見出し画像

野球とビールと私 

 子どものころ、父親は野球のオニだった。週末は自分の草野球の試合で不在。息子(私の兄たち)がスポーツ少年団の野球チームに入ってからはコーチを務めていた。そして大の巨人ファンであったため、口癖は「巨人の監督をオレにさせてほしい。」で、ビンのビールをコップにつぎながら熱く野球論を語る。そんな風だから、野球のナイター中継を見始めるとそれに夢中で、他のことは何も耳に入らない。その状況に腹を立てた、日頃からやや乱暴な母親の口癖は、「だれか東京ドーム、爆破すればいいのに。」

 そんな家庭で育った結果、私にとって野球というスポーツは日常であり、野球場やユニフォームは原風景である。中学生のときの、今でいう「推し」は、日本ハムファイターズの西崎幸弘だったし、独り暮らしをしているときは、缶ビール片手にプロ野球中継をぼんやり眺めながるのが、一番心休まる時間だった。

 今、高校野球を経て、野球ができる学校への進学を決めた長男と、中学の部活でのんびり野球をする次男と一緒に、缶ビール片手にWBCを観戦している。三人で「大谷、ヤバすぎやろ~!」と大声をあげながら観る野球。時の流れの中で、変わっていくものももちろんあるが、変わらないものも存在することに、感謝の気持ちがわき起こる。
 
 さあ、今日もがんばって仕事しよう。そして夜はビールを呑みながら、侍たちの応援をしよう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?