slowpoke オーナー・店主 若城 徹土

プロフィール

わかぎ てつど・1975 年、弘前市生まれ。上京等を経て、市内にあった洋服店『Knuckle Arrow』に勤務。渡米の為退職した後、2001 年 SPACE DENEGAにて新品・古着を折衷した洋品店『slowpoke』を開業。 国内外での自社企画・生産商品も展開しながら、2019 年には現在地へ移転。

両親でジャズ喫茶を営んでいたことから、普段は祖父母と過ごし、プラモデル製作や、映画館に終日入り浸る等、1人(っ子)遊びが得意な子どもだった。その結果 (?) 主にアメリカ映画の影響により中学生で感化したファッションへの興味はその後、Levi’s® 501®等をどこで一番安く買えるかを競う(笑)高校生となり、スキーインストラクターや、かつてあった某ショップ店長業務を経て、26歳の時に念願のアメリカ一人旅を決行。

『グレイハウンドバス』※1でアメリカ西海岸を中心に巡ったなかで、深夜降り立ったサンフランシスコの街の〝何か〟に魅せられた。

「バイクメッセンジャーカルチャー、ビートニクもこの街から生まれ、大好きなリーバイスのお膝元ではあったけど、街全体のフィーリング、老若男女問わず各々が〝好きで着る〟スタイルに言語化できない何かを感じたんだよね。後は、当時の日本と違い大人も選択肢のひとつとして古着を選ぶことが文化として成熟していたし、さらにはスケーターが履き潰したスニーカーをTake Freeで路上放置する習慣は、それをホームレスが着用して循環しているだけでなく、スタイルとして成立もしていたもんだからさ、尚更、〝格好良い〟とは何ぞや？を再考するきっかけにもなったんだよね。」

定宿だった安ホテルの近所に偶然発見した『アズイズストア』※2をきっかけに開業をイメージしていく様になったという。

「旅の途中からは食費を切り詰めて仕入れをして、貯まるとその都度日本に送る。すっかりバイイング業務に切り替わっていってたね。」

帰国後すぐに店舗物件を探し『slowpoke』は開店。現在22年目。

「近頃は『古着、すごい流行ってるんでしょう?』と色々な方達によく聞かれて(苦笑)。確かに、当時集めていたような物は見つかり難いし、あっても恐ろしく価格高騰しているんだけど、そもそもうちは古着屋として創業してはいないところがあって、古着も新品も同じ価値観で扱っているんですよ、ずっと。」

さらにslowpokeの服づくりについて伺うと
「探しても見つからないということが動機になってて。実際に作る時は〝旅〟というのは重要なポイントになっているかな。旅に出る時ってさ、物をたくさん持ち歩けないじゃない？その時に唯一帯同したいなと思える物だから、デザインよりも機能性、良質な素材は勿論だけど、気持ちが高揚する付属品（ボタンやファスナー）を用いることが実は最重要かな。」

面白いのは、slowpokeの服はブランド名を付けているのではなく、その服毎にタグが作られていること。

服の持つ質感と企画の面白さに県外のセレクトショップにも並んでいる。今後の展望について伺うと
「いつかは生産背景の始まりから終わりまでを地元で完結できるようにできたらいいなとは思っていて、自分がアメリカに憧れたように、その物の製作背景までも欲しいと思われたいよね。昨今の円安の煽りを逆手に、地元に居続けながら、それらを引っ提げてエクスポーターとしても暗躍したい!と目論んでいるよ（笑）。」

※1 アメリカ映画で子どもが家出するシーン等で、最初に探しに行くのがこのバスの停留所。安いけれど治安が悪いことで有名。故に主な利用者は所謂、低所得者の方達だが、心温かい方達が多かった。そして意外にも？日本人には誰１人として遭遇しなかった。

※2 米国最大手リサイクルショップ
﹃Good will Industries』の中でも、ショップに並ぶ前の仕分けをする店舗。ここに集まる方達がまた個性的(過ぎ)で、影響受けまくりでした。惜しまれつつ、この辺り一帯が更地に(泣)。
（文・島村鈴香 / 写真・三上未夢）

slowpokeの応募景品

本革ヴィンテージブレザー
サイズ、裏地、ボタン(高揚する)を貴方・貴女好みにカスタマイズサービス（2名様）

スタンプラリー参加方法は↓

slowpoke　基本情報

路地裏マンションの一角に、ひっそり佇む白い外観の店舗
米国主体ながら、新旧国籍問わず独断と偏見で選び抜かれた
逸品達が頭のてっぺんからつま先、小物まで揃う

• 住所　弘前市南瓦ヶ町5 イリゴマンション１F

• 電話番号　0172-32-7426

• 営業時間　12:00〜21:00

• 定休日　火曜定休

• SNS　Instagram：＠teddwakagi

• WEB　slowpoke.jp