う。

さて、今日のテーマにいこう。

「人は誰もがアーティスト。仕事は協奏曲」

仕事/組織は"人"というアーティストの集団で成り立ち、顧客や社会を含めた人々による協奏曲が作り出されている。
これを資本主義社会では”経済”と呼ぶ。

人は皆アーティストだ。
企業という交響楽団で、あるパートを担うアーティストもいれば、個人事業主として活動をするソロシンガーもいる。
経営を担い、協奏曲をリードする指揮者もいる。

それぞれ強みがあり、個人であったり組織であったりでその強み/能力をいかして曲を奏で、その結果として労働報酬/成果報酬という賞賛を受け取る仕組みになっている。

ただし、世の中には良い曲と悪い曲があり、その濃淡も様々ある。
少しだけビジネス寄りの話をさせてほしい。
「近江商人の三方よし」を知っているだろうか?
商売において、以下の3つが満たされて初めて成り立つという原則だ。
・売り手よし
・買い手よし
・世間よし
の3つだ。

商売は、これらの3つが成り立って成功する。
一見当たり前のことと思うだろうが、どれかが、または複数が欠けている事業体が少なからず世間には蔓延っている。

顧客の思考を錯乱させ、顧客が本来意図しないサービスを無意識に買わせるような商売をやっている悪徳企業もある。
残念な曲を提供して意図しない時間や出費を聴き手に消費させる楽団だ。

低賃金で労働力を搾取して、従業員が疲弊しているような会社もある。
それなりの楽曲を奏ではするが、団員が疲弊して組織そのものが廃れていくような楽団だ。

詐欺グループのような組織体など論外だ。

君たちが、交響楽団の団員になったとしても、ソロシンガーになったとしても、この「三方よし」の原則を絶対に忘れないでほしい。
逆に、これさえ意識していれば、大失敗することはまずない。

これさえ意識していれば、楽団員であれソロであれ、観客(顧客や社会)を魅了する素晴らしい曲を作り出し、提供して賞賛を得ることができるだろう。

自分のArtistry(芸術性)を意識し、向上に努めよ。

君たちは私の誇りだ。
自分の命よりも大切な、尊い存在だ。
君たちには素晴らしい人生を生きてほしい。

しかし、将来君たちが何になろうと、私は干渉するつもりもなければ、さして何かになってほしいというこだわりもない。
好きにやればいい。

ただし、ひとつだけ言っておきたいことがある。
それがこの章のタイトル、「自分のArtistry(芸術性)を意識し、向上に努めよ。」だ。

人は皆アーティストだ。
誰しも、必ず何か得意なこと、長けたものがある。
私は魚釣り、人付き合い、物書きといったところだろうか。

凱、君は手作りの漫画本を作ったり、絵がとても上手かったり、小3にして対象年齢15歳以上のプラモを取説見ずに作れたり、2桁の掛け算の暗算ができたり、非常に頭がいい。
そして明るく元気で、人から好かれる気質がある。

慧、君は小さい頃から慎重派で、物事をとても丁寧にこなす。
余計なことをして親にしょっちゅう叱られている君の兄を見て学習する能力もすごい。
それでいて、常に雰囲気を察知して振る舞える賢さがある。
優しい人間だ。きっと将来は女の子にモテるようになるだろう。

これから学習していくことや、育っていく環境で、様々な影響を受けて成長していく君たちの前途が私はとても楽しみだ。

時に間違いを起こすこともあると思う。それは別に構わない。
しかし、自分なりのArtistry(芸術性)に意識と信念を持ち、それを高めていくような生き方をしてほしい。

そして、楽団員であれソロであれ、人々を魅了する協奏曲を奏で続けていってほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?