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息子の発言にトゲトゲだった心が丸くなった日

先日、保育園で親子陶芸をするイベントがあった。毎年恒例なので、我が家には姉の代から作ってきた、陶芸作品がいくつもある。

お皿のようなものにして使っているものもあれば、子どものやりたいようにさせた結果、謎の塊になっているものまで様々だ。


もうこれ以上、謎の塊を増やしたくなかった私。考えた結果、息子(4歳)に提案をしてみた。

「今回は、せっかくやし使えるもの作ろうよ〜。花瓶とかどう??お花を飾れるで」

「かびん?ピカチュウ作りたいな〜」

そう言いながら、土をこねこねして、どんどん叩いている息子。ピカチュウか……ピカチュウ……と思いながら、横から様子を見る。


「やっぱり、お皿にしようかな〜」

「お皿も良いね〜。あれ?そういえば、花瓶はどう?」

プッシュ型の誘導作戦。

「花瓶か〜。うん、良いかも〜」

息子も何を作るか定まってなかったので、花瓶になびきはじめた。いいぞいいぞ。


残り時間が少なってきた。

「花瓶は高さをつけて、くちは小さくする感じやで」

「お母さんも一緒にやってよ〜」

このコメントを待ってましたとばかりに、横から手を出し一緒に花瓶を作り上げた。最後、竹串でなにやら嬉しそうに模様を書いている息子。


「よし、完成ー!良いやんー!これは使えるな!」

息子も出来上がりに、にんまり満足げ。なんやかんやで楽しい陶芸タイムを過ごすことができて、保育園には感謝だ。


その日は午前休を取っていたので、午後は急いで帰宅し在宅ワーク。〆切が迫っていて案件を進めるために、必死のパッチで仕事にいそしむ。もうちょっとやりたいところだが、お迎えの時間が迫ってきたので、仕事を切り上げた。

少し余裕がない気持ちで、保育園へ向かう。


園に着くと息子が笑顔で出てくる。帰り道、歩きながら、息子とお話タイム。


「今日陶芸楽しかったな~。焼きあがったら、お花飾ろう。何のお花が良いかな~」

すると、息子はこう答えた。


「いちゅ(つ)もは、ほいくえんお母さんいなくていややなぁ〜って思ってるけど、今日は大丈夫やった!お母さんと作った花瓶があったから〜。それを見て、お母さんいるなぁって」


「え?一緒に作った花瓶(まだ土)をお母さんやと思って、頑張ったってこと?」

「うん、しょ(そ)う〜」

と言いながら、少し照れ笑いをしている。


その息子の発言に、心がじんわり温かくなった。
仕事の〆切が迫っていてトゲトゲしていた心が、まぁるくなるのを感じた。

なんとありがたいことだろう。

私はといえば、時間がなくて「早く早く!」と急かしてしまうこともあるし、最近は特に余裕もなくて、ゆっくり向き合えてあげれてない気がしていたのに。こんなにもまっすぐに、「好き」を伝えてくれる。


あまりに尊くて、「ああ、ありがたや、ありがたや〜」と拝みたくなるような息子の笑顔。

まるで形見かのように(全然ピンピン生きてるけど)、一緒に作った花瓶(まだ土)に思いを馳せてくれてたんやね。


花瓶が焼き上がったら、一緒にお花を買いに行って、飾ろう。何の花が良いかな。今から楽しみだ。

子どもが注いでくれる愛情って、本当に尊い。
トゲトゲした心を丸くしてくれる。私も、子どもにとってそんな母親でありたいなぁと思う。

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