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続・また公務員を辞めたい私へ

前回、こんな記事を書きました。

あれから2週間強。運命に身を委ねる気持ちで、二次面接に臨んできました。汗ばむ陽気の中、久々に黒いスーツに白いシャツを着て、紺のネクタイを締めて都会へ向かいました。

オフィスは繁華街の中心部、オシャレなビルの2階にあり、顧客と打ち合わせする部屋のようなスペースに案内されました。キャビネットには不動産登記や相続の実務書が整然と並んでいました。やがて、スタッフの方2名が入室され、履歴書など渡して面接が始まりました。

不思議にも、公務員→民間→公務員→・・4回転職していることにはほとんど触れらませんでした。「なぜ転職を考えているのですか」と質問されました。正直に答えました。「組織の看板を捨てた時、私は何者であるか名乗る自信がありません。専門性を身に付けて、誰かの役に立ちたい。独立も視野に入れています」と。

面接官の方は、なるほど、という風に頷いて、「当社で、3年くらい実務を学んで、独立する道もあるかもしれませんね。私は、まよびとさんの話を聞いて、そんなキャリアがいいような気がしました。」「社員みんな向上心があって、資格取得に励んでいます。」「〇〇の分野では日本で一番という自負があります」「残業はありますけど大丈夫ですか?」「クライアントワークなので、お客様の都合で動きますが覚悟はありますか」など話されました。

終始穏やかな面接で、「給与面も希望があれば本音ベースで言ってください」など待遇面の話もしました。正直、お金をもらって実務の勉強をできますので、待遇面の要求は高くありませんでした。年収が下がることも受け入れますと答えました。副業も申請すれば可能とのことでした。

そのあと長時間にわたるSPI、適性検査を受けて会社をあとにしました。

SPIは時間が全然足りず、思考力も低下しており、半分も解けなかったと思います。へとへとになりながら、ラーメンを食べて帰りました。気温も暑かったので、汗だくのスーツでラーメンをすすりました。民間で歯を食いしばって働いたとき、溝の口駅かどこかで、立ち食いそばを食べたことを思い出しました。あのときは、本当に苦しかったけど、初めて食べる「コロッケそば」なるものに感動した記憶がよみがえります。

帰路、面接を振り返りながら、「私の道であれば受かるし、道でないならば落ちる」と運命に逆らわない気持ちで車を運転しました。

面接から1週間経ち、「最終面接に来てください」という連絡がありました。嬉しいというより、「まぁそうだよな」というなんだか不思議な気持ちになりました。

公務員をまた辞めるかもしれないことについて、毎日仕事をしながら考えています。不思議なのですが、もう辞めるかもしれないと思うと、日常のすべてが愛おしく思えてきます。そして、なぜだか落ち着いて仕事ができます。出納整理期間も終了間近なので予算の執行状況の確認や6月議会の資料の作成、いつものごとく他部署からの照会でメールがあふれています。

役所の中は世間から独立した流れ、渦が回っているように感じます。職員はその渦に巻き込まれながら、必死に船をこいで、沈まないようにぐるぐると回っている、そんなイメージを持ちます。

最終面接は社長と直に会えるそうです。
私の運命は岐路に近づいている。そんな感覚があります。

この記事の画像は、ドラマHEROのタイトルバックの並木道にしました。東京の辰己にある公園です。出張の時にぶらぶら歩きました。
誰かの役に立ちたい、そんな気持ちを感じさせてくれる緑道でした。

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