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映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」を観た感想

※この記事は若干のネタバレを含むので、その点ご了承の上読んでいただけると幸いです。

個人的には、子供の教育と地域社会・民間全体で支援する必要性を、そして子供の才能を適切な形で発揮できるような支援をする必要性を感じた作品であった。

2003年に上映された、レオナルド・ディカプリオとトム・ハンクス主演の映画。フランク・アバグネイルという方の自伝小説が原作で、ディカプリオ演じる天才詐欺師「フランク・アバグネイルjr」と、トム・ハンクス演じるそれを追うFBI捜査官「カール」の姿を描く、コメディ。

主人公フランク・アバグネイルjrは、父と母の離婚により、どちらの元に寄るか迫られ家出をしてしまう。お金があれば幸せに暮らせたはずだと思い、お金を手に入れるため小切手詐欺を行うとする。そのための社会的ステータスを手に入れるため、最初はパイロット、次に医者、弁護士とFBIに居場所を特定されては状況に合わせ成り切り、大金を偽造小切手で稼いでいた。何度もFBI捜査からすり抜けるも、最終的には偽造小切手を製造していた場所を捜査官カールに特定され、逮捕される。4年後にアメリカに戻る際、父親の死を聞かされ、取り乱し飛行機のトイレから脱走。母親の住む場所へと向かうが、その場で再度逮捕されてしまう。その後、小切手偽造の技術やそれを特定する能力を見込まれ、FBIで働くことになる。月日を重ね、フランクは結婚して3人の息子を授かり、「偽造できない小切手」を考案してその対価として報酬を受け取り、その他にも悪質な偽造犯の逮捕にも貢献することになった。

まずそもそも、フランクが家出をした理由は、両親の離婚にあった。フランク自身は父親も母親もとても大事にしており、敬愛していた。そんな両親が離婚するにあたって、どちらと共に住むかを、突然決めることなんてできるはずがない。離婚による子供の精神的ダメージと、離婚に伴う子供との接し方について、まず両親が適切な理解をするべきだと思うし、両親が理解できるような支援をすべきだと思った。

また、フランクは大変多才な少年であった。最初に成り切ったパイロットは、パイロットという職業について知るため、自ら高校生インタビュアーを装って職場に潜り込み職業についてのヒアリングを行う。弁護士に関しては、2週間勉強して本当に弁護士資格を取ってしまう。などなど。まさに「天才」と呼べる少年だった。その有り余った才能を犯罪に使うのではなく、両親や学校、そのほか周りの大人がきちんと彼の才能を見抜き、適切に発揮させられる支援を行えると良いのだろう。

最終的にはフランクは、FBIで勤めその才能を活かすことになるし、結婚して子供を授かり社会にも貢献し幸せな人生を歩むことにはなるが、その過程で犯した犯罪や、犠牲になった人々(特に、婚約していたブレンダという女性は本当にかわいそう)を生まない方が良かったことは言うまでも無い。

まあ、この映画でポジティブな側面を語るとすると、FBI捜査官のカールの、彼を更生させようとする温かい人柄だろう。どんな犯罪者でも、このように彼がこうなってしまった背景に目をむけ、思いやれる人が一人でもいたら、更生できる可能性は高まるのだと思った。

映画は1960年代の話だし、今はもっとそういった支援も進んでいるのだろうが、子供の教育に関する問題はまだまだ積み重なっているのだろうな。

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