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#507 あなたも、実は、川勝さんと同じではないですか?

 静岡県知事である川勝平太氏は、1日に行われた県庁の新規採用職員に対する訓示の中で

「県庁の職員は野菜を売ったり、牛の世話をしたりモノを作ったりとは違い、頭脳や知性が高い人たち」

と、特定の職業を差別するかのような発言をし、物議をかもしています。

 その発言の根底にある考え方は、決して彼だけのものではなく、ある一定数の層が同じ感覚を持っていることに思想の怖さを感じます。

 彼は「学歴」の中で成功した人物ですが、しかしその尺度以外のものが見えなくなっている。ある強い社会的尺度は、その他の価値観や多様性を駆逐し、結果、排他的になることの典型例でないか。

 そこには他者への尊厳や想像力の大きな欠如が見られる。これは社会全体の問題として捉えなければならない。

 多様性を育むこと。それは、一人ひとりの個性を認めることだが、それは比較による優越感によって支えられる様々な競争原理の本質的な破壊を目指すことにある。

 誰かと何かを比べ、その中で自己存在を求める人たちは、多かれ少なかれ、川勝氏と同じ思想を持ち、能力的記号を持って、相手に接するようになる。それをどれだけ隠そうとしても、1つ1つの言動に、思想は現れるのです。

 今、自分自身に問わなければならない。自分は川勝氏と実は、同じではないかと。

 

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