水色ではない初恋
初めまして、「想」とかいて「そう」と申します。
この名前、実は私が小学生の時に「こんな名前になりたい」と考えていたものの一つです。
しかし、当時は透き通るような水色が好きだったので、水色っぽさのある清々しい感じで「爽」とかいて「そう」と読む、これがいい、と思っていました。
また、「爽」という漢字は当時の初恋の男の子の名前に入っていたからです。
今回はその「爽」が名前に入っている彼について、と、私の小学生時代について語りたいと思います。
彼は名前の通り、爽やかで甘い茶色っぽい瞳が特徴のクールな性格の持ち主。
基本的にちょっかいを掛けては呆然としている私に軽く笑ってからかってきたり、急にランドセルを背負う肩に後ろから手を置いて「にゃー」って懐いてきたり。
時に猫っぽく、時に犬っぽい。
卓球がプロを目指してるのには納得出来るほど上手。
ペンギンを描くのが上手い。
声が優しい。
かっこいいのに、どことなく、いや、とてもあざとい。そんな人でした。
しかし、そんな彼は私が彼のことを好きなことを、知っています。
知ってしまっているのです。
小学三年生の時、とても嫌な思い出なのですが、意地悪な男子に「好きな人誰?」と教室の隅に詰め寄られ、仕方なく答えてしまったのです。
今思えば私はとても間違えた選択をしたと思います。
「意地悪な奴らは本人に『私が好き』って事を伝えるだろう」なんて事、直ぐに想像ついたのに。
その男子はすぐに周りに「私が彼のことを好きである」ということを広め、そして彼にも告げてしまった。
きっと、陰で嗤われて、罵られた。
「告っちゃいなよ笑」なんて簡単に言わないでよ、辞めてよ、
時期に何故か友達も居なくなっていました。
何故かってそれは簡単。
私の友達中ののリーダー格の子も彼の事が好きだったからです。その、彼のことが好きな女の子を仮にA子とします。
そして、以前、彼が私と2人でいる時にA子の事を「性格悪い」と評していたことを思い出しました。何だか、ほっとしてしまいました。
しかし、人の悪口によって、安心するなんて最低です。最低だと思います。
私も悪口によって苦しめられていたのに、な。
私の好きな彼は、悪くない、でも私は君のことが好きであることで、辛い思いをしちゃったんだよ、って。
私は「人間は傷つけ合わないとならない」と感じ、その頃からずっと本を片時も離さずに生きてきました。紛れもない自己防衛です。
ある日、悪口を言う事もある彼が好きな私の事にも急に分からなくなってきて、虚しさや情けなさが湧いてくる深夜、明日なんて来ないで欲しいってずっと考え込んでいました。
そんな私も中学生になり、彼とは離れ離れになると同時に新しい人間関係を構築でき、今回は誰も傷つけず、傷つけられずに、生きられたと思います。
今思えば中学生活はとても楽しかった。
そして、そんな彼とこの間、入試会場で再会することが出来ました。
滑り止めの滑り止め、第3志望の高校。
結局、その高校は出席日数に厳しいため、訳あって学校に休む日々が続いていた私は内申点が足りず、合格することすら出来なかったのですが。(この話は後ほど。)
受験帰り、私が彼に笑って手を振ると彼は私にあの時みたいなちょっとはにかんだ笑顔で手を振ってくれました。
「初恋は実らない」らしい。
あながち、間違っていない。
私の初恋は綺麗な爽やかな水色だけで染まることは出来なかった。
だけど、あの晴れた笑顔を見て、けれど、きっと彼も新しく輝いている道を進めていたんだ、と信じたい。
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