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旧ユーゴスラビア 2

 先月私が訪れた国々とは、次の7ヵ国です。単純に、私自身が入国した順番で挙げています。

 >スロベニア(首都:リュブリャナ)
 >クロアチア(首都:ザグレブ)
 >セルビア(首都:ベオグラード)
 >ボスニア・ヘルツェゴビナ(首都:サラエボ)
 >モンテネグロ(首都:ボドゴリツァ)
 >コソボ(首都:プリシュティナ)]
 >北マケドニア(首都:スコピエ)

 コソボ共和国は、苦難の末にセルビアから独立を果たした国家ですが、未だ多くの国々から独立国として承認されていません。セルビアが、この領土を自国の一部(自治州)だと主張し続けているためです。そのため、コソボ側からセルビア側には入国ができない(逆方向はOKですが)と、旅行者の間ではよく語られる話です。

 実は、コソボ国民の9割以上はセルビア系ではなく、アルバニア系の住民です。最初の移住が始まったのは、オスマン帝国時代(300年以上前)のこと。この地に限らず、太古の昔から様々な「力」に影響され、領土を奪ったり奪われたりの歴史がある周辺国は数多いのですが、コソボはその意味ではものすご~く複雑な事情を抱え、よくも頑張って独立したものだと思います。

 たまたま入ったレストランのオーナーさん、「自分はセルビア人、この地で飲食業ができて幸せだ」と言っていました。現在では問題がなくなったという話ではなく、元々問題がないところに、一部の権力者の私利私欲によって領土の奪い合いが繰り返され、平和に暮らしていた住民たちがその都度、文字通り「右往左往」してきたのではないでしょうか。

 そして、コソボは欧州でも一二を争うほどの最貧国。欧州各地に流出したアルバニア系コソボ人が必死に家族や親戚に送金し、この国の経済を支えています。数十年前は戦火を逃れ、現在では貧困を逃れ、移住は数世代にも渡り、今ではアルバニア語を話せない在外コソボ人も多いそうです。

 ちなみに、隣国の北マケドニアに移動し、現地の人と雑談していた時、「ルーマニアは治安が心配で行かないと思う」と私が言うと、「え~、私は学生時代に仲間とブカレストに行ったが全く問題はなく平和だった」「あなたが通ってきたコソボこそ私は怖い」と言われました。まだまだ緊張の残る国なのですね、少なくとも周辺国にとっては。

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