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ishiika78短編集

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私の書いた短編小説を集めました。ここではそれを読むことができる。
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#note書き初め

羅生門X

羅生門X

 下人の行方は、誰も知らない。
 そう、あの女を除いて。

 ここは羅生門。
 広い門の下には、この裸体の老婆のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。
 そしてもう一つ。老婆の前に女の死体が案山子のように立てられている。
 老婆の手には先の煤けた一本の木片。燃え尽きた松明をゆらりと掲げ、猿のような呻き声をあげながら女の死体に打ち付ける。
 ある者の目からは

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