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常に一歩先を行く彼ら

高校時代の友人は常に僕の一歩先の世界にいる。


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友人Yは、昔から努力を結実させる愚直な人。

受験期に近づくにつれて彼の成績は伸びていった。

特に数学の鬼だった。
塾には一切行かず、全て自力で勉強していた。

彼は圧倒的な記述力でセンター試験のハンデを覆し、第一志望に合格した。

僕は見事なまでの不合格で浪人コースへ。

取り敢えず一浪で済ませたが、Yが一発合格したところよりもレベルは低い。

そういえば当時Yは遠方に住んでおり、電車と自転車と徒歩を駆使して時間をかけて登下校していた。

それなのに学業はもとより全ての側面において僕を上回っていた。

部活では中心的役割に立っていたし、体育大会でも幹部をしていた。

なんなら高1の頃から今の今までずっと付き合っている彼女もいる。

一体、彼の時間軸はどうなっていたのか。

努力する才能を持った典型的な人間なのだろう。
やはり大学でも部活のキャプテンを務めた。

未来は常に不確定だが、彼は恐らく関西都市圏に就職して家庭を持つだろう。

レベルの高い環境で研鑽を積み、指導的立場となる。

僕にはそれができない。

過去、現在、未来の全てにおいて僕はYの背中を追いかけている。


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友人Kは、昔から感覚派の天才気質だった。

Kは日本人離れした性格の持ち主で、若干周りとズレていた。

幼少期にアメリカに住んでいたことも影響しているのだろう。

本当に自分のやりたいことに熱中していた。

とにかく体を動かすことが好きな人で、陸上やらロードバイクやらにのめり込んでいた。

今でもそこは変わっていない。

確固たる自分のやりたいこと、自分の世界を持っている。

受験に関しても直前期の伸びが凄まじかった。

元々得意だった英語に理系科目が強化されて、第一志望に現役合格した。

もちろん僕の成績なんて軽々と超えていたはずだ。

生まれ持った理系肌というか、論理より先に感覚で数学を解いてしまう彼にはとてもじゃないが敵わなかった。

Kは現在、社会人1年目。

大学院に進学せずに就職を選んだ同期は彼を含めて2人だけだという。

やはり周りとは一味違う。

僕は高校時代から感じていたのだが、高校の同級生の中で一番成功するのはKだと思う。

彼はこれからも自分色に染め上げた人生を思いっきり楽しむのだろう。

人間としての密度という点において、Kは常に僕を先行している。


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一歩先をゆく友人Yと友人K。

彼らの才能と可能性を感じて凹まされることも少々あるが、概して彼らの存在は僕の刺激になっている。

彼らとはいえば、僕の存在なんて微塵にも意識していないだろう。

そもそも友人としてカウントされているのだろうか。

もしこの記事を読んでいたら教えてね。

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