あなたが眠いのは免疫が機能している証拠?!睡眠と免疫システムの関係
「やらなきゃいけないことが沢山あるのに、調子悪いし、やけに眠いし…全然すすまないーー(泣)」
そういう状況、よくありますよね? 実は、体調が悪いときに眠くなるのは、体の免疫機能が正常に働いているからなのです。
今日は、睡眠と免疫機能の関係についてお話します。実は、この二つは相互に影響を与え合い、私たちの元気を支えてくれているんですよ。
■ 免疫機能が睡眠をコントロールしている
風邪などの感染症に感染すると、私たちの免疫系がはたらき、眠気や疲労などのさまざまな防御反応を引き起こします。
私たちの体は、ウィルスに攻撃されると、免疫システムを発動します。具体的には、白血球が外部からの病原体を見つけると、サイトカインを放出し、感染や炎症に立ち向かうのです。
サイトカインは体内の細胞間コミュニケーションを担当するタンパク質です。全身に「異物が入ってきた」と警告を送り、免疫細胞を活性化させて体を守ります。
病原体に攻撃されたときの「免疫のはたらき」は、私たちの睡眠の質やパターンにも影響を与えることがわかっています。
- 免疫機能は体の「お休みスイッチ」を押す
感染症や炎症が発生した場合、普段より多くのサイトカインが産出されます。
研究によれば、特定のサイトカイン(IL-1やTNF)は、睡眠と覚醒を制御する脳の領域に働きかけます。そしてこの働きかけにより、ノンレム睡眠が促進される可能性があることがわかっています。
ノンレム睡眠は深い睡眠の段階です。このとき、わたしたちの身体は、機能修復やエネルギー回復が行われます。
風邪の原因となる病原体やウィルスの攻撃があると、感染に対抗するために、より多くの深い睡眠を促進するようなのです。睡眠を促して体を休めることで、エネルギーを体の回復へ集中させるというわけです。
簡単にまとめると、サイトカインは脳に「体を休ませて!」と連絡し、そのメッセージを受けた脳が体を「お休み」状態にするわけです。それが具合が悪いときの怠さや疲労感、眠気の一つの原因です。
体調不良で頭がぼんやりして眠いのは、決して心地よい状態ではありません。でも、自分の体の中で免疫細胞たちがチームワークを発揮して活躍する様子をイメージすると、勇気づけられませんか?
- しかし免疫が働きすぎると「眠れない😭」こともある
しかし、免疫が働きすぎてしまうと、逆に眠れなくなることがあります。
免疫応答が高まると、ノルアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質が活性化され、覚醒につながることがあるのです。
また、交感神経系の興奮や、コルチゾールなどのストレスホルモンの分泌によって、私たちのお目々がパッチリ👀してしまうこともあります。
■ 睡眠はわたしたちの免疫機能に影響する
ここまで、免疫機能が私たちに眠気を引き起こしたり、眠れなくしたりすることをお話しました。
では逆に、睡眠の質や長さは、免疫機能のはたらきに影響するのでしょうか?
すでに答えはおわかりでしょうね。答えは「イエス!」。
質の高い睡眠は免疫機能を強くしますが、睡眠不足は免疫の働きを弱め外部からの攻撃に脆弱になってしまいます。
睡眠不足は、以下のようなメカニズムを通じて、私たちの体を脆弱にします。
1 睡眠不足はサイトカイン産生を妨げる
睡眠中にはサイトカインの産生が増加するとされています。サイトカインは免疫応答を調節するために不可欠な分子です。睡眠不足によってサイトカインの産出が減少すると、感染症や炎症に対する体の防御力が低下する可能性が高くなります。
2 睡眠不足は免疫系の「記憶力」を下げる
免疫系は過去に出会った病原体を「記憶」して、再度出会った際に迅速に反応します。睡眠が不足すると、この免疫記憶が衰え、病原体に対する体の反応が鈍り、感染症に対する防御力が低下する可能性があります。
3 睡眠不足でエネルギーが分散し免疫力が下がる
睡眠中は体の活動が低下するため、免疫系が効率よく働くためのエネルギーが確保されます。十分に睡眠を取れないと、このエネルギーが分散され、免疫系の働きが低下する可能性があります。
4 睡眠不足によりストレスホルモンが増加する
睡眠不足が起こると、体はストレス状態と認識しストレスホルモンであるコルチゾールが分泌される可能性が高くなります。コルチゾールが長期的に高いレベルで存在すると、免疫機能が低下します。具体的には、白血球の数が減少したり、必要な炎症反応を抑えてしまう可能性があります。
5 睡眠不足によって概日リズムが乱れる
概日リズムは、体内時計が約24時間周期で調整する生理的なリズムです。このリズムが乱れると、免疫機能にも影響すると言われます。
■ 免疫力を維持するために必要な睡眠時間は?
必要な睡眠時間は、年齢や個人のニーズによって異なります。
ほとんどの成人は一晩に7〜8時間程度の睡眠が必要です。ティーンエイジャーは9〜10時間、学齢期の子どもは10時間以上の睡眠が必要だと言われます。
睡眠時間が足りていない場合、睡眠習慣を改善するために、ちょっとした工夫をしてみましょう。
規則正しい睡眠スケジュールを立てる。週末もできるだけ、睡眠スケジュールを守る。
リラックスできる就寝前の習慣を作り、寝る前に気持ちを落ち着かせる。
睡眠の妨げになる寝る前のカフェインやアルコールは避ける。
寝室は暗く、静かで、快適な温度設定にしましょう。
20分経っても眠れない場合は、「早く寝なければ!」などと自分にプレッシャーをかけないようにしましょう。「横になっているだけで十分疲れが取れている」と考えるようにすることです。
■ 睡眠と免疫力を味方につけて元気を維持しよう!
この記事では、睡眠と免疫の関係を解説しました。
免疫システムはとても複雑です。何がどのように機能しているという全体像にはまだ分かっていないところが多いです。しかし、研究によって、免疫機能が睡眠に影響を与えること、そして睡眠の質や量が免疫の働きに影響することが、どんどん明らかになってきています。
いつも元気で過ごしたい人も、美肌や美髪を維持したい人も、免疫の力を味方につけましょう!
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