25周年のスクリーン上映は
福岡でも満員札止め。

辛うじて最終日最前列を
予約することができました。

左隣は10代くらいの男子3人組。
女子を誘えなかったんでしょうか。
とても好感が持てます。

映画が終わり場内が明るくなりました。

「…エグいなこれ」
「ぉん」
「…初めてが映画館で見るでよかったんじゃね」
「ぉん」
「女が最初可愛くないじゃんって思ったけど
　どんどんいいなってなった」
「ぉん」

彼らの言葉が代弁してくれてます。

振り返ると客席には呆然自失な人たち。
満員ということもありますが
帰り支度が緩慢です。

なんだっけこの感じは…

ああ、劇場だ。
芝居がはねた後の客席です。

昔のことで恐縮ですがつかこうへいや
野田秀樹、鴻上尚史の舞台のあとは
席から立ち上がれない人々が促されるまで
虚ろな目でアンケートを書いていました。

「（泣きすぎて）気持ち悪い」
と後ろの女の子が言っています。

今回初めて観た若い人もいて
25年前に何回も観た人もいて
テレビやDVDで観た人もいる。
そして今回も頑なに観なかった人もいるでしょう。

ボクは25年前当然といった
感じで観ませんでした。

みんなと同じをしないことで
自分を保とうとしていました。
ディカプリオ、トム・クルーズ、木村拓哉に
つば吐くことで自分を宥めていました。

自分は何者でもないと認めるには
まだ辛い年齢だったのでしょう。

飲み屋で仲間が「タイタニック」のモノマネと
言ってバイオリンを弾くしぐさをして　
みんなが笑っているのを
ひとり理解できず不機嫌でした。

こうして観ても観なくても
「タイタニック」は刻まれています。

男子だけで行った人にも
女子だけで行った人にも
恋人と行ってその夜燃えた人にも
誰かと行ってつき合うことになった人にも
とにかく観なかった人にも
青春の沈みゆく豪華客船だったのでしょう。

「タイタニック」最高。
ジェームズ・キャメロン最高。
映画館最高。

あなたにとっての「タイタニック」は
どんなですか。

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