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西洋思想から東洋思想,そしてアフリカ哲学へ


現在の社会は,西洋思想偏向であると感じている.
これを読む皆さんにも思い当たる節があるかもしれない.
それに世間でもいくらかこのことは騒がれているので,聞いたことがある方もいるだろう.
西洋思想は技術的発展に大きく寄与して,我々はその恩恵を得ているが,
環境問題や,貧富の問題など,SDGsと言われるように問題がいくつか出てきている.
それを解決する思想として,ここでは東洋,さらにはアフリカの思想に少し触れたい.
(私の覚書のような,勉強した思考をそのまま書き出しているから,もちろん細かい部分はご容赦願いたい.建設的指摘があれば歓迎だ.)

ここでいう西洋思想というのは,
・資本主義
・競争,評価.成果主義(目にみえる成果がないのはダメ)
・二元論的(OかXかで捉える)
・大量生産(いかに効率よく安くたくさん作るか)
・画一的(物事に正解があって,みんな同じことを学ぶし,実行する)

確かに以上の考え方で,これまで社会はとてつもなく技術的・科学的発展をしてきた.
医療などの分野も明確に原因を突き止めたことで,多くの発展をしたのは間違いないだろう.
我々もすでにこの恩恵を生活で多く得ている.

ただし,これによって次に示すような問題が生まれたといえる:

・限られた資源の大量消費:
地球の限られた資源がますます無くても良いであろう,不要ともいえるものの生産に多く使われ,
それに人々が依存し,さらにその消費が続いている.
つまり,消費させるための無駄な生産が行われ続けている.

・貧富の格差と自己責任論:
努力した者が富を得て,怠った者,失敗した者は貧しくなるのは当然と考えるように.
さらに,富を得たものがその運用益,複利でますますを富を得て,富は増え続ける.
一方で,借金を得たものは利子によって,ますます貧困に陥り続ける.

私はこれに対して,東洋思想がこの解決策に結びつくのだろうと感じている.
鈴木大拙[1]や,井筒俊彦[2]などの著名な東洋思想を大きく広めた方々の著作を読み感じたことを少し示す.

・禅の思想:
身の回りの自然,自分と他者を分けることなく,一体として捉える.
全体としての調和を意識する.

・瞑想,坐禅による自身との対話:
自身の中での音に耳を澄ませ,何が自身に起こっているのかを知ることを重視.

ここで,私は最近「世界哲学」という言葉を知った.
友人から紹介してもらった,ギリシャ哲学を主に専門としてきた,納富信留氏による著書[3]で,アフリカ哲学の紹介があり,その思想が東洋思想とも多くの関連があるように感じた.

アフリカ哲学,特にウブントゥ哲学(Ubuntu philosophy)では以下の思想を大事にしているようだ:
大地,自然,宇宙と共に生きること,リズムを刻むこと,調和すること.

まさに,このような,宇宙,自然,環境全体を含めた全体像を意識し,その調和を保つこと,
自身や,集団全体のリズムを健康に保つこと,
このような考えは,現代求められる思想ではないかと思う.

今後とも,これらの思想を学び,私自身も凝り固まった考えから少しでも柔軟にできたらと思う.

参考文献:
[1] 鈴木 大拙 (著), 碧海 寿広 (翻訳), 2022/9/21, 禅と日本文化 新訳完全版 (角川ソフィア文庫)

[2] 井筒 俊彦 (著), 1991/8/8, 意識と本質: 精神的東洋を索めて (岩波文庫 青 185-2)

[3] 納富 信留 (著), 2024/1/11, 世界哲学のすすめ (ちくま新書 1769)


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