見出し画像

【本紹介】安藤寿康:日本人の9割が知らない遺伝の真実

□紹介する本

日本人の9割が知らない遺伝の真実,2016/12/5
[著]安藤寿康

□ノート

*GFP ( General Factor of Personality )
一般性性格因子
知能指数 IQ と同様に、性格の良さを一次元的に表したもの。
高いほど、健康で、低いほど、鬱や犯罪に手を染めやすい。

人を良いか悪いかで、1次元的に分類するIQやGFPは批判の的になっているが、社会的成功と相関があるらしい。

どちらも低い人は、受け入れるしかないのか?
IQや, GFPはそれぞれ細かい能力の結果の足し算で計算されているだけなので、より詳細な値をみて、各個人の能力を見極めることは有効ではないか?

また、味や味を見極める能力といった、その指標に入らない能力が優れた人もいるはずだ。

ほとんどの能力において、遺伝的な相関は50%ほどある。
共有環境(親の影響など)はかなり小さい。
ほとんどは親からの遺伝と、非共有環境(家族、家庭外での他者との関わりなど)で構築される

遺伝は相加的遺伝と、非相加的遺伝がある。
非相加的遺伝では、一見不利な遺伝子も受け継がれるが、この仕組みが今も残っている。
これは、一見不利な遺伝子にも、ある条件下で力を発揮することがあるから、非相加的遺伝という仕組みが残っているようだ。

ある指標ではダメダメでも、他の指標で見ると、思わぬ力が発揮されるかもしれない。
それは遺伝的な見地からも示唆されている。

非相加的遺伝の例

自分にはこれができるという内側から湧き上がってくる感覚は、自分の生まれ持った遺伝と、それを活かせる環境が出会った時に生じるのではないか?

収入に関しては、2-4割くらいが遺伝らしいが、日本での研究では、双子のデータから、次の傾向がわかっている。

歳を取るほど、本来その人の持つ遺伝的影響が大きくなる。
若い頃は、コネなどの環境因子で、その影響は見えにくい?

遺伝の伝達は分散を持つ。

遺伝子検査は占い程度でしかない。
つまり、おみくじ。

*フリン効果
後の世代ほど、知能検査の結果、IQは向上していく効果。
後の世代ほど、情報化によってIQで求められる能力が必要とされているため、この効果が生まれている?

この教え方が正解というのはない。
遺伝的にも、その人に合った方法がある。

□まとめ

主に,現状の偏差値教育への批判,および,改善方法を提示(2つ);
・現状の方法にプラスアルファで,より幅広い社会人が介入すること.
・もしくは,教育方法を大幅に変更し,ある種,職業訓練校のようにしてしまうこと.

その人にあった職業,遺伝的に得意なことが潜在的な優位性が活かせる場所を探せるプログラムにする必要があるという主張(つまり,より多くの人に,より多くの経験を体験させることが,その得意なことを見つけるヒントになりうる).

#わたしの本棚
#読了日
22/01/28

この記事が参加している募集

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?