お題①

知らない方が幸せなことだってある、
君はいつだってそう言ってわらう。
君の笑顔が嫌いです。
きゅっと細まる目の奥はどこか暗く冷えていて、決まって私を寂しくさせる。
知らない振りでは駄目ですか。
全てを知ったその上で、君の笑顔を乱したい。
知れば不幸になるなんて、思い上がりだって証明したい。
君への感情をわらって切り捨てる君が憎い。
確かにこの胸に存在しているのに、切り開いたところで君に見せつけてやれないそれが悲しかった。
君の秘密の一部になりたい。
そんな私の願いですら、きっと君はわらうだろうね。
君の笑顔が嫌いです。
私の知らない君を殺してしまえたら楽なのに、嫌いで憎くて、それでも寂しい、ああ、もうやってらんない


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お題
「知らない方が幸せなことだってある」で始まり「ああ、もうやってらんない」で終わる


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