文学フリマ東京へ行ってきた

 去る11月20日、文学フリマ東京35が東京流通センターで開催された。私が会場に行ったのは第28回以来の約3年ぶりのことであった。その間にコロナ禍があったが、中止となったのは第30回(各地域は除く)のみで、以降は予定通り開催されている。
 実を言えば、私は今回も行く予定が元々なかった。これまでは、感染予防という理由で行くのを控えていたのであるが、今回は理由が異なる。原稿を書く上で扱う資料を収集するべく、都内に出ようと考えていたのである。自粛ムードが一変し、金銭事情もあるなか、都内に出る機会を有効に使おうということで、資料を収集しようと考えたのである。だが、事前に調べた結果、目当ての資料の収集が見込めないことがわかった。ちょうどその時に、文学フリマ東京35開催の知らせが入ってきたのである。先日、と言ってもだいぶ前のことになるが、「同人誌についての雑感」という文章を書き、そこで前回の文学フリマ東京の様子を伝えるツイートが私のTwitterアカウントのタイムラインに多く流れてきたことに言及した。そして、その内容を記した「同人誌についての雑感」という文章が、一部の出店者の目に留まったようで、その文章自体をも広汎に紹介していただいたりもした。そこで、今回は行ってみようという気になった次第である。
 当日の天気予報は雨天とのことであったが、幸いにも私が会場に到着した時点で雨は降ってなかった。会場を後にしたあたりから雨が降り始め、次第に強くなっていったが。私が会場に到着したのは、入場開始時刻から1時間後のことであったが、すでに会場は多くの人で賑わっていた。私のTwitterアカウントのタイムラインには前回同様、文学フリマ関連のツイートが多く流れていた。ただ、前回のように某大物批評家が会場にやって来て、指先で水を差すようなこともなかった。これによって多くの方々が不愉快な思いをせずに済んだことはよかったと思う。
 公式サイトによれば、今回の出店数は1304、来場者数は7445人とある。来場者数は出店者と一般来場者の合計とのことであるが、恐らくいずれも過去最多であるように思われる。これは何を意味するか? 同人誌作成のハードルが低くなっているからなのか? 若手の物書きの間で文芸復興の機運が高まっているからなのか? または、商業誌の現状に物書きが不満を持っているからなのか? 問いはいくらでも立てられる。だが、答えは風に舞うのではなく、ただそこにあるもののみである。意味は結局のところ想像物でしかない。ただ、文芸復興の機運の高まりの結果であって欲しいと私は思う。
 会場に到着してから私は会場内を一回り歩き、どんなブースがあるのかを確かめた。その後でまず、あえて誌名を伏せるが、先の私の書いた文章を広汎に紹介していただいた方々のブースに行き、紹介していただいたことの御礼も兼ねてその方々の発行する同人誌を数冊購入した。その他、目当ての同人誌を数冊購入したが、予算の関係上思い通りに購入することができなかった。次回は約半年後の来年5月に同じく東京流通センターにて開催される予定である。次回までに、後悔しないように資金集めに奔走するのみである。

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