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4月に見た映画について

ご無沙汰してます〜

4月の頭に、これからは毎週更新していくよ〜なんて、お知らせしつつ、
思ったより忙しい社会人生活で、時間が取れませんでした。

とはいえ、そろそろ新生活にも慣れ、大阪芸術大学映像学科の機材番として、徐々に余裕も生まれ始めてきました。

この辺のお話はまた今度描いてみましょう。学生時代は感じなかったいろんなことが楽しく感じられます。

4月に見た映画発表!!


4月に鑑賞した映画を、日付順に遡って振り返ります。


さよならテレビ 

東海テレビのドキュメンタリーですね。
ずっと見たかったのですが、知った時にはときすでに遅し。放送も上映も終了していたのですが、日本映画専門チャンネルの放送で無事に観賞。

ドキュメントとテレビというのを、二項対立的に描きながら、真実と虚構をまさにテレビ的に描いた素晴らしい映画でした。

お勧めです。

アダム&アダム

あまり記憶に残ってませんので割愛します。ネトフリ映画ですね。

息の跡

小森はるか監督の、言わずと知れた傑作映画ですね。
東日本大震災で変わってしまった世界を、「たね屋」の主人を通して描いています。

この主人の声がいいんですよね。東北訛りで英語や中国語を話すところは惚れ惚れします。津波、川、風、時間、そういった流れていくものを描きながら、そこにとどまるものを映し出すドキュメントでした。

お勧めです。

フリー・ガイ

公開時から気になっていた映画。ショーン・レヴィといえば、私の中では親子の再生を描いた『リアル・スティール』の印象が強いのですが、この作品ではどうでしょうか。

序盤のゲームの世界を描いた映像では、レゴムービーに見られるような高揚感があり、ガッシャン系アクションでは、まさに窓ガラスを突入するカメラで、一気にテンションを上げてくれます。

とはいえ、私の記憶に残ったのは、路上キスの場面。

虚構で交わされたキッスが、人を変え、現実へと流れ着く、見事な帰着点。路上キス映画の秀作ではないでしょうか。

お勧めです。

うみべの女の子

浅野いにおの漫画をそもそも好きじゃないというのはありますが、、、
この映画では「性」が描かれます。もちろん、画面上でもセックスが行われ、裸の男女が抱き合い、挿入し、果てます。

こういう描写で、極めて不埒で、思慮浅く、傲慢で身勝手だと思うのは、おっぱいが映らないことです。作中、ヒロインは本当に裸になっています。しかし、おっぱいがなぜか隠されるのです。

否、おっぱいをうつせと言っているのではありません。事実、この作品では胸は写ります。ただし、意味がわからないくらい隠れるのです。

許せません。一体、この世界のどこにおっぱいを隠してセックスをするものがいるのでしょうか。ここには作り手の理由しかないのです。物語上、隠す道理もなければ、俳優部としても「見えている」カットがあるのですから、隠す理由にもなりません。

俳優が全てを露出して、芝居に臨んでいるにもかかわらず、何かの意図や事情で隠されたのなら、これほど身勝手なものはありません。

よもやそれを見せられる我々には、もう物語としてこの映画を享受するという状況にはなりえないのです。

リバー・オブ・グラス

私が大好きでやまない、ケリー・ライヒャルト。知らぬまに、ライカートになっておりました。

ようやく鑑賞が叶った本作品。愛も変わらぬ見事なショットの連続に、銃をプールサイドで売ってしまう直前のカメラのエロティックさ、お見事。

男女の逃避行ものというには、あまりに退屈な日常を過ごす主人公たちが、最終的には、ここではないどこかへいけずに、元の日常に戻っていく、そういう映画です。

万人にはお勧めできません。例えば、夜に一人でこっそりと見る映画です。そういう映画なのです。

ウエスト・サイド・スーリー

スピルバーグの新作。。。かなり遅れて、劇場鑑賞。

予想とは大きく異なる、暗い逆光で捉えられる「対立」の映画。対立をもとに進むから、物語が停滞しない。

この物語をご存知ない方が、初めてこの映画を見た感想として、「ラストがわからない」という意見を散見しました。

この映画では、差別や偏見を描く物語であり、差別される側の女性と差別する側の男性が恋に落ち、両者がそれぞれのコミュニティから迫害され、理解されることなく、悲しい結末へと向かいます。

「分かり合えないまま、終わっていく」

そんな最後の葬列を、ジョン・フォードを彷彿させるような演出で持ってして、スピルバーグは描き切ったのです。その葬列の雄弁さたるや。

いつかこんな世界があったのだと、本当に理解できない時代がくればいいのにと、思わず映画の外の世界を考えてしまいました。

お勧めです。

シャイニー・シュリンプス

全然スポ根してくれない、水球映画。
一体いつになったら、「ゲイ」を物語に据える映画が、ゲイを扱わずにすむようになるのでしょうか。
「ゲイ」、もちろん、それ以外のLGBTQ、それらに属する人間を映画で描くとき、必ず差別と偏見と、それに対抗する、もしくはできない、という物語に結実していきます。

私はそれが悲しい。

水球映画という、私には馴染みのないジャンルは、とてもワクワクさせてくれたにもかかわらず、結局水球でなくてもいい物語になっている。

差別や偏見を描く必要があるのは、作り手の一人として十分に理解できます。その上、その偏見を無くしたいと考える気持ちも理解できます。

しかし、映画としてはそれ単体では、めそめそした重く暗いだけの映画になるのです。なぜ水球を選んだのでしょうか。その理由が知りたいです。

アイの歌声を聴かせて

作中で都合2度、私は涙しました。最高の映画です。
結局配信で見てしまったのですが、劇場で見ればよかったと、心から思う映画でした。

お勧めです。

ランボー

遅ればせながら、初鑑賞。
めちゃくちゃ期待してみたけれど、それほど乗れず。
戦友が死んだと知って、孤独に歩いているところからの、ものの10数分で展開がガラリと変わる力技には感服するのだが、スピード感のある序盤から、一気に中盤で停滞し、眠気が襲ってきました。

例えばチェイスシーンや、森の銃撃戦などでは、両者の位置関係が全く理解できず、めちゃくちゃにつなぎ合わされた感覚を受けました。そんなにすごい作品ではないと思います。

青春夜話

海底悲歌を褒めてくださり、応援してくださった切通監督の作品。
俳優の渡辺厚人さんから紹介され、初鑑賞。

作中、冴えない人間ばかりが出てくる優しさ。飯島大介さんのパートが非常にコミカルながら暖かくて、こちらを中心に描いたものも見てみたいと思った。

劇中、絶対ゲリラだろ!と思われる学生が列をなして歩くところを主人公が闊歩するカット。なんだか、往年のロマンポルノのようで少しテンションが上がった。

ドライブ・マイカー

私はこれまでの濱口竜介作品のファンです。ハッピーアワーやPASSIONはディスクを買うほどでした。
しかし今作は、これまでの理屈で魔法を引き寄せていた感覚が、途端に消え失せ、理屈が前に出過ぎていると感じた。

これは村上春樹へのアレルギー反応なのかもしれない。

どれもこれもがあざとく感じられて、大森一樹監督はこの映画を「新しい映画」とおっしゃっていたが、だとするなら、私は古い映画で十分だと思ってしまった。

何より、村上春樹さん、セックスは気持ちいからやるでいいんじゃないでしょうか、そんなことを考えてしまいました。

博士と彼女のセオリー

再見作品。交際中の恋人と自室で鑑賞。
彼女は泣いていたけれど、私は彼女とみていなかったら、おそらく楽しめなかっただろう。

ホーキンス博士の功績は素晴らしく、「障害」というテーマは彼に必ず付き纏うものだけれど、私が彼を大好きなのは、障害云々よりそのユーモラスな人柄や科学への悪なき探究心である。

それを、っぽい音楽と、っぽい色味と、っぽい照明で、いかにも美談で、いかにも感動させてますよ、という画面の下品さに驚いた。

ラ・ラ・ランド

こちらも再見作品。同様の状況で鑑賞。
初回の鑑賞では、辟易のあまり、劇場を途中で抜けてしまった作品なのであが、今回見てみると、思いのほかその意匠を楽しんだ。

確かにミュージカルパートの派手さは序中盤で薄れ、終盤は一気にトーンダウンするのだが、プラネタリウムのシーンなどは、チャゼル自身のアイみたいなのものは感じられて、よかった。

とはいえ、オマージュという名の一発芸と、場面転換という感覚が偏重なモンタージュは褒められないと思う。ミュージカルシーンの、長回し・ビックリ箱撮影も良しとは思えない。

作為の込められまくった画面を見て、エモーションが掻き立てられることはなく、その点はやはり残念だと感じる。何よりエマストーンが全然綺麗じゃないメイクと照明は、改めて映画犯罪者だと言わざるをえない。

おんなの細道 濡れた海峡

言わずもがな、大傑作です。
武田一成という監督は、本当に登場人物への優しい眼差しが印象的で、この作品でも「優しい」選択ばかりを強いるのです。

なんだかおどろおどろしいものばかりが、例えば、強姦モノや痴情のもつれによる殺人モノなどが、よく話題に上がるロマンポルノですが、、

こういう映画こそ演出力を問われるのではないのでしょうか。

お勧めです。

スタンピード

ワンピースは、大好きなんですが、映画版のワンピースってお祭りなんですよね。で、この作品は文字通り「お祭りモノ」

熱にファン以外は見なくていいという企図があると思うので、特段感想は出てきません。

ブレイブ 群青戦記

この作品の、企画としての何よりの面白さは、「現代のスポーツマン高校生が、戦国時代にどう戦うのか」という点。
それを、まさにしっかりと描いた序盤の部活動紹介殺戮シーンは、お見事。

部活ごとに、攻め込んできた武士たちとの戦い方が変わっていて、最高です。何より、徳川家康役の三浦春馬、こんなに存在感のある俳優だったっけと驚きました。

本広克行という監督は、見せ場を理解していて、だからこそ中終盤がだれる節があるのだけれど、それでもこの作品は面白かった。

お勧めです。

バブル

荒廃し、水の都となった東京を、チンピラパルクール集団たちが住処にしているという出だしは、非常に魅力的なのだが、結局のところ「痴話喧嘩」と「縄張り争い」に終始している。

金持ちが、どんなに金を持っても、結局「車か飯か家か」くらいにしか使い道を思いつけないのと同じで、どれほどスケールアップして、潤沢な製作費をもらっても、人ってのはうまく活用はできないんだと実感する作品。

パルクールシーンが如実だが、どんどんカメラが動いて、そりゃ大変だったと思うけれど、それが原因で全然疾走感がなく、絵的には作画コストが高そうなのに、全然魅力的に映らないジレンマ。

全く興味が持続せず、ツムツムをしながら鑑賞した。こういう救いようのない作品はそれぐらいで消費したほうが、作り手も気が楽だと思う。

ネトフリの日本アニメへの投資って、業界的に果たしてプラスなんだろうか。面白くないものばかりなのだが、、、

いくつになっても男と女

いまおかしんじって、本当に天才で変なやつなんだろうなと思う作品。
めちゃくちゃ泣けるし、笑えるし、終わった後にスッキリする。

この作品に関しては、また語る場を作りたいなと思う。

お勧めです。

まとめ


4月は、19本の鑑賞でした。
新作映画は、5本の鑑賞(劇場鑑賞は2本)
いやぁ、やはり忙しかったんですね、なかなか本数が伸びてません。

そのほかに、梨泰院クラスとテレビアニメ数本を見始めたことも影響しているのでしょうか。

5月は30本ほど見れればいいのですが、、

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