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【パート3】ブロッコリー抽出エキスを用いたマクロファージの活性化試験

この研究では、ブロッコリー抽出エキスが免疫を活性化するメカニズムを、マクロファージを使って調べました。

マクロファージ活性化試験(in vitro)

マクロファージとは?

マクロファージは、全身をパトロールしている免疫細胞です。がん細胞、ウイルスや細菌などの病原体を見つけると、貪食(食べて排除)します。ウイルスが体内に侵入したときに最初に出会うのもマクロファージで、とても重要な免疫細胞です。

マクロファージは、他の免疫細胞を活性化します。がん細胞や病原体を食べたマクロファージが、その情報を免疫の司令官であるヘルパーT細胞に伝えます。情報を受け取ったヘルパーT細胞は、キラーT細胞やナチュラルキラー細胞に、「がん細胞や病原体を攻撃せよ」と指令を出します。

Point 1. マクロファージの活性化を確認

①まず、ブロッコリー抽出エキスを加えたときに、マクロファージがつくる一酸化窒素の量を測りました。
一酸化窒素(Nitrite)は微生物、ウイルス、癌細胞などに対する防御反応に関係しています。マクロファージがつくる一酸化窒素の量が多いほど、マクロファージがより活性化しているといえます。

マウス由来マクロファージを用いた社内試験データ
※controlはブロッコリー抽出エキスを加えていない状態

ブロッコリー抽出エキスによってマクロファージが活性化され、ブロッコリー抽出エキスの濃度が高いほど活性化され、最も高い濃度だと、30倍近くも活性が上がることがわかりました。

Point 2. マクロファージの貪食能の増加を確認

貪食能とは、マクロファージが、ウイルス感染細胞やがん細胞などの異物を食べて排除する能力のことです。
貪食能が大きいほど、ウイルス感染細胞やがん細胞を排除する能力が高いといえます。

マウス由来マクロファージを用いた社内試験データ
※controlはブロッコリー抽出エキスを加えていない状態

ブロッコリー抽出エキスによってマクロファージの貪食能が大きく高まることがわかりました。ブロッコリー抽出エキスの濃度が低い場合でも2.5倍も貪食能が高まることから、低濃度でも十分に活性化されることがわかりました。

マウス由来マクロファージを用いた社内試験データ
※controlはブロッコリー抽出エキスを加えていない状態

免疫を活性化するサイトカインの測定試験(in vitro)

サイトカインとは?

サイトカインとは、免疫応答を調節する物質のことです。活性化したマクロファージは、サイトカインを分泌します。サイトカインは、ヘルパーT細胞などの免疫細胞を刺激し、様々な免疫応答を促進します。免疫系を活性化し、免疫細胞を増殖させて患部に動員したり、がん細胞や病原体の排除を促進します。

ブロッコリー抽出エキスで活性化されたマクロファージで、主要なサイトカインであるTNF-αとIL-12が増加しているかどうかを調べました。

Point 1. 腫瘍壊死因子のTNF-αが増加を確認

TNF-αとは、腫瘍壊死因子と呼ばれ、感染防御と抗腫瘍作用を持つサイトカインです。

ブロッコリー抽出エキスによって、マクロファージのTNF-αが増加することが確認できました。

マウス由来マクロファージを用いた社内試験データ
※controlは、ブロッコリー抽出エキスを加えていない状態。

Point 2. インターロイキンのIL-12の増加を確認

IL-12とは、インターロイキン12と呼ばれ、まだ免疫機能が十分でないT細胞を、Th1細胞へと変化させます。Th1細胞はウイルス感染防御に重要な免疫細胞です。Th1細胞がキラーT細胞に指令を出すことで、ウイルス感染細胞を排除させます。

ブロッコリー抽出エキスによって、IL-12が増加することが確認できました。

マウス由来マクロファージを用いた社内試験データ
※controlは、ブロッコリー抽出エキスを加えていない状態。