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【書評】池上彰:知らないと恥をかく、世界の大問題8

今回は,世界史の入門書として,池上彰氏の本を紹介します.
氏の著書は,偏りはあるとよく批判的な意見が挙がりますが,
世界史を学校教育でしか触れたことのなかった私のような人や,ほぼ学ばなかった方にとって,超入門として参考になるので,よかったら読んでみてください.

□紹介する本

知らないと恥をかく、世界の大問題8
著:池上彰

□目的

世界の歴史と、大問題を知る。

この世界の問題を解決するために何が行われるか。
何をする必要があるかを考える。
また、将来の世界の変化を予想する材料にする。

□キーワード

British + exit = Brexit: 英国のEU離脱のこと。
Post-truth : 客観的事実よりも個人の信念が世の中を動かす時代になった。
(SNSによって簡単に情報が伝播することの影響が大きい)
→世論形成において、
フェイクであっても信じる人が多ければ、それが実現する時代。
(つまり、プロパガンダが起こりやすい時代になったと言える?)
トランプ大統領の選挙中でも、SNSでローマ法王がトランプ大統領を支持したというマケドニアの10代の若者が発信したフェイクに影響された人々もいた。

国際情勢は非常に複雑に絡んで起こっている。
敵の敵は味方のパターンが多い。

・ソ連、アメリカの対立
→ここからイスラム国の問題生じた
アメリカ→韓国への軍備配備
→中国、北朝鮮からの反発

・宗教戦争
・イスラム国

・北朝鮮
・韓国
・中国

どこも自国ファーストの流れがある。

・マレーシア
などは外交に関して、非常にオープンな国家である。

・格差を生む原因の一つである、
タックスヘイブンは現在取り締まりが、
多くの国や、報道機関などによって、進められている。

・シェアリンクエコノミー
→自動車の使い方が「所有」から「利用」へ
技術によって、家や、自動車などをシェアする考え方へ。

その人個人の使い方といった、
心の豊かさが必要な時代へ。

□考えたこと

・他の本でも考えたことだが、
やはり、嘘を嘘と見抜ける判断力を常に磨いておく必要がある。
フェイクを伝播する自分になるな。

・自国ファーストで、自分勝手に行くと、どうなるか

・政治的、経済的、国際的な流れ、
各国の思惑などが色々見えてきて、
今後これらの内容に触れても、真の意味が見えてきそう。

・日本の教育は偏りがなく中立な立場で勉強ができているのだと、
教育に関して、この意味で、非常に恵まれた国だと感じた。

・将来の選択をするためには、
その材料となる知識を学び、
人と議論することや、自分で材料を整理することなどを通して、
自分なりの考え方を身につける必要があること。

・今後はより人格者になる必要がある。
→心が豊かで、自分で考える思考力が高い人間になる必要がある。
→またシェアリンクエコノミーの考え方によって、
より、これまでの常識が変わってくると考えられる。
(例えば、家を持つ、車を持つ、ブランド品を身につけることが富と豊かさの象徴といった考え方がまるで変わって行く。)

□中心的主張

・格差の是正を行い、本当の豊かさを追求することが
世界各国に求められている。

・グローバル化が本当に豊かになることを意味するのか?
→GDP至上主義で良いのか?

・全てを市場とビジネスが決めて、
政治の知恵が及ばない世の中を変えること。
(過去の歴史から学べていない状態になっている。
→アメリカのトランプ大統領は市場、ビジネス重視で、
過去の歴史を元にした政策になっていない。
このままでは、過去の悲惨な歴史を再発しかねない。)

・国民一人一人が国の抱える問題を理解し、
そのことについて、人と議論を交わすなど、
真剣に考えてみる。
そして、自分なりの考えを持つことが、
未来を作ることにつながる。

□総合評価

やはり、歴史を理解する際には、
なぜそうなったかを完全に理解しようとすると、
非常に時間的にも、難しいものがある。
この本では、そのなぜを近代のスタート位置から、
戦後の現在に至るまでの歴史のハイライトを知ることができた。

また、各国の考え方の特徴や、思惑を大まかに知ることができた。

近代史を学ぶには非常に良い本だったと感じた。

□次に読みたい本

池上彰とホセ・ムヒかが語り合った
本当の豊かさって何ですか?

サピエンス全史 上: 文明の構造と人類の幸福 (河出文庫)
ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田 裕之 (翻訳)

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#読了日
17/08/21

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