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まいにちノート1

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毎日10分で書く日記です(と言いながら帰り道に30分ぐらい書いてる)。 #毎日更新
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#演劇

教材としての『ゲド戦記 影との戦い』:卒業演劇の観劇を終えて

教材としての『ゲド戦記 影との戦い』:卒業演劇の観劇を終えて

魔法学校で学ぶゲドは、自らの「傲慢と憎悪」から、禁じられた呪文を使い、「影」を呼び出してしまう。その影に追われ、怯え、逃げ、負け続けながらも、最後は影と対峙し、乗り越える—

この物語を、ことしの京田辺シュタイナー学校12年生(=高3/18歳)は、卒業演劇の原作に選んだ。戯曲ではない(ジブリのゲド戦記の話はまた全然別の話)この作品を、子どもたち自らが「脚本化」に取り組んだという。

12年生の卒業

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シェイクスピアの喜劇は多くの役者に見せ場がある

シェイクスピアの喜劇は多くの役者に見せ場がある

今年の8年生卒業演劇『空騒ぎ』を観た。去年の『十二夜』に続くシェイクスピアのどたばた喜劇、21人での上演。この作品は序盤がめちゃくちゃ難しい(掛詞だらけの長台詞が続く)んだけど、動きが出始める中盤からは圧巻の出来だった。

役者の人数が多いシェイクスピアの喜劇は、台詞の物量が多い主役級の役者以外にも、しっかり見せ場が用意されていて、個性的なクラス全員で演じるにはとても向いている。

見事な歌声をソ

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次の1年で、子どもはどこまでできるようになる?

次の1年で、子どもはどこまでできるようになる?

今日は娘の学校の「年例祭」を観に行った。いわゆる学芸会のシュタイナー学校版で、歌ありオケあり劇あり、充実の芸術鑑賞デー。

各学年が順番に演じていくこの行事は、「1年間」の子どもの変化を知るのに確かに良い機会だ。

1年から2年で、全体として声がしっかり出るようになる。2年から3年で、「ソロ」の台詞がはっきり聞こえるようになる。娘の1年先を想像したとき、「あとたった1年で、あんなふうにはっきり声が

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訛ってる羊飼いたちがベツレヘムを目指す

訛ってる羊飼いたちがベツレヘムを目指す

♪。.:*・゜俺たち 羊飼いは 歌うのが大好き~

毎年恒例のクリスマス生誕劇を見に行った。オーストリア・オーバールーファー村の台本なのだが、後半に出てくる3人の羊飼いたちのセリフは、不思議な方言で訳されている。

ガルス:シュティール~⤴︎ おめぇゆうべ、どんな夢、見たんだぁ~⤴︎?
シュティール:そんじゃあ~さっそく、教えてやっからぁ~⤴︎
(歌い出す)

そしてベツレヘムに着くと、コンコンコ

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父と母たちのパラダイス劇

父と母たちのパラダイス劇

アダムとエファ(イヴ)の楽園追放を描いた演劇作品「パラダイス劇」を観た。演じているのは、うちの学校の保護者たちだ。教員が演じる「生誕劇」に対し、保護者有志によるパラダイス劇の伝統はずっと続いているらしい。

アダムとエファに知恵の実を食べるようそそのかし、高らかに嘲笑う悪魔サタン。演じるIちゃんのお父さん、高笑いが自然すぎる。抜き身の剣をくるんと振りかざし、びしっと追放を言い渡す大天使ガブリエルは

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