見出し画像

自然と共に生きる仕事。それが北海道の農林漁業[SIWR#24]

「インターン・ワークショップ・レポート」は、大学生によるワークショップ現場の率直レポートです。2018年から冊子として発行してきたものをnoteでは新旧織り交ぜて紹介していきます。
note版#24は、中島さんによる『北の大地のオンラインジョブサロン
(2021 年7 月10 日)』のレポートをお届けします。

今の暮らしを変えたい、そのきっかけに。

 自然と共に生きる仕事。それが北海道の農林漁業の特徴です。しかし、興味を抱いても移住や転職といった次の一歩を踏み出せずにいる方もいるのではないでしょうか。
 そこで「北の大地のジョブサロン」では、実際に移住して、イキイキと働くゲストをお迎えし、生の声を伝える機会を提供しています。
 今回は、酪農から藪内直美さん( 浅野牧場・釧路市)、林業から齋藤司さん( 株式会社イエツネ林業・足寄町)、漁業からは石川典嗣さん( 有限会社 総幸丸水産・石狩市) にご登壇頂きました。

農林・漁業で働く人たちの生の声

 トップバッターは、漁業の石川さん。仕事は朝の1 時30 分から始まり、20 時には就寝。天候や季節に左右されるため、漁師の休日は不定期ですが、漁師の魅力は「海から見る陸の景色」。陸から海を見ることはあっても、海から陸を見る機会はなかなかない。漁師ならではの生活のリズムと特権を、語っていただきました。

 次は酪農の藪内さん。兵庫県ご出身で、北海道へ大学進学後、酪農経験がゼロの状態で浅野牧場に就職されました。その暮らしぶりは、次の章で触れます。

 最後は、林業の齋藤さん。東京で働きながらご家族と暮らしていましたが、林業の転職フェアを機に、その後札幌で林業研修を受講。東京に家を残したまま、「お試し移住」を経て、後にご家族も移住されました。

 私の出身地でもある釧路ではめずらしいケースなのですが、藪内さんも齋藤さんもペットとしてヤギを飼っているそう!農林漁業で働く人ならではの共通点も垣間見ることができました。

「なぜ北海道?」「自分の時間はありますか?」

 セミナーをしめくくる質問コーナーでは、来場者から「なぜ北海道を選んだのですか?」という声も。ゲストスピーカーは、「北海道は機械の普及率が高い。それが本州との違いだった」という仕事における利点や、「北海道そのものが好きだから」という趣向、移住したからこそわかる実感を交えてお話しされていました。
 また「自分の時間はありますか?」という質問に、藪内さんが「働き方は選べる。私はここまで!と決めて、あとは家庭菜園など好きなことをやっています」とお話しされていたのが印象的でした。
 酪農だけでなく育てた野菜を直売所で販売することもあるそ う。また、仲間と一緒に北欧フィンランドの伝統的なモビール・ヒンメリを制作するなど、日々の暮らしの楽しみを自分で作っていらっしゃる姿勢がとてもカッコいいな、と思いました。

暮らしの新しい一歩に

 最後に、ゲストの皆さんからは「ぜひ、気軽に体験しに来て欲しい」という提案も。今の暮らしを選択して良かったからこそのひと言かもしれません。
 今回のイベントを通して、来場者も農林漁業の仕事と暮らしを想像できたのではないでしょうか。ぜひ、想像で終わらせず、世の中が落ち着いたら、来場者の方も実際に北海道での暮らしを体験して下さったらいいなと思います。それが、みなさんにとっての新しい一歩になったら良いですね。

○インターンレポーター:武蔵野美術大学 造形構想学部 クリエイティブイノベーション学科3年 中島 純(開催当時)
○ワークショップ名:北の大地のオンラインジョブサロン
○開催日時:2021 年7 月10 日
○実施場所:オンライン 
○参加者:農林漁業に興味のある方、北海道の暮らしを知りたい方、今の生活を変えたいと悩んでいる方
○テキスト校正・添削:鈴木徳子(Writer/Editor)

インターン・ワークショップ・レポート
「インターン・ワークショップ・レポート」は、石デ(石塚計画デザイン事務所)のまちづくりワークショップの現場を体験した大学生の率直レポートです。
現場の様子が丁寧に綴られているだけでなく、ほっこりする感想や、意外な視点もあり、プロのファシリテーターも当日を振り返って刺激を受ける内容が詰まっています。
2018年から冊子として発行しているものをnoteでも新旧織り交ぜて掲載していきます。

Copyright(C) Ishi Planning & Design Co.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?