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【映画評論】実写版『耳をすませば』を観に行きました。※ネタバレ注意

 2022年10月16日(日)。19時54分。

 (タイトルから書いています。また、こちらはnoteにも先行して出す記事といたします。)

 はい。

 映画を観に行きました。

 実写版『耳をすませば』。時流に乗るような記事なのでnoteと同時刻に記事を出すことにします。

 感想を一言で言えば、神作品。超良物の映画作品でした。

 今日は天皇杯の決勝とかあって、そのことも書きたいのですが、記事は話題ごとに区切る方がいいと思い、今回は実写版『耳をすませば』だけを書いていこうと思います。

 【映画評論】とか書いていますけれども、特に事細かにレビューするとか上から目線の論評みたいなことを書くつもりはないので、ご了承ください。ただ、カクヨムでタイトルを探しやすくするためだけに【映画評論】と付けています。

 さて、問題の中身です。ここから先はネタバレ注意なので、ネタバレしたくない方は読まないでください。

 前提条件として、ジブリ版『耳をすませば』の延長線で理解する映画ではありません。え? って感じでしょうけれども。ジブリ版『耳をすませば』と同じシチュエーションの中学生の月島雫や天沢聖司が実写版で出てくることもありますが、ジブリ版のように、甘い子供向けの映画ではありません。

 小さなテーマとしてはこの二つ。

・叶わない夢と差し迫る現実と、どちらを選び取るか。
・夢が叶った人物の、その先に待っている冷酷な現実。

 大きなテーマとしては。

・夢とはいかなるものなのか。

 です。

 ・叶わない夢と差し迫る現実と、どちらを選び取るか。においては、月島雫がその役割を担います。月島雫は10年間物語を書き続けますが、一向にコンクールで落選をし続け、現実の忙しさや、上司への忖度、社会での役割と、心のなかの柔軟性が徐々に固まっていき、夢をあきらめるか否かの状態に陥ります。

 1990年代の日本が、大人になった月島雫の舞台なのですが、有休を取ったらクビを覚悟しなければいけない程、切迫した社会情勢の中を生きる編集者として登場します。映画のなかの言葉を借りるならば、『心のなかの水が、凍ってしまった状態』に陥っています。

 また。

 ・夢が叶った人物の、その先に待っている冷酷な現実。においては天沢聖司がその役割を担います。一人でイタリアに渡った後の天沢聖司は見事プロのチェロの奏者、チェリストととして、仲間たちに事細かく指示を出し、完璧主義を追い求め、徐々に笑うことや楽しむ心を忘れ、ひたすらチェロの奏者として完璧を求め続けます。

 そういえば、ジブリ版ではヴァイオリンだったような気がするので、チェロとヴァイオリンという弾く楽器も違っています。

 その天沢聖司なのですが、傍から見れば完全に成功者であり、仲間である外国人女性からも、一方的な好意を持たれます。月島雫が取るのも難しい有休休暇を取ってイタリアに会いに行ったときに、外国人女性から『セイジとあなたとは住んでいる世界が違うのよ!』と、一方的に怒鳴られ、月島雫も天沢聖司と10年間の遠距離恋愛に終止符を打つきっかけにもなります。

 そう。月島雫と天沢聖司は映画の途中で別れるのです。

 天沢聖司は誤解を解くために、ローマ中を必死に探します。そして雫を見つけます。「雫ならここにいると思っていた」。そう言って彼は座りますが。

 全ては妄想。

 天沢聖司は月島雫に二度と出会えなくなります。

 ここらへんで、映画評論を終わりましょうかね。まだ、これは映画の中盤で、もちろん終わりではありません。

 大きなテーマとしてあげていた、・夢とはいかなるものなのか。についてのヒントだけを描写しておくと、天沢聖司の場合は、月島雫と別れたあとに、庭の前で趣味のようにチェロを弾くと、徐々にアコーディオンを持ったおじいさんや、周囲に聴きに来る人が集まってきて、『自分の夢とは、自分も楽しく、また、誰かに幸せを与えること』なのだと気が付きます。

 月島雫の場合は、物語を書き続ける夢を諦めます。天沢聖司ともお別れを告げて、編集者としての仕事を一心に頑張ることを決意します。

 そこで、恐らく、最後となる天沢聖司から手紙が届きます……。

 二人は何を選択し、どのような道を選び取るのか。この続きはぜひ劇場で観ていただくことをおススメします。

 素晴らしい作品でした。

☆☆☆

 ここからはどうでもいいことなので、☆で区切りましたが、障害者割引とdポイントを使って800円で映画を観ることが出来ました。嬉しい限りです。

 私は田舎に住んでいるので参考になるかは分かりませんが、観ているお客さんは結構お年を召した人が多かった記憶があります。意外と若い方は少なかったように思います。

 また、ここは個人的な驚きだったのですが、私は向精神薬を飲んでいて「泣く」という行為ができなくなっていました。どんなに感動するものを見ても涙が流れることがなくなりました。

 しかし、今日、この映画を観て、統合失調症になって以来、初めて自然と涙が出てきました。自分でも驚きました。私が泣いたほどだったので、劇場の中は涙をすする音で渦巻いていました。お客さんの誰もがこの作品を観て、涙を流しておりました。

 以上。映画鑑賞記録でした。前述した通り今回は時事ネタなので、noteにも同時に上げようと思います。読んでくださりありがとうございました!

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