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『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』~オタクの憧れ

映画館で見逃していた作品。
やっと我が家で配信を利用して観ました~。

タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』が公開されて映画館へ観にいったときの衝撃は忘れられない。
こんな凄くてカッコいい映画つくる人がいると感動した学生時代。
オタク魂が揺さぶられるのにメジャー感もあり、作家性もある凄い人だと思います。

タイトルにある「映画に愛された男」じゃなく「映画を愛した男」だと感じます。
物凄い映画と音楽の知識とセンス、自分の好きなものを寄せ集めてもおかしくならず、面白さや刺さる物語でラストまでもっていく脚本を書き、俳優の良さを引き出す腕前を持つ監督。

俳優の良さを引き出す役柄も自分で脚本を書いているからこそ。
あて書きして書かれた俳優さんもいるのだろうと思います。
『レザボア・ドックス』のメイン出演者たち
『パルプ・フィクション』のトラボルタ、
『ジャッキー・ブラウン』のパム・グリアー、
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のディカプリオとブラッド・ピットが個人的に良さが引き立つ役柄だなと感じています。

タランティーノ作品を『ワンス~』で観た時にメソメソするディカプリオに嬉しくなりました。
そうそう、メソメソしてそうな感じする!!(※注:個人的な感想です)
ディカプリオって実は繊細で日常ではこんな感じがするんだよって思っていたので、タランティーノって凄いわ~と感動したのを思い出しました。

これだけオタクの夢を叶えている人っていないんじゃないかと思います。
天才的なオタクの憧れ!!
好きを追求して成功した人。

そんなオタクの憧れを称えるドキュメンタリー映画。
複数の作品に出演しているマイケル・マドセンがなんだかとっても良い人でした。
強面でいっつも悪役が多いですが、なんとも味のあるおじさんなのが良かった。そんな俳優さんの普段も垣間見えるのも楽しい。

映画作りの裏側やタランティーノのフィルモグラフィーも追いかける展開で、いかに彼が映画作家として洗練されつつも面白さや遊び心を忘れていないかも教えてくれる映画でした。

ハリウッドを震撼させたスキャンダルとして映画界を追放されたワインスタインとの関係もドキュメンターでは描かれています。
タランティーノを称える映画なので甘めではあるのかな・・・。
当時、ワインスタインの制作会社であるミラマックスは今のA24的な快進撃だった。
賞にノミネートされたり、面白い映画はミラマックスが配給していたように思います。
タランティーノ映画もその中の一つとして認知されていたし、タランティーノもずっとミラマックスと組んでいました。

ワインスタインにキャリアを潰されたとされる女優達の中にいたミラ・ソルヴィーノってたしかタランティーノと付き合っていたような・・・とか実は個人的に微妙な気分。
ブラッド・ピットは当時付き合っていたグィネス・パルトロウがワインスタインの被害にあいそうになって、彼に抗議した話は有名。
みんなワインスタインが怖くてなかなか言えないし、敵とみなされればキャリアを潰されたりされたらしい。
だからこそ、この点ではブラッド・ピットって凄い人だなと感動したエピソード。
この映画の中では、『キル・ビル』の事故でもめたユマ・サーマンとの話も出てますがモヤっとしてます。
検索した記事を読むとユマ・サーマンも結構ひどい目にあってます・・・。
そこからもワインスタインとタランティーノの闇をうっすら感じました。
タランティーノは9作目である『ワンス~』はソニーと組んでいるようです。

この映画の後に『キル・ビル』を再び鑑賞。
公開当時は以前よりタランティーノ熱が冷めちゃっていたのもあり、やっぱり前の作品の方が好きかな?と思っていましたが、再見してタイムレスな魅力ある映画だと感じました。
監督の好きなものを詰め込んだのに面白く映画的な躍動感がたまらない。
何となくタランティーノ映画って「復讐」「仁義」みたいなヤクザ映画の匂いを感じます。
やっぱり映画はエンタメなのでそれって大事だと思います。
そして笑いも。
残虐だなと思うシーンも乾いていて、意外と見ていられるし、作り物感もあって笑いも時々交じっていたりとエンタメ感が強い。

ちなみに『キル・ビル』のpart1は國村隼さん、田中要次さん、北村一輝さん、高橋一生さんも出演していて楽しい♪
北村さん出演のエピソードも面白くて好きなんです。
『キル・ビル』のオーディションに行き損ねた(おいおい💦)北村さんが、来日していたタランティーノ監督に直談判したら、
「『〇〇』の映画に出てたでしょ?出演していいよ~」的なノリで出演したらしい( ´艸`)
北村さんの出演作もチェック済みって。
どんだけ映画オタクなんだろう・・・。
映画好きっていいよねって思うエピソードです。

10本の映画監督作で引退と公言しているらしく、すでに9作は公開されているタランティーノ。
あと、1本って物凄いプレッシャーじゃないかと思う・・・。
もう、「引退するする」って言って映画作りを続けてほしいな~と個人的に思っています。
引退するする詐欺でいい!!
もっと自由に楽しくタランティーノには映画を作って楽しませてほしいな。




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