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音楽×先住民族の、新しい地平線を感じた映画『ランブル音楽界を揺るがしたインディアンたち』

アマゾンプライムで発見して観たドキュメンタリー映画『ランブル音楽界を揺るがしたインディアンたち』が、ものすごく良かった!!!!

最も良かったのは、私が好きなこと=先住民族の文化と、音楽の両方を思う存分楽しめた点だ。

この映画は簡単に言うと、アメリカの音楽の歴史を振り返りながら、その要所要所で実は活躍していたインディアンをルーツに持つミュージシャンのことを、映像と関係者のインタビューで振り返る、という内容だ。

出てくるミュージシャンが、とにかく幅広い。題名にも入っている『RUMBLE』を代表曲として持つエレキギターのギタリスト、リンク・レイ。ギターの神様ジミー・ヘンドリックス(先住民族のルーツがある、と本人も言及している)。ジャズシンガーのミルドレッド・ベイリー、フォーク音楽のミュージシャンで社会活動家でもあるバフィ・セイント・マリー。オジー・オズボーンのバンドでドラムス担当だったランディ・カスティーヨ、ブラック・アイド・ピーズのタブー。みな、自分の先住民族の血を引いている。

個人的に心に残ったのは、タブーが、自身のルーツをおばあちゃんに語られたときに「自分のことがより深く分かった」「なぜこの音楽が心に響くかが分かった」といった主旨のことを語っている場面。ある種のリズムに血が騒ぐ感覚や、ある風景に心を鷲づかみにされる感じは、ルーツと深く関わっている、と私も感じるからだ。

物心ついたころから気づいたら音楽が好きで、聞き続け、プロではないけれど演奏し続けた立場として感じるのだが、音楽はその人そのものを表す。

これだけ様々なジャンルのポピュラー音楽で活躍する人たちがいる、ということは、彼らの文化の奥深さ、豊かさを何よりも表しているのではないだろうか。そんなことを感じた。

それぞれのミュージシャンの活躍と共に、彼らがおかれた立場、歴史の中のつらい出来事も伝えられる。心がズキズキと痛くなる場面が多い。

悲しいことに、先住民族の人たちが置かれている立場は、今も良いとは、到底、言えない。でも、こういう風に彼らの音楽を切り取り、スポットを当てている映画があること自体が、希望の光ではないか。私はそう信じたい。映画を観た後、強く思った。


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