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【ホンシェルジュ連動企画】文豪登場のおすすめ映像作品6選!

今回はkayserが担当します。私は他のサイトでも記事を書かせていただいていますが、そのひとつが「ホンシェルジュ」です。本のコンシェルジュであるホンシェルズは、本のスペシャリストたちがおすすめ本を紹介しています。

そんなホンシェルジュと特別連動企画を行うことになりました。今回のテーマは、ずばり「文豪」。ホンシェルジュでは、この文豪本人にまつわる書籍やマンガを紹介、noteのこの記事では、文豪を主人公にした映像作品を紹介します。ぜひ、両サイトを行き来しながら楽しんでください!

文学史上最大のスキャンダル!『人間失格 太宰治と3人の女たち』

昭和初期に活躍した文豪のひとり太宰治。代表作『人間失格』は自身をモデルにしたと言われています。その『人間失格』の誕生秘話をもとに描いた作品が映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』です。

監督は、『さくらん』『ヘルタースケルター』蜷川実花。太宰治に小栗旬を迎え、独特な色遣いの世界観を演出しています。太宰の妻に宮沢りえ、作家志望の静子に沢尻エリカ、未亡人の富栄に二階堂ふみと豪華女優陣が脇を固めました。

主演の小栗と沢尻や二階堂の大胆なラブシーンも話題を呼び大ヒットを記録。太宰を愛した女性たちの目線から太宰治という人物を描いたことでも高い評価を受けた作品です。

ダメで弱い太宰を愛した女性陣からみたら、太宰治とはほっておけない男性だったのでしょうね。

内外でも高い評価!8Kの圧倒的映像美『ストレンジャー~上海の芥川龍之介~』

『ストレンジャー~上海の芥川龍之介~』はNHKのスペシャルドラマとして製作されました。芥川龍之介が大阪毎日新聞社より海外視察員として中国を訪れた事実をもとに、芥川の視点から当時の中国を描いた作品です。主演の芥川龍之介を松田龍平が演じました。

芥川の『上海游記』などを原案に、渡辺あやが脚本を担当。数多くの朝ドラや大河ドラマを演出してきた加藤拓が演出を務めています。

本編のほとんどを実際の上海で撮影したことで、特有の臨場感を醸し出しています。しかも、8Kでの撮影に成功。その映像美も本作のみどころのひとつです。

近代化の波と外国による支配。この当時の中国は混乱を極めていました。そんな中、政治家、革命家にインタビューを試みる芥川。偶然、妓楼の人々と知り合います。耳の聞こえない青年に興味を持つことになる芥川でしたが......。

圧倒的映像美で描く時代に翻弄される中国。芥川がそこで目にした現実とは。

内田百閒を描く!黒澤明遺作『まあだだよ』

内田百閒の随筆をもとに、黒澤明が自ら脚色した映画『まあだだよ』。法政大学教授をしていた百閒はとてもユーモアがあり、多くの学生から慕われてました。この教え子たちを中心に百閒の誕生日に「摩阿陀会(まあだかい)」というパーティーが開かれていたといいます。

名前の由来は、還暦を迎えてもなかなか死にそうにない百閒先生に、「まあだかい?」と訊ねるというところから。本作は、この事実をもとに映画化されました。穏やかで温かい作品です。

主演の内田百閒を松村達雄が演じています。『男はつらいよ』シリーズなど多くの作品に出演。個性的なバイプレイヤーとして知られています。また百閒の妻には、多くの巨匠監督に愛された香川京子が演じました。そのほか、井川比佐志、所ジョージ、油井昌由樹、寺尾聰など豪華な面々が揃っています。

この作品の公開後、脳卒中により黒澤明は半世紀の監督人生を終えました。奇しくも、次回の脚本執筆中だったそうです。

文藝春秋社の創業者・菊池寛とその周囲の人々『丘を越えて』

『真珠婦人』『父帰る』で知られる菊池寛。「文藝春秋」を創刊し、芥川賞や直木賞を創設した人物でもあります。そんな菊池寛や彼の周囲の人々を描いた作品が映画『丘を越えて』です。猪瀬直樹の小説『こころの王国 菊池寛と文藝春秋の誕生』が原作。菊池寛生誕120年、没後60年に製作されました。

女学校を卒業したばかりの細川葉子は、文藝春秋社の面接を受けにやって来ました。社長の菊池寛の目に留まり、個人秘書として働くことに。彼女から見た菊池寛やこの時代に夢や愛に生きた人々を軽やかに描いています。

菊池寛を西田敏行、葉子を池脇千鶴、朝鮮の青年貴族を西島秀俊が演じています。監督は『光の雨』などで知られる高橋伴明が務めました。つじあやのが歌う『丘を越えて』がいつまでも耳に残ります。

宮沢賢治生誕100年記念映画!『わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語』

1996年は宮沢賢治生誕100年です。それを記念した映画作品が松竹と東映で製作されました。松竹で製作されたのが映画『宮沢賢治 その愛』、東映で製作されたのが映画『わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語』です。今回は後者の映画『わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語』を紹介します。

この作品は、宮沢賢治の半生を描いた自伝的なもの。特に「父と子」をテーマに描いています。史実とフィクションを織り交ぜた構成になっており、あくまで監督の大森一樹が思い描く宮沢賢治像がベースとなっています。とはいえ、賢治の実弟の宮澤清六や清六の孫の和樹が企画協力者に名を連ねました。

宮沢賢治には緒形直人、妹トシに水野真紀、賢治の父・政次郎に渡哲也、母・イチに星由里子など豪華キャストが集結。日本アカデミー賞では13部門にノミネートされました。

死後、多くの出版物が刊行され、その崇高な思いも含め今なお愛され続けている宮沢賢治。そんな賢治が、生前どんな風に生きてきたかを彼の作品世界とともに描いた珠玉の作品です。

大きな話題となった2バージョン!『RAMPO』

1994年、同じ企画で2バージョンの映画が公開されたとして大きな話題となったのが映画『RAMPO』です。映画生誕100年、江戸川乱歩生誕100年、松竹創業100年記念として企画されました。

最初に撮影されたのが、NHKディレクターの黛りんたろうが監督を務めたバージョン。続いて撮影されたのが、プロデューサーでもある奥山和由が初監督を手掛けたバージョンです。

奥山バージョンは、最初の黛バージョンを70%作り変えたそうなので別作品ですね。また、奥山バージョンはサブリミナル効果などを加え、劇場で香水を流すなどでも話題となりました。

基本の物語は、どちらも江戸川乱歩が主人公。自身の小説「お勢登場」の発禁処分を受けてしまいます。その後、小説と符合する事件が発生。そのヒロインに境遇がそっくりな女性・静子が現れ、彼女に強く惹かれていく乱歩というのが共通する物語です。

黛バージョンでは、乱歩と静子の交流や静子のバックボーンも描かれているのが特徴です。

江戸川乱歩を竹中直人、静子を羽田美智子が演じています。また乱歩の作品に登場する明智小五郎を本木雅弘が務めました。

どちらがお好きかは本当に好みによります。見比べてみるのも面白いかもしれませんね。

まとめ

『文豪ストレイドッグス』『文豪とアルケミスト』の大ヒットにより、文豪が注目されていますが、実在する文豪の魅力も紹介したく、今回のような連動企画としました。文豪の人となりを知ると、自ずとその作品にも興味を持てるかもしれませんよね。次回は、具体的に文豪の作品自体に焦点を当てていきたいと思います。

kayser


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