川島田ユミヲ

障害者家族エッセイスト/先天性重度知的障害の弟と二人三脚の生活 #川島田姉弟/「世の中…

川島田ユミヲ

障害者家族エッセイスト/先天性重度知的障害の弟と二人三脚の生活 #川島田姉弟/「世の中全員、障害者」というエッセイを更新中/文章を書く事で生計を立てていきたい/気に入ってもらえたらサポートをお願いいたします/各種SNSでシェアして頂けたら嬉しいです/サポートもお待ちしております

マガジン

  • 不定期エッセイ「世の中全員、障害者。」

    障害者家族の視点で、日々思ったことを書いていきます。

  • 川島田ユミヲ

最近の記事

vol.26:バッドエンドの彼方へ

「あんたのクレジットカードでキャッシングするから、カードよこして。暗証番号教えて。」 二十年前のある日の朝。母親が珍しく優しく起こしてくると思ったら、聞こえた言葉がそれだった。頭の中でぱちーん、と何かが音を立てて、 「…何考えてんの。無理。」 喉と心をぎゅっと絞り、口から出た言葉がそれだった。カードを貸すのが無理なのも勿論だが、この “ 母親 ”という存在自体が完全に無理だった。 そして、母親の借金はこれが初めてではなかった。消費者金融から幾度となく借金を繰り返して、

    • vol.25:まるっと1年文章を書く事から離れてしまったのでリハビリさせてもらいます

      超絶、ご無沙汰しております。障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。(今回のヘッダー画像は、連休前の平日に「やっと仕事休みやーー!」と意気込んで寝室の何から何まで掃除したり片付けたりしてスッキリした私の爪先です) いやあ大変だ。前回から1年も空いてしまった。理由はあるようでないようでありよりのなしです。おおまかに言うならば ↑自分で書いたこのタイトルの文言が、ネガティブな方に作用してしまった、でしょうか。 所詮、学のない私などが垂れ流す文章など、ただただ稚拙で、誰の心に

      • エッセイ、しばらく休載します

        障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 ちょっと2ヶ月くらい間が開いてしまいましたが、表題の通り、更に間を開ける事になりました。 楽しみにして下さっている方々、申し訳ありません。 ---------------- 今、最も距離を置きたいと思っていた大嫌いな母親が入院していて、自分の中の特大のストレスから解放されています。 母親が救急車で運ばれて入院した翌日から、驚くほどに、自分の食欲が減退したのです。お菓子とか全くいらない生活になりました。 これはチャンスだ、と思い

        • vol.24:お年寄り並みに早寝早起きボーイといつまでたっても夜型ガール

          障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 表題通り、我が弟きよはるは、早寝早起きさん。 19時台に食事が終わり、歯を磨いて、20時台には布団に行きます。 24時前後に1~2回ぐらいトイレのために起き、4時~6時台には起床。たまに2時台とか3時台に起きたりもする。起きて何をするかというと、居間のTVに録画してある「笑点」と「サザエさん」を観ながらゴロゴロまどろんでいたいのである。そのまま朝7時頃まで、二度寝。トータルで10~11時間の睡眠時間。これ、盆暮れ正月関係なく、時間

        vol.26:バッドエンドの彼方へ

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        • 不定期エッセイ「世の中全員、障害者。」
          26本
        • 川島田ユミヲ
          8本

        記事

          vol.23:隣の客はよく柿食う客、かと思いきや実はあなたが井の中の蛙

          障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 Twitterを情報収集だったり、ラジオやTVのリアルタイム視聴の副音声的に使っているワタクシ。 たまーにTwitterのタイムラインには、私はフォローしてないけれどフォロワーさまがリツイートしたツイートだったり、そうでなくても 「あーたこの話題、興味あるでしょ~~?」 と、余計な世話焼きおばさんみたいなAIの機能が、たいして知りたくもない話題を垂れ流してくれたりします。 先ほど流れてきた、ぜんぜん知らない人のツイートがコチラ。

          vol.23:隣の客はよく柿食う客、かと思いきや実はあなたが井の中の蛙

          vol.22:私がCreepyNutsを好きな理由~オールナイトニッポン1部昇格によせて

          障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 はじめに、これを書くにあたって 「これはただのガチファンのラブレターになりそうだぞ…」 「障害当事者だとか障害者家族のこと関係ないかな…??」 と思い、エッセイのマガジンに追加するかどうかを一瞬迷いましたが、追加しました。どうぞお時間があるときにお読みください。Creepy Nutsを好きな人はもちろん、そうでない人もどうかひとつ。 ---------------- 今やTVで大活躍のHIPHOPユニット “Creepy Nu

          vol.22:私がCreepyNutsを好きな理由~オールナイトニッポン1部昇格によせて

          イッパイアッテナに対する、私の“おこだわり”

          障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 このnoteのURLをご覧いただくと、またこのnoteを遡って投稿を始めたころの記事をお読み頂くとわかるのですが ぼんやり作家になりたいと思っていて、ペンネームつけるなら「イッパイアッテナ」がいいな、って思っていた。 1987年に出版された絵本、のちにNHK教育テレビ(現:Eテレ)でテレビ絵本として放映されていた「ルドルフとイッパイアッテナ」 弟のキヨは、教育テレビの「おかあさんといっしょ」とか、その前後でやっていたこのテレ

          イッパイアッテナに対する、私の“おこだわり”

          vol.21:穴が開くほど愛してる

          障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 以前、弟のきよはるの服装に関して、ひいては知的障害者の方の服装に関する記事を書いた。 オシャレをすると目立つし、オシャレがきっかけで会話が生まれる。 「わ~~、川嶋さんそのTシャツ素敵ですね~~~!」 と声をかけられると、きよはる本人もまんざらではなさそう。 あ、ちなみに川島田の本名は “山” + “鳥” のシマなのです。長嶋監督と一緒。 ---------------- そんなきよはるのTシャツコレクションを前回はご紹

          vol.21:穴が開くほど愛してる

          vol.20:2週間コロコロしている間にインスタの動画がバズっていた件

          障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 2月の半ばに弟のきよはるが発熱→続けて私が発熱→PCR検査が陽性で、トータル2週間ほど通常生活からのお暇(おいとま)させて頂いておりました。どうも、川島田姉弟 a.k.a. コロコロチキチキブラザーズです。 …なんてエッセイを隔離期間中に書こうかと、1週目にはあれこれ下書きを残しておりましたが、生活における制限があったり、キヨの体調管理と共に自分の体調の変化を気にしていると、何にもやる気になれませんでした。 現状、私はほんの少

          vol.20:2週間コロコロしている間にインスタの動画がバズっていた件

          vol.19:私が赤の他人の家族写真を額装する理由

          障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 以前Instagramに これを載せたんですね。 日曜日の朝、洗濯物を干していると弟のきよはるが後ろからじっと見守ってくれている。 (またの名を「早く終わらせて散歩行こうぜ…」という、無言の圧力。笑) そしたらコメントを頂いた方の殆どが 「いやキヨより内田ファミリーの方が気になるwww」 「なぜ部屋に、しかも額に入れて飾るのかwww」 というものばかりでした。笑 これは2018年9月に、俳優の樹木希林さんが亡くなられたお

          vol.19:私が赤の他人の家族写真を額装する理由

          vol.18:みんな、わけがある

          障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 近頃また新型コロナウイルスのオミクロン株による感染者数の急増で、皆さん思い思いにざわざわしていますよね。 情報の伝わり方や多さに戸惑う事もあると思いますが、とにかくみんな免疫力を落とさないようにしましょうね。疲れたら休む。いつもの調子じゃないな、と思ったら、休む。誰かの言葉に心がささくれそうになったら、離れる。少しでもリラックスできる環境に身を置く。環境を整える。 もしかしたら、そんなに容易にはいかない状況の人もいると思います。な

          vol.18:みんな、わけがある

          vol.17:「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や「ミッドサマー」の感想を「ハッピーエンドだ」と言うと驚かれる話

          障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 お寒うございますね。暦の上では大寒。そして私の誕生日イブなんですね(1月21日生まれ)。 冬生まれでも夏が好き、でおなじみの私です。私にこたつを与えないでください。我が家は弟のきよはるも でも私が余りにもこたつ寝落ちばかりする&熱処理された足が乾燥してボリボリ掻いては血だらけになるので、数年前にこたつ制度を撤廃しました。 今はホットカーペットに毛布を掛けて冬を凌いでおります。 ---------------- 閑話休題。 先

          vol.17:「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や「ミッドサマー」の感想を「ハッピーエンドだ」と言うと驚かれる話

          vol.16:あなたも私もバーサーカー

          障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 今日はまず、この記事の無料部分だけでもいいから読んで頂いて、私がこれから書く事を読んでほしいのです。私が書く文章があらぬ誤解を与えないように、必読です。無料部分だけでも。でも有料部分もチャリンして読むと、よりわかりみがマシマシになると思います。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↑ 岸田奈美さん、去年あたりから少し調子を崩しているらしい。 表題のサイン会には、私も本持参でお邪魔した。12時~17時までの間、水分補給はされていたけれど、ほぼ休

          vol.16:あなたも私もバーサーカー

          vol.15:私たちの人生は〇×クイズではない

          皆さま、明けましておめでとうございます。障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 いや~~~~~~~~~書けなかった~~~~~~~!!!! 職場の移転に伴い、かなり仕事優先な2021年秋~冬を過ごしていたので、とにかく体力を消費しては回復させ、を繰り返しておりました。 リニューアルオープンして間もなく3ケ月。新しい場所にも少しずつ慣れてきたし、こちらの方も少しづつ再開させて頂きます。 という事で、今年もどうぞよろしくお願いいたします。 ----------------

          vol.15:私たちの人生は〇×クイズではない

          vol.14:今年いちばん会いたかった人に会えた話(いよいよ本編です)

          障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 前回までのあらすじです(表題通り、めたくそ長いです) ---------------- さて、意思表示マークを実装した我が八百屋さん、いや我が弟とともに、文学フリマ東京の会場、流通センターへ。 検温&アルコール消毒以外にも、受付で接触確認アプリの画面を見せてください、と言われ 「あの、同居する家族なのですが…(スマホ持ってません)」 と途中まで言いかけて、受付の方が 「大丈夫ですよー」 と通してくれた。帽子につけてい

          vol.14:今年いちばん会いたかった人に会えた話(いよいよ本編です)

          vol.14:今年いちばん会いたかった人に会えた話(に行くまでのまくらが長過ぎる話)

          障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。 毎回端折っておりますが、このエッセイのタイトルは「世の中全員、障害者」と言います。 ざっくり言うと、ハードルがあるのは障害者だけじゃない。「俺たちは健常者だから」って言っているそこのあなたたちだって、仕事の対人関係だったり、家族の間でも仲が悪かったり、病気したり、大変な事(=ハードル)がたくさんあるでしょう?という意味を含んでいます。いきなりこの記事からお読み頂ける画面の前の皆さま、辿り着いて下さりありがとうございます。ご興味を

          vol.14:今年いちばん会いたかった人に会えた話(に行くまでのまくらが長過ぎる話)