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地域コミュニティの活性化に関しての活動をしています。

地域コミュニティとはかけがえのない存在であると思っています。

自分のまちへの愛着を高めていき、『自分のまちが好き』っていう感情や感性をもっている人が多く暮らしていると良いなと思います。

それが、ぼくたち、NPO法人好きっちゃ北九州の活動目的です。

このまちが好きっていう想いのなかの大きな部分に、
『このまちの人たちが好き』っていう感情があると思います。

人が繋がり、地域のなかで生き生きと暮らしていくこと。
そんなまちづくりが各地で進んでいくと良いなと思っています。

そんな『地域コミュニティ』の筆頭は、何といっても『町内会・自治会』だと思います。

もちろん、町内会や住民自治組織が無くても、地域コミュニティは成り立ちます。

町内会はあくまで、きっかけであり、フィールドであり、母体だと思います。


『町内会に入りませんか?』
一生懸命、広報、啓発しています。

その声に対して、次に問われる質問はこれです。
「町内会に何のメリットがあるんですか?」

『 ・・・ 』


何でも便利な世の中です。
ご近所で助け合っていかなくても生きて行けます。
スマホひとつかざせば、何でも情報も入ります。
ドアtoドアで、仕事も買い物もでき、暮らしていけます。
車のヘッドライトを付ければ明るいし、ゴミだってキレイさっぱり持っていってくれます。

町内会の『必然性』は低下してきているのはたしかだろうと思います。
古くささや、面倒くささがあるのも事実だろうと思います。

そんな中、『メリットって何なの?』
これがよく聞かれる、しょうもない質問です。


このまちに住んでいること。
これがメリットなんです。

いま、その場所に住まい、生活していること。
もしくはお店を構えていること。

それ自体はデメリットでしょうか。
損得勘定の上に、そこで暮らしているのでしょうか。

町内会や自治会は、その名のとおり、自分たちのまちを治める団体です。
何の利益も損得もありません。

自分たちのまちを想い、自分たちのまちのための団体です。


『町内会に入ったら、こんな特典があります!』
みたいな打ち出し方。
これは、もってのほかです。

市政だよりがもらえます⇒無くても良いです、ネットで見ます。
重要な件は回覧板で回ってきます⇒SNSでチェックします。
街灯があったら犯罪抑止になります⇒車だから別にいいです。
何かあったら助けてもらえます⇒自分で逞しく生きていきます。

残念ながら、こんな感性です。


先日、北九州市戸畑区の総合防災訓練があり、
『あそぼうさい』と『まちクエスト』を出させていただきました。

『まちクエスト』は、まさに、こんな地域コミュニティにおけるテーマを遊びに転換したものです。
少しそれを例に挙げたいと思います。


『市政だより配布タイムアタック』というゲームをしました。
5つの『ポスト』に市政だより(市の広報誌)を配っていき、そのタイムを競うものです。
ぼくは16秒ほどかかりましたが、7秒台を出す子もいて、盛り上がりました。
そのランキングの記録を、メンバーが書き上げていってくれていました。

何度も挑戦する子もいたり、
チビッ子から、ムキになる大人までいました(笑)

北九州市では、どの校区でも、市政だよりは町内会の皆さんが配ってくださっています。
この配布作業の担い手の問題や、行政から町内会へ依頼する負担などが最近では話題になっています。

このゲームで表現したかったことは・・・

家に何の気なしに届く市政だより。
いつの間にかポストに入っています。

でも、それって、誰かが、こうして配ってくれているんですね。
町内会長なのか、組長なのか、それとも担当の方がいるのか、その地域によっても違うと思いますが。

『こうして地域のために配ってくれている人がいる。』
それを感じてもらうゲームです。

そして、これこそが、メリットだと思います。

市政だよりをもらえることがメリットじゃないんです。
『我が家へわざわざ、市政だよりを配ってくれている人が、自分のまちにいること』
そんな存在がいることがメリットだと思います。



もうひとつ、こんなゲームをしました。
『ご近所セーフティネット ボールすくい』というゲームです。

水に浮かべたスーパーボールを、時間内に、どんどんすくっていくゲームです。

このゲームは開始する前に、2つの選択肢があります。
それは、ボールすくうネット(網)を、大きいものと小さいものの、どちらにするか?という選択です。

大きい網で一網打尽にしたいのだけれども、この大きな網は、ボールがすり抜けていきます。

小さい網の方は、ひとつずつしかボールをすくえないほど小さいのだけれども、確実に拾っていくことができます。

大きな網は、少し離れた場所に住んでいる仲の良い友達や親戚を示しています。

そう。
小さな網は、ご近所さんです。小さなネットワーク。まさに地域コミュニティのことです。

災害時に象徴されるように、
いざというときになれば、すぐ近くにいる人が頼りになります。

遠くのバラより、近くのタンポポみたいな話と似ているかもしれませんね。

見守り合い、
支え合い、
助け合い、
そして、安全、安心。

ローカルな、小さなネットワークは、そんなテーマに効果を発揮します。

これがメリットなんですが、
もう一歩踏み込みます。

ご近所付き合いをすると、
「災害時には助けてもらえます。見守ってくれる人がいます。」
こんな恩恵が受けられます!というような損得勘定ではなく、、、、

『自分自身が、そんな存在の一員になれる』ということがメリットなんだろうと思います。

人間は誰しもが、目の前に困っている人がいたら助けたい本能を持っていると思います。

助けられることがメリットではなく、
実は、自分が助ける存在になれることがメリットなんだろうと思います。


別に、力持ちでガレキをかき分けて救出せよということではありません。
ご近所さんとすれ違ったら、ペコッと頭を下げて、お互いを認識して。
それが見守り、支え合いのひとつです。


そして、町内会という組織や活動は、こうした関係性をより活発にしていくチャンスであり母体です。

グランドがないと野球ができないのと一緒で、
町内会という母体があるから、みんなのびのびプレーできます。


2つのゲームから表現したかったこと。
町内会、地域コミュニティのメリットです。

このまちのために、何かをしてくれている人がいるという存在。

自分も含めて、ローカルなエリアのなかで支え合いや助け合いの存在に、お互いがなっていけるということ。

これがメリットなんだろうと思います。


何でもかんでも、
サービスをお金で買い、
見返りを求める、
残念な損得勘定社会です。

想いを寄せ合い、
人と人とが感謝で繋がる。

そんな地域社会の基盤が、ここにあるのだろうと思います。


今日もご覧いただきありがとうございます。





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