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このまちで誰も死なさない『平野地区Bousai会議』

今年もこの季節がやってきました。
まもなく梅雨入りかと思われます。
6月末~7月上旬にかけての梅雨末期でのまとまった雨に警戒が必要なこのまち。

北九州市八幡東区平野地区で、
平成29年度からお世話になり、『防災まちづくり』の支援をさせていただいております。

平成30年度には、北九州市の支援する『みんな de Bousai まちづくり推進事業』による『地区Bousai会議』をスタートし、
『平野地区防災計画』を作成いたしました。

これは、ぼくや会長たちで作った資料を皆さんに提示して承認を得るような「押し付け」の防災計画ではなく、
5回の会議や訓練を通じて、皆さんの声を反映した「合意形成による」防災計画です。

平野地区防災計画には、
大雨災害による犠牲者を絶対に出さない!
と宣言しています。
住民が声をかけ合って、避難行動などにより、命を守る地域づくりを進めるものです。

いくら立派な計画ができていても、実践を伴わなければ意味を持ちません。実践すること。
継続すること。

これが大切です。

平成30年度に作成した防災計画には、継続していく取組みとして
『毎年6月上旬には、防災訓練を行う』と決めていました。

そして、
昨夜、この計画どおりに、出水期前の確認作業ということで、皆さんが集まり、会議が開かれました。
このご時世でイベント的な訓練が難しいなかでも、こうして、思いを続けていくことにとても感心しております。


昨夜は、ぼくの話はほどほどに、
皆さんの活動の実情や悩みごと、隣りの町内会の状況など、
色んなご意見を聴きたいなという構成にしました。

以前の会議の場でもご紹介いただいた先行的な町内会に口火を切っていただき、各方面の皆さんから現状をお話いただきました。

町内会と民生委員さんとで連携し、町内での支援が必要な人の確認や、「お助け隊」というメンバーを構成し、町内の住民どうしで助け合える仕組みづくりを進めているそうです。

大雨時に、避難情報だけじゃ腰が重たいので、避難を判定する要素として、川の水位をチェックすることを以前から取り決めていました。
水位をチェックしやすいように、川の護岸に、独自の線を引いたという話もありました。

町内でのより迅速な連絡体制の確立のため、
電話による連絡網を作成しているも、直接訪問した方が速いということもあり、優先順位をつけ直接お声かけしに行っているという例もありました。

町内で話し合い、3階建ての建物に避難することを決めていたり。

上側の地域は、避難所となる下側の市民センターまで、いざというときは避難できない状況にもなるそうです。
そこで、堅牢なマンションや、福祉施設と協定を結び、災害時に避難させていただけるようになりました。
昨夜もそれぞれの施設の関係者との意見交換もでき、いつでも来てください!というような話になりました。

町内会での連絡体制のみならず、民生委員さんのネットワークでも連絡をしていることや、
今後の見守り体制を進めていくなかで、要支援者お一人ずつの避難計画を作成していくことも紹介されました。

この平野地区では、
昨年度から、住民による避難所の受入れ体制を構築しています。

『行政の避難所』ではなく
『地域の避難所』に。
まちづくり協議会の役員や、防災部会の皆さん、頼りにさせていただきたいメンバーを募り、避難所に従事し、避難者を受入れています。


『いつ避難するの?』
このテーマで、平成30年からずっと議論しています。
明確になってきました。
『早めに避難するしかない』

空振りもいっぱいあるだろうと思います。

避難所となる市民センターには、地域住民が自ら、夜通し、避難者が来られるのを待っています。
「だから、みんなで、早めに避難しよう」っていうことを確認しました。


この夏、
まさかというほどの雨が降っても、
絶対にこのまちから、誰も死なせない。
そんな力強い想いを、
皆さんのご発言や目線から感じ取りました。

いざというときに声をかけ合える地域づくりを。
肩を貸し合って、車に乗り合って、安心して早めに避難できる地域づくりを。

一朝一夕にはいきません。
普段の関係づくりから始まります。

昨夜の会議を経て、
きっと、一歩も二歩も前に進んでいくものと思います。

平成30年度に作成し、
令和2年度に改定した『防災計画』
印字された記載内容に変わりはないのですが、
この中身の厚みが増す、会議となりました


今日もご覧いただきありがとうございます。
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