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優しくて幸せな気持ちになる娘の肩もみ

「お母さん~。こちらに来てください~!」

小学2年生の娘が和室にスタンバイをして、にんまり顔で呼んでいる。

「何~?」と和室へ向かう。

「こちらに座ってください」

言われるままに、その場に座る。するとサッと私の後ろへ回る娘。私の肩に手を置き、肩もみがスタートする。娘は手が大きめで、腕相撲に自信を持っているだけあって力も強めで、普通に気持ちが良い。

「あ~。気持ち良いわ~。肩もみ上手やな!」

そう伝えると、娘はめっちゃ嬉しそうに笑っている。

「そうやろ!前はもみもみ……!てしてるだけやったんやけど、親指使ったら良いってことに気づいてん!ここでぐ~っと押すねん」

確かに親指の圧が絶妙。肩凝り症なので、少しでもほぐしてもらえるとありがたい。そして、「気持ち良い~!」と伝えた際の娘が、本当に嬉しそう。


娘の得意げな、にんまり笑顔を見ていて思い出す。私も小さい頃、お父さんお母さんの肩たたきをして、褒めてもらえるのが嬉しかったな。10枚つづりの肩たたき券を作って、誕生日や父の日、母の日にプレゼントしていていたなぁ。

「しばまる~!このたたき券使わせてもらおうかな~」
「は~い!わかりました~!」

私もきっと娘のようなにんまり顔をしていたのだろう。小さかった頃の私の姿が目に浮かぶ。

「あ~気持ち良いな~。しばまるの肩たたきは最高やな~」

なんて優しい言葉をかけてくれた父と母を懐かしく思う。私は娘のように、親指がどうとかまで考えてなかった気がするから、娘はすごいな、なんて感心する。

「あ~気持ち良かった!もう大丈夫やよ。ありがとう!」
「気持ち良かったですか~?またしてあげるわ!」

そう聞く娘の横に、小さい頃の私の笑顔が重なる。
娘の笑顔を見て、あの頃の両親の笑顔を思い出す。
ああ、こうやってつながっていっているんだな。不思議な安心感に包まれる。大好きな人の嬉しい顔って、本当に力になるもんな。

娘の肩もみは、肩だけでなく心までもほぐされる、幸せで優しい時間なのだ。

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