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はてしない石の物語#33~変形したリングからの「自分に自信を!」

石の世界が拓けていくことなど夢にも思っていなかった2023年5月6日、私は友人であるオダさんの指輪のお直しに付き合っていました。他の用事で会っていたのですが、その後に指輪を直すためお店に行くというのでついていくことに。その指輪は、お母さんの形見の指輪のサイズが合わず普段使いできるデザインでもなかったので、それを売って「いつも身につけられるものを」と購入した、とても大事なものだとのことでした。

特に何かしたわけでもないのにリングの部分が変形してしまったという指輪。オダさんは納得がいかない様子でした。「それは納得いかないよね」と思い、綺麗に直りますように・・・と思っていました。

私に石の世界が拓けたのは、その2か月ほど後のこと。離れたところに住んでいるオダさんにも、不思議な石の世界の話をメールで伝えていました。私は「そんなこともあるのかもしれないなあ」と思ってもらえたらという気持ちだったのですが、「石にも想いや意志がある」と知ったオダさんは「母の指輪、売らない方が良かったのではないか」という後悔の気持ちが強くなっていったようでした。しかも、直ってきた指輪がまた変形してしまった、とのことで「一度、K先生に見ていただこう」という話になりました。

こんな風に変形していました。


再び変形した指輪

送ってもらったその指輪を先生に見ていただいた時、「形見の指輪はお母さんの思い入れがあって好きだったものらしい。でも、それを売ったことを怒ったりはしていない。代わりに買った指輪を見てお母さんや形見の指輪を思い出してくれればいいそうだよ」とのことでした。ただ、指輪が変形してしまうことに関しては「オダさんとの相性があまり良くないようだ。お互いにもっと合う人や指輪があるから、手放した方がいいかも」とのこと。それを聞いて私は困ってしまいました。「お母さんは指輪を見て思い出して欲しい、と言っているのに、売った方がいいというのは矛盾していますよね」と言うと「そうだよねえ、矛盾しているよねえ」と先生も困り顔。しばらく指輪を見て「これを売って、母さんや形見の指輪をイメージしやすいような指輪に変えたらいいのではないか」という提案をしてくださいました。それが2023年11月20日のことでした。

その4日後の11月24日にオダさんと会うことになっていたので、その時に指輪をお返ししながらK先生の言葉を伝えました。大事にしていた指輪だと知っているだけに、お直しまで付き合っていただけに、そのまま伝えるのは私自身ちょっと辛いことでした。でも、私がメッセージを受け取ったわけではないので勝手にニュアンスを変えてはいけないと思って、そのままストレートに伝えました。案の定オダさんは辛そうな顔をして「手放さないといけないのかな?」と聞くので「先生はそうした方がいいと言っていたよ」と答えました。実は先生は「この指輪を見るとオダさんは後悔が浮かんでしまうようになっている。その気持ちを変えるのはなかなか難しいこと。そしてあまり良いことではない。だから思い切って変えた方がいい」ということもおっしゃっていました。そのこともお伝えしました。そして内心「その上でどう判断するかはオダさんが決めていいのよ」と言いたかったけれど、あえてそれも言葉にはしませんでした。

「その後どうしたかなあ」と思っていたところ、2024年1月14日にオダさんからメールをいただきました。形見の指輪がルビーだったとのことで、それを思い出せるようなルビーの指輪を購入し現在届くのを待っている、とのこと。変形してしまった指輪はそれ以上の変形はなく、かえって指にフィットしているし、思い入れがあって購入したものだから手放すに忍びず、ルビーが届いたら一緒につけようと思っているとのことでした。

そのメールをもらって、「さすが、オダさん!」と感激しました。そして「そうするのが一番いい!」と思いました。意見を聞いた上で自分の責任で判断できる、オダさんはそういう人だと思っていましたが、その通りだったと嬉しくなりました。

そこで私はこのことを伝えたうえで、K先生に私の考えをメールで送りました。

『指輪が変形しなかったら、こうしてメッセージを受け取ろうとは思わなかったはず。大切なのは、指輪を通してお母さんを思い出して欲しいというメッセージが届くことだったのではないかと。また、さらに大切なのは、自分がどうしたいか、ということを再び問い直すことだったのではないかと。相性が悪いなら手放す、ということももちろんあり。でも、それでも自分なりの想いをこめて購入したものだから、これからも大切にする、ということも素晴らしいこと。そしてその選択によって、また指輪との関係も変わっていくのではないかと。それは相手が人でも物でも指輪でも同じなのではないかと思うのです』

それに対してK先生からはこのような返信が届きました。

『おっしゃる通りだと思います。その考え方が一番素晴らしいです』

そして、再び2024年2月7日に、変形した指輪と新たに購入したというルビーの指輪をK先生に見ていただきました。先生は「いつまでそんなこと気にしているの?」という感じで「売ってしまったことはもう全く気にしなくていいよ」とおっしゃった上で「真っ先にきたメッセージは『自信をもちなさい』だよ。やりたいことをやりきりなさい。それを手伝うからって」と。「オダさんは何かこれからやってみたいということがある人?この指輪はすごくパワーが強いから、そのやりたいことを応援してくれる。ルビーは可愛い指輪だねえ。一緒につけたらさらにいいよ」とのことでした。

組み合わせるとこんな感じです。


組み合わせも最高なリングたち

ああ、良かった!こういうメッセージに辿り着けたことに安堵と共に感動を覚えました。オダさん、良かったね!お母さんもどんなにか喜んでいることでしょう!

こうして、石から、そして石と人との関係から大切なことを学べている私はとても幸せだと思いました。今回あらためて「自分がどうあろうとするのか」「自分はどうしたいのか」ということが大切で、自分の気持ちを大切にしてその選択に責任を持つ覚悟が大事なのだと心に刻みました。大事なことを教えてくださったオダさんやオダさんのお母様や指輪たち、メッセージを読み取ってくださったK先生に感謝いたします。みなさん、ありがとうございました。

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