見出し画像

ブレーキとアクセルを絶対に踏み間違えない車こそ欲しい! 自動車会社が今するべきことは新型車の開発か?

一昔、いやそれ以上前に、「学校の常識は世間の非常識」とよく言われていた。
だが、その「世間の常識」は、常に「正しい」のか。
首を傾げたくなる「世間の常識」も少なくないのではないか。

教師時代に子供を引率して校外に出掛けた折には、多くの方々に随分とご迷惑をお掛けしたように思う。
道路を大勢の子供をぞろぞろと連れて歩いた。
通行の妨げになっていたり、交差点で自動車を待たせ過ぎたりしたことが、度々あったことと思う。
ひたすら陳謝と感謝をするのみである。

だがその一方、狭い道路を大きな自動車が通り、子供が接触しそうになって冷や汗をかいたことが幾度かあったことも、事実である。

そこで、考えるのである。
日本の自動車は、なぜ近年加速度的に大型化しているのだろうか。
決して道路が広くなったわけではない。
にもかかわらず、5ナンバー車は減り、3ナンバー車が増えるばかりである。
しかも3ナンバー車といっても、制限一杯のサイズではないかと思える大きさのものが続々と売り出されている。
そのため住宅街の道路では、歩行者が一人いるだけで渋滞となる。
もちろん歩行者のせいではない。すれ違うだけで道幅一杯になる自動車のサイズが原因なのだ。

「大きいことはいいことだ!」は、戦後の高度経済成長期のキャッチコピーであり、はるか昔に死語になったはずなのに。

ところで、近年、自動車が登校中の子供の列や店舗などに突っ込み、多くの死傷者の出る事故が後を絶たない。
その原因の一つは、運転手のブレーキとアクセルの踏み間違いである。

今、自動車メーカーがするべきことは、新型車の(それも不必要に大きなサイズの車の)開発ではなく、<絶対に運転手がブレーキとアクセルを踏み間違えない車>の開発ではいのか。

テレビCM で新型車のデモカーが何台も並ぶ前で得意気な笑顔を見せる社長は、自社の車が「ミサイル」などと揶揄されていることに対して、恥辱や責任を感じないのだろうか。
それとも、販売台数が多いことで事故件数が大きくなっているだけだと考えているのだろうか。販売台数が多いからこそ、事故を防ぐ責任も大きいとは思わないのだろうか。

小学校5年生の社会科では、自動車工業を、日本を代表する工業として取り上げることが多い。
その学習の中で、子供たちに「こんな車があったらいいな」という未来の車を考えさせることをしばしば行う。日本の「モノづくり」に対する夢や希望、願いを育む場である。
私の実践では、「環境に良い車」「空を飛ぶ車」「誰でも運転できる車」などを思い描く子が多かったが、今はきっと、それらとともに、<絶対に運転手がブレーキとアクセルを踏み間違えない車>を願うのではないかと思う。