見出し画像

[決算][Lattice Semiconductor] 2023年


オリジナルデータ

FY2023 4th Quarter Financial Results
Corporate Overview 

FPGAなどを設計する半導体メーカー Lattice Semiconductor の2023年度決算が2024年2月12日(月)のニューヨーク市場引け後に発表されました。


Financial Results

売上高、粗利益、粗利益率、営業利益率の推移

縦軸の単位は1,000ドルです。1年間で7億ドル(約1,000億円)の売上。粗利益率(Non-GAAP)は7割ととても高い。あのNVIDIAですら1年前には65%くらいだった(ちなみに今は75%くらい)ことを考えれば、7割というのがどれだけすごいか。

資産の状況

縦軸(左)の目盛は前のグラフ同様1,000ドルです。総資産は年間の売上高とほぼ同じ7億ドルくらい。
そして着目すべきは自己資本。毎年ぐんぐん増えています。

キャッシュフロー

営業活動によるキャッシュ収入(水色)がぐんぐん増えています。2023年は2.7億ドル弱。

それに合わせるように財務活動によるキャッシュ支出(薄緑色)も増えています。2023年の2.54億ドルの支出でその内訳は、長期借入金の返済に1.30億ドル、自己株買付に0.80億ドル、株式報酬関連費用0.44億ドルとなっています。

  • バランスシートの長期負債の残高が2022年末は$128,752,000、2023年末は$0 となっているので、長期負債を完済したと考えてよいでしょう。売上、利益とも順調に伸びているので、過去にいい借金をして、無事返済完了したところ、というところでしょうか。

  • 株式報酬関連費用という項目の存在から、給与の一部を現金ではなく株式で支払っていると思われます。全額現金で払っていたとすれば、営業キャッシュ収入、財務キャッシュ支出がどちらも0.44億ドル減っていたはずです。

Outlook

次期の見通しは年間ではなく1~3月の3カ月分のみ公表されています。
上で確認した2023年までの6年間の決算はたいへんすばらしいものでしたが、次期の見通しはちょっと悪いです。

• Revenue for the first quarter of 2024 is expected to be between $130 million and $150 million.
• Gross margin percentage for the first quarter of 2024 is expected to be 69% plus or minus 1% on a non-GAAP basis.
• Total operating expenses for the first quarter of 2024 are expected to be between $54 million and $56 million on a non-GAAP basis. 

売上見通しが1.3~1.5億ドル。23年3Qの売上が1.92億ドル、4Qの売上が1.71億ドルだったので、売上は失速が継続する見込みとなります。

粗利率は69%±1%ということで、現状とほぼ変わらず。

営業経費は0.54~0.56億ドル。23年3Q~4Qはそれぞれ0.78億ドル、0.76億ドルを使っているので、売上減少の見通しに合わせて経費も減らそうとしています。


トピック

Lattice Semiconductor が扱う製品群の2023年市場動向は、産業・自動車向けが非常に強く、コミュニケーション・コンピューティングが弱い、という状況でした。

Corporate Overview pp.25より引用

Corporate Overview pp.25 に記載のCFOコメントの中に「near-term cyclical industry headwinds」とあるので、24年はINDUSTRIAL & AUTOMOTIVE(図の緑色の部分)が失速すると見込んでいるのかもしれません。


プレマーケットの反応

次期の見通しが悪いせいか、プレマーケットの反応も良くないです。
決算発表前の昨日の終値71ドルに対し、アメリカ東部時間6:14現在(ニューヨーク市場取引開始まであと3時間15分)、株価は5ドル以上値下がり(率にして7%以上下落)しています。

Yahoo! Finance より

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?